575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

" 芸術は爆発だ " 蘇る岡本太郎    竹中敬一

2017年02月24日 | Weblog
今の若い世代で、昭和の頃、有名だった例えば、作家の舟橋聖一、丹羽文雄、
画家の梅原龍三郎、安井曽太郎、林武らをどれだけの人が知っているでしょうか。
多分、作品はもとより、名前すら知らないだろう、と云ったら言い過ぎですか。
それに比べ、この世を去った後も再認識され、若い世代にも人気が
高い画家がいます。岡本太郎 ( 1911 ~ 1996 )です。

私が岡本太郎と出会ったのは昭和30年代初め、愛知県美術館で彼の講演を
聞いた時です。この講演で私は今、その内容は忘れてしまいましたが、
若気の至りで彼の考え方に反論したのです。
岡本太郎には、これがきっかけになって、その後、テレビに何回か出演して
もらいました。東京 青山の自宅兼アトリエにも行ったこともあります。
玄関には、等身大の岡本太郎そっくりの蝋人形が置かれていたのを覚えています。

私は今も岡本太郎の美術評論集 「 今日の芸術 」( 昭和29年 光文社 ) を持って
いますが、今、読んでみても、文体も古臭くなく、内容は新鮮です。
同じ前衛芸術を論じても、花田清輝や瀧口修造らの難しい論調に比べ、誰にでも
わかりやすい内容になってします。

  「今日の芸術は、
  うまくあってはいけない。
  きれいであってはならない。
  心地よくあってはならない。」 ( 岡本太郎著「 今日の芸術 」より )

私の大学時代、つまり60年余り前の文章です。私はこの考え方に今も共感して
います。画家の中には、反論する人もいると思います。
「今日の芸術」を再読してみると、確かに、矛盾してる箇所もありますが、
岡本太郎の純粋で一途な想いは時代を越えて伝わっているように思います。

中日ドラゴンズファンだったという岡本太郎が今、生きていて、
「名古屋市が全国の主要8都市の中で最も魅力に欠ける街に選ばれた。」と
聞かされたら、どう答えるでしょうか。
「いいじゃないか。魅力のないところが、魅力なんだョ。」とでも云ってくれ
そうです。

写真は竹中健さんの絵です。

            

名古屋市内には確か岡本太郎さん作の梵鐘があったと記憶しています。遅足

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