山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

核兵器禁止条約の採択をよろこぶ

2017年07月10日 23時35分25秒 | Weblog
2017年7月7日、「核兵器禁止条約の国連会議」で国連加盟193か国の63%122か国の賛成、保留1、反対1で核兵器禁止条約が採択された。もちろん核兵器禁止条約の採択は史上初だ。ついにここまで来たかという思いが強い。核兵器を核抑止による安全保障という悪しき呪縛から解き、その人道的側面から考察するともう待つことはできないという判断が一気に広がったことが大きい。
 条約は前文で以下のように重要な指摘をしている。「核兵器使用の被害者(ヒバクシャ)および核実験の被害者にもたらされた容認しがたい苦難と損害に留意し」「すべての国がいかなる時も国際人道法および国際人権法を含む適用可能は国際法を遵守する必要があることを再確認し」「無差別攻撃の禁止…過度の傷害または無用の苦痛を与える兵器の使用禁止」「核兵器のいかなる使用も武力紛争に適用される国際法の規定、特に国際人道法の原則と規定に反している」「核兵器のいかなる使用も人道の諸原則および市民的良心の命ずるところに反することを再確認し」と禁止条約の根拠を明確に述べている。
 条約は、核兵器の禁止の内容として、核兵器の「開発、実験、生産、製造、取得、所有、貯蔵」、締約国の領土と管轄地域への核兵器の「配置、導入、配備の許可」など明記している。さらに最終段階で、核兵器の「使用の威嚇」が盛り込まれた。核抑止論による脅しも禁止された。条約では、「核兵器の使用または実験によって影響をうけた諸個人」への支援を明記している。被爆者の願いに応えるものだ。
 条約は、効力を生じたのち1年以内に第1回締約国会議が国連事務総長によって召集され、その後の締約国会議は2年ごとに召集されるとしている。この締約国会議には、締約国でない国、国連の関連組織、国際組織、赤十字、赤新月社、非政府組織がオブザーバーとして招請されるとしている点は重要だ。核保有国も含めて締約国でない国に参加の門戸が開かれている。また核廃絶のために活動している世界の非政府組織、市民団体が招請される。国連が、どのような力に依拠してこの条約に力をもたせ、どのような運動に依拠して核廃絶のの最終目的にたどり着こうとしているかがはっきり示されている。
 すでにこの国連会議に、日本被団協、日本原水協、新日本婦人の会などのNGOが出席し、発言をしている。国連が、市民社会といういい方でNGOなどを重要視しているのは、国際政治をどう考えるかという点で意味が大きい。国政政治の構成要素を主権国家や軍事同盟だけでなく、諸国民の運動に一定の比重を置いてみているのは魅力的だ。日本では、マスコミは国内の運動をほとんど無視する。NHKに至っては、NHKの横の代々木公園で何万人の集会が行われていても無視する。一方でアフリカや中東のあるいは韓国・中国の政治情勢をつかむ際に、NHKは民衆のデモや運動の取材に力を入れる。これは正しい。日本政治の取材にあたってもその方法をとるべきだ。しかしNHKはじめ日本のマスコミは政治を政局と間違えている。国連首脳は広い視野でもっと遠くを見ている。
 それにしても情けなく、恥ずかしいのは日本政府だ。岸田外相は去年の段階では国連会議に参加するといっていたのに、アメリカに叱られたら、もう気力も見識もなく、参加拒否、条約には反対しかいわない。唯一の戦争被爆国の日本政府の信頼は地に落ちた。日本のヒバクシャやNGOの信頼は上がっているが。

 
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