ナガシマの玩具なブログ

ナガシマの趣味(その他)のブログです。
子育て真っ最中の為どれも中途半端ですが、
思い切りやれる日を夢見ています。

佐貫亦男 著「道具の再発見」その壱

2017-06-19 | 読書など


父親の本棚にあった本です。なかなか面白かったです。40年近く前の本でしたが内容は古くありませんでした。帝大の航空学科を卒業した著者が、身の回りの道具について語る本です。
著者はヨーロッパの山々を歩くのが趣味だったそうで、ドイツやスイスの道具についての記述が多いです。

<よい道具>とは、
①動くべきものに動き、動くべきでないものは動かないこと。
②ただ動くだけではなく、軽く、快く、歯切れよく、機能的に動くこと。
③使用者に不快感を与えず、傷付けないこと。
④一目でわかること。
⑤適度の芸当と遊びがあること。
⑥愛着を持たせること。

この6つを満足するのが<よい道具>だそうです。普段の生活の快・不快さはいかによい道具を選び、使うかに大きな関係があるように思われます。
(以上、本の裏表紙から抜粋)



ぼくはクルマの整備に使う工具を多少持っています。上掲の6つの要素はハンドツールにも当てはまります。良い工具は精度が出ているのはもちろん、手に馴染んで使いやすく愛着も湧くものです。
しばらくクルマの整備士をしていましたが、良い工具で仕事をするのは実に快感です。変な例えですが、抱き心地の良い女の子と一緒にいるような感じです。
これが扱うたびに手が痛かったり重量バランスが悪い工具では、楽しいはずの作業も苦痛に近いものになります。



この本の著者は、我々が普段目にする公共交通機関のイスや握り棒、住居の扉、洗面台の造りなどを取り上げています。画像はスイスの列車の釣戸です。アルミ製の戸ですが、鴨居部分で釣られているので軽く動くとあります。
よくあるアルミ製の雨戸は、敷居部分のレールで戸の重量を受け持っています。古くなってレールやコロが傷むと途端に動きが悪くなります。レールは上向きに付いていますから、汚れが溜まりやすく腐食の原因になります。今はもう見ませんが、雨戸が仮に木製なら材料の収縮を加味して更にファジーな造りにせざるを得ません。

ただ軽く動くだけではダメです。上掲の列車のドアなら、車体が揺れるたびに勝手に開いたり閉まったりしては都合が悪いです。開け閉めの開始点にクリック機構のような物、あるいはロックが必要でしょう。クリック機構も列車の動揺に耐えられると同時に、適度な柔らかさでなければなりません。
手をかける部分のデザインや位置も考えなければ。開け閉めする度に指が痛くなるようでは不合格です。
(大戦中のレシプロ機の風防はアルミサッシのようにカラカラと簡単に開かないようです)




ネクタイピンのケースです。これ、今も同じカタチなのではないでしょうか。
著者も述べていますが、台形のカバー(透明プラスチック)が隙間なくかぶさっているので、開けるために爪を立てなければなりません。ドイツ人なら必ず手がかり(この場合、開けやすくするための溝)を付けると述べています。
レゴブロックの小さいピースがガッチリ組み合わさってしまって、お子さんに「外して〜」と言われた方は多いでしょう。



つまらない物かもしれませんが、ミントタブレットのケースです。
取り出し口のフタには開けやすくするための溝が付いていてます。ケースがポケットの中にあって見えなくても、触ればすぐに取り出し口がわかります。
時折タブレットの出が悪いこともありますが、ケースの厚みはタブレットのサイズに準じていて、取り出し口で詰まらないようになっています。



こちらのケースはスライドして開けます。スライド部分を指で押し易くするために切り欠きが付いています。



ケースを利用したいので、ミントタブレットを詰め直しています。元のタブレットの大きさにやや合わないのかもしれませんが、タブレットが重なり合ってスライドぶたの動きを阻害することがあります。
その場合は手で振って詰まりを取るのですが、ストレスになります。取り出し口近くでタブレットが詰まって出て来ない場合もあります。



我々日本人が普段見ない道具ですが、例えば腰に付けたホルスターに拳銃を入れているとします。当然コンシールド(隠し持つスタイル)です。
上着の下に隠れるようにしますから、ぼくならお尻のポケットの右上くらいの位置にホルスターを付けます。

この場合の拳銃を抜くアクションは、右手で上着の裾を後ろにはね上げ、返す手で拳銃のグリップを握り、ホルスターのスナップボタンを親指で外しつつ抜く。可能な限り迅速に抜き・構え・撃つ。流れるような動作が必要です。

もしその際、上着が何かに引っかかったり、ホルスターのスナップボタンが外れ難い、拳銃が何かに引っかかって抜けなかったりしたら?役に立たない道具と言うことになります。
ミントタブレットは出が悪くても構いませんが、拳銃なら生死に関わります。抜き易さを優先する余り、何かの拍子に拳銃を落としてしまったりしては仕方がありません。
(早撃ちなら西部劇のガンマンのガンベルトが一番ですが、あのスタイルではコンシールド出来ません)

タブレットのケースに話を戻しますが、ケースの中で詰まらないように、タブレットを小さい物にすれば良いのかもしれません。しかし大きさによっては余計詰まるかもしれませんし、逆に大き過ぎもダメです。タブレットの大きさや形、ケースの造りは密接に関わり合っているわけです。
味がいくら良くても、取り出す度に詰まったりする容器なら「こんなモノは二度と買うか」となるかもしれません。



読者諸氏には既におわかりでしょうが、これはネジや歯車がスムーズに回るのと同じことです。機械工学的には公差と言われますが、組み合わさった2つのパーツは、ある程度のガタ(遊び)がないとスムーズに動きません。

日本人は器用なので、タブレットケースの開きが悪くても我慢して使うかもしれませんが、不器用な民族ならあずにゃんのケースを壊してバラバラと出してしまうでしょう。

その弐に続きます。
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