575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

梅雨寒や別れの際の暖かさ    麗

2015年07月23日 | Weblog
先月、実家に帰った時の別れ際の玄関での出来事です。

圧迫骨折で4ヶ月入院していた母でしたが、大分回復し家の中は一人で歩けるように。週二回デイサービスに通うようになった母が、別れ際に私を抱きしめてくれたのです。

なぜか母が「お父さん、三人で抱き合おう」と言いだし、父は照れて握手のみでしたが、母は痩せた身体で、でもしっかりと私を抱きしめてくれました。私は「また帰ってくるからね!」と言いながら泣いていました。

あまりべたべたしない母だったのに、どういう心境の変化だったのだろうと思うと帰りの新幹線では泣けて泣けて涙が止まりませんでした。
でも、泣くだけ泣いたら、なぜか暖かい気持ちになりました。母に物心ついて初めて抱きしめられたことが嬉しかったのだと気づきました。

この先、この突然のハグのことは忘れられない特別な思い出としていつまでも私の心の中に残ることでしょう。

喜びと悲しみは表裏一体です。映画「インサイド・ヘッド」を見て改めてその思いを新たにしています。

これからは別れ際に私から母を抱きしめてあげようと思いました。
コメント (2)
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