ヒゲジイのアル中患者よもやま話

朝から飲酒で廃人=死の淵まで経験してしまったヒゲジイの断酒中に思い浮かべた「よもやま話」。まだ、チョット変かな?

回復の邪魔:「“古い考え” を引き摺る」って?(下)

2017-04-21 06:17:27 | 随筆
 専門クリニックの院長によれば、何かにつけ「・・・でなければならない」と考えて
しまうのは、 偏った認知パターン “認知のゆがみ” による自動的思考だそうです。
現実を受け容れられない心がそうさせるのだと言います。私はこれを「・・・でなけれ
ばならない
」病(?)と呼んでいます。


 さて、積み上げ方式の思考パターンを引き摺った頭でゴールまでの計
画を立てようとすると、最初の段階から不備な部分がどうにも気になっ
て堪らなくなるものです。

 不備と見るや「これじゃマズイ、何とかしなきゃ(ならない)」と、
課題がどんどん増えるばかりです。「必要最小限の条件を満たせばこれ
でも十分イケる」という発想があればまだ救われるのですが、抜け道を
探す器用さを持ち合わせていないと悲惨です。

 結局、「これじゃとても実行は難しい」という悲観論に陥ってしまう
わけで、自力で何でもできるという自惚れと、経験不足の頭でっかちが
嵌まりやすい落とし穴です。

 自分でもこんな状態に呆れ、「これじゃあ “石橋を叩いて渡る” で
はなく、“石橋を叩き壊して” 渡れなくしている」と自虐的気分に苦笑
いしていました。想像力には限界があるという、現実に即した経験が欠
けていたのです。

 会社の業務を進める上で、私が葛藤に苦しみ始めたのは開発プロジェ
クトを率いる立場になってからでした。プロジェクト・リーダーは開発
スケジュールと予算を毎年自力で策定しなければなりません。絶対に成
功させなければならないというストレスに加え、その都度立ちはだかっ
たのが例の積み上げ方式の厄介な思考パターンだったのです。

 積み上げ方式で構想した望ましい組織・体制と、組織上の不備や上司
の無理解などの現実とが年々軋轢を増し、さらに上昇志向の虜であった
私のプライドが歳の近い直上の上司に嫉妬するよう仕向けるなど、葛藤
は縺れにもつれた凄まじいものとなりました。どうかすると孤立無援と
思い込んでしまい、従前にも増してアルコールに走って行きました。
そうでもしない限り現実と折り合いが付けられなかったのです。私も経
験不足でしたが、教育システムがお粗末だった会社も経験不足でした。

 そのアルコールが曲者で、いつの間にか悪循環を拡大させて行きまし
た。アルコールは、部下の女性社員へ恋心をけしかけるなどさらに複雑
な葛藤を生み、果ては妻をも巻き込んでの家庭崩壊へというお決まりの
コースへ導いてくれました。そんな悪循環の中で、“認知のゆがみ” に
よる「・・・でなければならない」病が定着して行ったのだと思います。
仕事絡みのマイナス要因がすべて解消された後になっても、「・・・でなけ
ればならない」病はそのまま続いていたのです。
以上が「“古い考え”を引き摺る」の一つの事例、私が辿った姿でした。

 ところで上で述べたように、“古い考え”( 固定観念)のせいで、否応
なしに駆られてしまうのが「・・・でなければならない」だそうです。
言い換えれば、“認知のゆがみ” がさせる自動的思考です。

 断酒を始めて10ヵ月もの長い間、私が囚われていたのは「酒を絶対に
飲んではいけない / 何としても断酒を続けなければならない」でした。
このことに初めて気づいた時は、依然としてアルコールに囚われている
証拠と考え、皮肉を込めて「・・・でなければならない」病と名付けたの
です。改めて考えてみると、雁字搦めにされていたのはまさに “古い
考え” を引き摺っていたせいで、アルコールというよりもむしろ “認
知のゆがみ” がその黒幕であったと気づきました。

 そう気づいた今、私は “認知のゆがみ” を何とかして手懐けよう
と、日々あれやこれや工夫をこらしているところです。そのお陰でしょ
うか、“認知のゆがみ” にリアルタイムで気づけることが多くなりまし
た。
(この項おしまい)

“認知のゆがみ” 回復の最難関にどう向き合う?(下)」(2017.2.10投稿)もご参照ください。


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