写真のように、毎年律儀に咲いてくれる「シロバナヒガンバナ」が、今年も開花しました。
今から20年くらい前になりますか、私が福山の小学校に勤めていた時、同僚の教師からいただいた球根を植えたのが始まりでした。あれから毎年、本当に“律儀”に開花して楽しませてくれています。
彼岸花は学名を「Lycoris radiata Herb.」と言い、和名は「ヒガンバナ」別名「曼殊沙華」と言います。ヒガンバナ科の植物で、属名のリコリスはギリシャ神話の海の女神の名です。ラディア―タ(radiata)には、“放射状の”という意味があります。この時期(秋の彼岸の頃)に咲くので、和名の彼岸花が充てられているようです。また「曼殊沙華」の名も広く行き渡っていますが、これはもともと法華経にある天上赤花のことのようです。どことなく異国風な花の姿から、お寺あたりで言いだされたのかも知れませんね。
球根には強い毒性がありますが、昔はこれを食用にしたと言われています。球根(りん茎)をすりつぶした物を流水によく晒し、後に残ったでんぷんをかき集めて食物としたわけで、もちろん人間にとっては危険な食品に違いありません。飢饉の時などの救荒食品だったようです。四国地方には明治以後までその風習があったと言われています。
我が家の彼岸花は白色ですが、裏を流れる加茂川の草叢には「赤いヒガンバナ」が真っ赤な絨毯のように咲きそろっています。目を楽しませてくれる「自然の贈り物」のようです。