山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

トランプのさらなる暴発を許すな。戦争を拒否する日韓民主勢力の共闘を

2017年04月11日 09時51分29秒 | Weblog
①トランプのシリア攻撃は国際法違反。 トランプ政権のシリア攻撃の根拠は「化学兵器の拡散と使用を阻止することは米国の安全保障上の不可欠な利益だ」というものだ。国際法で認められた武力行使は、国連が行動を起こすまでの間、武力行使を受けた側が自衛権の行使をする場合か、安保理決議による場合しかない。いわゆる先制攻撃は、不法な侵略になる。国連の査察によってアサド政権の行為と確定したうえで、非軍事的さらに軍事的制裁の検討がされなければならない。ところがシリア国民への化学兵器使用がアメリカへの攻撃だとみなすという理屈は、どう考えても成り立たない。国連憲章51条による自衛権行使の場合は、その措置は直ちに安保理に報告しなければならないのだが、いっさいない。いやできない。ゆえに今回のアメリカの攻撃は侵略だ。
②安倍政権は「トランプ大統領が同盟国と世界の平和と安全のために強いコミットメントをしていることを高く評価した」「我が国は化学兵器の拡散と使用を抑止するために責任を果たそうとする米国の決意を支持する」と全面的に同調した。トランプ同様、その法的根拠を示すことができない。単にポチだから賛意をあらわしたにすぎない。これでは国連では馬鹿にされるだけだ。
③今度のシリア攻撃は北朝鮮への脅しの目的もあわせ持っていた。しかしこれで北朝鮮を抑え込むことにはならず、北の挑発的行動をさらに引き出す結果を招くことは誰にでもわかる。いまや、北朝鮮の暴発とトランプの暴発性はコインの両面になろうとしている。現実的には、一瞬で決着をつけるとして、トランプが突然、、韓国大統領選挙までの空白を狙って行動する危険さえある。
④そもそも北朝鮮の核開発は、ブッシュの2003年イラク侵略、フセイン打倒を目の当たりにした金正日が、イラク戦争と同一線上に北朝鮮があると考え、核を持つことによってアメリカに一方的に攻撃されない立場に立とうと考えたことから始まった。イラク戦争時の金正日の恐怖は容易に理解できる。イラクと違って中国と韓国の存在が押しとどめる力になっていた。北は03年核不拡散条約から脱退し、06年、09年、13年、16年に核実験をやった。北朝鮮は、朝鮮戦争がまだ終わっていない、休戦状態であることを十分踏まえている。6か国協議で終戦協議、平和条約へとすすむことが期待されたが、崩壊してしまった。毎年春に、1か月間にわたって米韓合同軍事演習が行われている。これは北朝鮮へのミサイル攻撃、上陸攻撃、金正恩殺害作戦の練習であり、北にとっては大変な恐怖だ。日本では北の脅威をさかんに言うが、相手の立場に立てば、演習がいつ実戦になるかわからない状況でいまもつづいている。
⑤北朝鮮の核とミサイルの開発の進展にともなって、緊張が高まった。いずれアメリカ本土に届く大陸間弾道弾とこれに搭載可能な核の小型化が完成すると、かならずアメリカは軍事行動に出る。アメリカはずっとアメリカ帝国主義なのだ。ベトナム侵略、パナマ・グレナダ侵略、イラク侵略など平気で繰り返してきた。戦争を平気でやるのだから、それに至らない政権転覆(1973年のチリのアジェンデ政権転覆など)は低レベルのことだと考える。毒ガスで苦しむ子どもたちを悲しむそぶりをする前に、イラクでおびただしい数の子どもを虐殺したことを懺悔しなければならない。
⑥戦争か外交交渉か。選択肢は二つ。こたえは外交交渉しかない。トランプは「すべてのオプションがテーブルの上にある」と明言した。これに安倍首相は力強いと感激する。北朝鮮の最後の実験の前にも、トランプが軍事行動に出る可能性を示した。だが許してはいけない。自衛的先制攻撃度だといっても、侵略であることは動かせない。アメリカがトマホークを打てば、北朝鮮は即時にソウルへの攻撃に出る。従前から、いざとなったらソウルを火の海にするといってきた。たとえ北の核攻撃能力を破壊したとしても、韓国国民が甚大な戦争被害にまきこまれる。金正恩政権が崩壊したとしたら、韓国・中国に大量の難民があふれる。日本の米軍基地にもミサイルが飛ぶかもしれない。横田基地でなく新宿へ着弾するかもしれない。このような方向は断固拒否しなければならない。
自民党政権にとって、北朝鮮は最大の政治的資源だった。北の恐怖をあおって自民党支持を確保してきた。しかし何をするかわからないのがトランプだ。これを賛美してついていくことのおろかさに気づかなければならない。
⑦当面は5月の韓国大統領選挙までトランプの暴発を抑えなければならない。韓国国民は朴槿恵の権力濫用、収賄疑惑に対して大規模な運動でこれを倒した。きっとトランプの戦争瀬戸際政策に対しても戦争反対の声を上げるに違いない。日本と韓国の民衆が連帯して行動することが求められる。
アメリカに対して、戦争ではなく外交を、北とアメリがの直接対話を要求しよう。北もこれを望んでいる。北の最大の要求は、政権の保障だ。アメリカは一応政権打倒はしないといっているが、直接に話し合って、攻め込まない、武力による転覆はしないと約束を与えるべきだ。これは屈服でもなんでもない。国連憲章の条文そのものだ。国連加盟国としての当たり前の宣言だ。これを保障し、北には核の放棄を迫る。
⑧韓国の民主勢力と日本の野党共闘勢力の共闘をすぐにでも追求すべきだ。これが安倍トランプの戦争同盟に対抗するあらたな平和外交戦略だ。
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