ヒゲジイのアル中患者よもやま話

朝から飲酒で廃人=死の淵まで経験してしまったヒゲジイの断酒中に思い浮かべた「よもやま話」。まだ、チョット変かな?

ヒゲジイ流 “言語化” の流儀

2017-06-16 06:46:00 | 随筆
 アルコール依存症からの回復には “認知のゆがみ” の矯正が課題と言われています。その矯正に推奨されているのが認知行動療法の一つ “言語化” です。

 私がアルコール依存症と診断され、酒と縁を切ってからほぼ3年8ヵ月、本格的に “言語化” に取り組んでからも2年10ヵ月が経ちました。断酒を始めるまで “言語化” という言葉さえ全く知らなかったのですが、今では生活リズムの一つとしてほぼ毎日これに励むようになりました。そのお陰で順調に回復しつつあると自負しています。

 私の考えている “言語化” とは、移ろいやすい思いを言葉で掬い取り、文字に固定し、見える化するということです。こうすることで、過去の自分の姿が客観的に見える化されます。この作業を続けることが記憶のネットワークを活性化し、アルコールでイカレた脳の回復をも促進してくれると考えています。

 忘れない内に酒害体験を記録しておこうという単純な動機から始めた “言語化” ですが、そのうち自分の過去との対話という位置付けに変わってきました。いい機会と思い、我流で取り組んできた私流の流儀(?)を整理してみました。当初から常に心懸けていたのは以下の5つです。
 
事実を正確に把握しておくこと
 出鱈目を重ねてきた飲酒時代が相手ですから、触れたくない過去はあります。書き始めてみて改めてそれが自覚できました。

 後ろめたさに苛まれ、つい感情に流されて自己否定に陥ったことがありました。罪悪感と反省の記述に始終したことや、上辺だけの悪行を書いていたこともあります。

 そんな苦い経験に懲り、対象とした時代の正確な個人史年表を作りました。個人的な出来事に限らず、その時々の客観的な社会情況の記述をも含めた年表です。この年表のお陰で自分の過去を相対化することができ、厳しい時代背景を背に精一杯頑張って来た自分の姿も見えて来ました。

5W1H、特にWhy(なぜ?)を意識して叙述すること
 “言語化” の真髄は客観的事実関係を明らかにすることだと考えています。その意味からも5W1Hを意識して書くことは極めて重要です。特にWhy(なぜ?)による因果関係の解明が鍵で、事実から決して目を背けまいと努めてきました。

 このことを忠実に実践しようとすれば、必然的に場面描写も含む物語風の叙述にならざるを得ません。大変な労力を要しましたが、それだけに記憶機能の活性化が進んだと考えています。

言葉と表現に徹底してこだわること
 書いた文章に違和感を覚えたら、自分の思いとはズレがあるというサインです。思いが適切な言葉となっていない証です。文法的な誤りの場合もありますが、違和感なくスッキリするまで徹底的に言葉や表現にこだわってきました。違和感は “自分に正直に!” という警告です。このことは次の項にも当てはまります。

誤魔化し、繕い、装いでウソを書かない
 事実から目を逸らそうとしていたのでしょうか。無意識によくやっていたのが誤魔化し、繕い、装いへの逃げでした。アリキタリの言葉でアリキタリに表現し、知らず知らずにアリフレた話にしてしまうことです。言い換えれば、自分の言葉ではなく、つい他人の尻馬に乗ってしまうということでしょうか。

 違和感に気づいて読み返してみると、自分の思いとはかけ離れた薄っぺらな印象の文章になっていました。ここでも重要なことはやはり違和感です。違和感は “正直に” 書き手の自分に警告を発してくれました。

文章は一定以上の長さにすること
 ブログ投稿用の記事は、当初A4サイズ(40字35行)2ページ半を目標としました。実際に書き始めると記憶が活性化され、次から次へと思い出が湧き出してくるものです。できるだけそれらを全部書き留めることにしました。問題を多角的に捉え、深く掘り下げて考えるためです。

 その結果、目標としたページ数を超え、続き物にすることがよくありました。今になって読み返してみると、編集の余地が十分過ぎるほどありますが、記憶機能の活性化にはよかったと考えています。断酒歴3年を機に、5番目のルールは止めにし、短くまとめるよう努めています。


 現在試みていることは、次の二つです。何か引っかかりの残った身近な出来事について “言語化” すること。言葉をよく練って簡潔な文章を書くこと。この二番目は難題ですが、これらを課題として試行錯誤中です。

 文章の簡潔化と共に私の究極の目標は、如何にして自分自身をも常に客体化して眺められかです。道半ばではありますが、“言語化” の継続でそれが出来そうな気がしています。
 “ありのままの自分を ありのままに・・・”


ヒゲジイ流 “言語化” の実際については、こちらをご参照ください。
“心の落ち着き(serenity)”が分かる?(言語化入門)」(2015.3.06投稿)
回復へ ― アル中の前頭葉を醒まさせる」(2015.6.05投稿)
自分に正直になるには “言語化”」(2017.2.24投稿)


いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加中です。是非、下をクリックして順位アップに応援お願いします!
クリックしますと、その日の順位が表示されます。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ
    ↓    ↓
『闘病』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 思い込みと旧式蛍光灯 | トップ | 自我のめばえを幼女に教わる »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL