山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

安倍スタンディングオベーションの先にあるもの

2016年10月17日 23時20分01秒 | Weblog
今国会冒頭の異常な光景は安倍首相がよびかけた異常なスタンディングオベーションだった。
「現場では、夜を徹して、そして、今もこの瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りをもって、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか。」と壇上から呼びかけたのだ。自民党議員が拍手をしながら一斉に立ち上がった。首相も演説を中断して拍手した。議長は3回も「ご着席ください」と注意をしたが、拍手は続いたのだ。見事に仕組まれたものだ。最前列の自民党若手議員に事前に指示がなされていた。
現場で任務に当たっているのは自衛隊だけではない。確かに自衛隊は熊本地震の現場で任務に当たっている。警察もだ。だが熊本の現場には自衛隊の前に、一番の専門家である消防隊員が真っ先に駆けつけ、獅子奮迅の努力をした。また各市の職員も自身も被災しながら被災者に寄り添って仕事をした。海上保安庁の職員は尖閣諸島にも駆けつけ任務に当たっている。
 安倍首相が心からの敬意を表そうといったのは、自衛隊・海上保安庁・警察で、消防隊員・一般公務員は除外されている。言い忘れたわけではない。原稿の段階で練ったうえでの発言だ。すなわち、強力装置のメンバーだけに敬意を表すのだ。
 自衛隊は南スーダンPKOに派遣されている。安倍内閣は、11月に派遣予定の自衛隊に戦争法=安保法制にもとづき「駆けつけ警護」「宿営地共同防護」の新任務を与えようと策動してきた。南スーダン政府軍あるいは反政府軍との戦闘になる危険性がある。憲法9条では絶対認められないものを任務として命令する。
 だが、南スーダンは自衛隊派遣の前提の「PKO参加5原則」の「停戦合意」は完全に崩れている。すぐに撤退すべき事態だ。今年7月ジュバで政府・反政府の戦闘が激化し、民間人33人を含む272人が死亡した。「内戦に逆戻りした」(反政府派報道官)状態だ(『毎日』7月10日)。
 参院代表質問で共産党市田氏は、「南スーダンが内戦状態でないといっているのは、世界で安倍政権だけだ」「駆けつけ警護の任務を与え、殺し殺される危険が現実のものになる」とただしたのに対し、安倍首相は「おどろおどろしいレッテル貼りだ」と居直った。だが発言がおどろおどろしいのではなく、安倍政権がやろうとしている現実がおどろおどろしいのだ。
 安倍首相も稲田防衛大臣も、「PKO参加5原則」は維持されている、南スーダンは平穏だと信仰告白のごとき発言をくりかえす。だが、南スーダン政府報道官は10月14日からの週末に南スーダン北部の戦闘で、反政府勢力の56人以上が死亡したと発表した(『毎日』10月18日夕刊)。稲田大臣は国会答弁で、衝突はあるが戦闘ではないと言い張ったが、両派の報道官が戦闘だ、内戦だといっている。戦闘、内戦ならば、PKO5原則は崩れている。
 安倍首相は、平穏だとして戦争法にもとづく新任務を与えようとしてきたが、ここにきて、11月派遣部隊からは断念したようだ。次の部隊に希望を託したようだ。とにかく去年強行採決した戦争法=安保法制を実行したい、この執念で動いている。
 新任務を与えれば、自衛隊員に死者が出ることは想定される。そのときこそ、安倍首相のねらっていた舞台装置がうごきだす。ドライアイスで保存された遺体が日本に帰る。安倍首相・稲田大臣・自衛隊幹部が横田基地で出迎える。戦争モードが全面展開する。国会でも死亡した自衛隊員にスタンディングオベーションで感謝を捧げようではありませんかと安倍首相は叫ぶ。
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