とりあえず走れ!!目指すはサンチアゴだ!!

街中を走り、山を走り、そして巡礼をしてから医師になります

紀伊半島縦断3日間の旅(熊野古道を行く) 第三日目(11月24日(木))

2017年11月28日 | 熊野古道 11月末
昨夜の三浦峠越えは、、振り返ってみれば、早くも既にひと時のスリリングな思い出と化してしまった。
真っ暗闇の山道を、、私は小走りに駆け続け、、そう、、、まるで闇夜を切り裂く天狗になったかのような気分を味わえた・・・・・・
軽快にステップ踏むたびに、私の背中のザックからチリンチリン!と闇夜に響き渡るBear Bellの音は、、この世のものとは思えぬような美しい幻想を漂わせて、、まるで黄泉の国から響きわたる音色のように聞こえ続けた。。
こうして完璧な時間配分でもって完成した昨夜の行程は、まるで一つの芸術作品のような出来栄えで、、おそらく、今後はもう二度とないような体験であったかもしれなかった・・・・・・・・

【画像】昨夜に宿泊した、十津川温泉の“大和屋”をAM8時に出発
今日の行程は、当初から敢えて“詰め詰め”にはしないようにしていた。初日に高野山、伯母子峠、三浦峠と、、1000m級の3つの峠をクリアしているので、激しいアップダウンでの消耗を加味し、、中日となる本日は比較的ゆったりとした行程を予定していた。。
朝はゆったりと起きて朝食をとり、、遅めの8時に宿をチェックアウト。いよいよ、、熊野の神々がおわす本宮大社に詣でるときがやってきた。
本宮大社に対する気持ちは、はやって仕方がなかったが、、、出発時刻が少し遅めであったことが裏目に出てしまい、、、先を越して出発して果無峠へと向かうハイカーたちのあとを追う形になってしまった。。

とくに果無集落には高齢者のツアー集団が陣取っており、素通りするしかなかった。ここのいい雰囲気こそ今風に言う“インスタ映え”に値するので『撮影しておくべし・・・・』と思っていたが、、、残念ながら独り占めできるカットを撮影できそうにもなくて、諦めざるを得なかった。。

【画像】十津川温泉から、果無峠へと向かう柳本橋。ゆっさゆっさと揺れる吊り橋は、、いつも怖い!

【画像】いま出てきたばかりの十津川温泉を見下ろす


【画像】果無(はてなし)集落へと向かう“石畳の上り坂”が美しい!苦しい登りが続くが、石畳の美しさに癒される

さすが、、、“果無(はてなし)”と命名されているとおり、、行けども行けども登り道が途切れない。。足のおぼつかない、あるご高齢ハイカーを横から追い抜かそうとしたときに、『果無、、、果無、、、、か、、、、』なんてつぶやき続けていたのが笑えた。しかし、、あの険しさでは、膝を傷めないように気を付けなきゃあね・・・・・

かなり標高の高い方まで石畳を造成した古の人たちの苦労をしのんでいるうちに、やがて水田跡から普通の山道へとかわり、、この険しい登りをヒーヒー言いながらがんばると、間もなくして“果無観音堂”が現れる。
ハイカーたちはここで一息入れることになるが、、勢いよく蛇口からダバダバと出続ける湧き水の、美味しいこと!
以前に訪れた際は真夏の強烈なムシ暑さの中であったが、、この冷たい湧き水をゴクゴクと飲みながら全身に浴びることで、火照りまくって干からびた身体を一気に潤し、冷ますことができた。

さて、観音堂で一息入れると、もう峠はあと少し。
“あと少し”という、かつて登った時の記憶を頼りに歩を進めてみれば、、、しかしながら結構キツくて、果無峠(標高1070m)にたどり着くころにはすっかり息もあがってしまっていた。
白人のハイカーが一人、先にここで休んでいたので、記念写真を撮ってもらって少し話もしてみた。日ごろは英語を話す機会も限られるので、、いい機会だった。
そして、、、今度はいよいよ本宮大社に向けて、、下りをひたすら駆け下りるときだ。ここの下りは、途中で多くのお地蔵さんが旅の無事を祈ってくれているので、、気が付いて“ゆとり”がある時には、なるべく手を合わせて拝むように心がけた。。

【画像】果無峠からの下り道、、ここでようやく初めて、遥か遠方に、本宮大社のある大斎原(おおゆのはら)を臨むことになる。
九度山を出て、高野山を経て、何十キロという道程を遥々ここまでやってきて、、はじめて遠くに大斎原を目視したときの嬉しかったこと!
もう有難い気持ちが満ち溢れてきて、たまらない気分になった・・・・・・・・
残りの下り坂は、実に足取りも軽く、、、ぴょんぴょんと石から石へとステップを踏んで、天気も最高で赤く色ずく紅葉の中、、最高の気分で下りきった。。

【画像】熊野古道で当初びっくりしたことは、、、普通に民家の軒先を通過していることだったっけ・・・・・

【画像】果無越えをクリア!正午12時。ここから程近くにある、道の駅“ほんぐう”に立ち寄ると、梅ジュースと清美ジュース、じゃばらジュースを一気に飲み干した。ついでに菓子パンと柏餅も入手して、、、さあて、、、、次はもうすぐソコ、、本宮大社へお参りだ!
三軒茶屋跡にある九鬼ヶ口関所を越えて、、、もうすっかりお馴染みの、本宮大社に至るきれいな石畳道をいく。この辺りには参拝客らもチラホラ見え始めるから、歩くスピードもゆったりと周りに合わせて・・・・・・・

【画像】一年ぶりにやってきた本宮大社(13時)! しっかりと柏手を打って、祀ってある素戔嗚尊、速玉大神、夫須美大神、天照大御神、八百萬の神に順番に参拝した。

【画像】本宮大社で、小辺路で最後のスタンプを押印。小辺路のスタンプ箇所は、中辺路と比べて随分と少ないので、、スタンプ台帳で余った空欄個所には、のちに、雲取り越え、那智大社なんかの、中辺路でのスタンプも加えることにした・・・・・・・・・
さて、、本宮近くの“一休みカフェ”で昼食。うどん二杯に、めはりずしを三つ頂いた。いつもお気に入りの定食屋が生憎の閉店日で、、、、恒例にしている、“大好きなカツ丼”は諦めるしかなかった。。

【画像】世界遺産センターのバスロータリーに設置してある、、サンチアゴ巡礼での道しるべ。いつの日か、今度はこの道しるべに従って、サンチアゴを目指すことになる・・・・・・・・・

【画像】Dual Pirgrim達成者たちの表彰がされてあった。羨ましや・・・・・

【画像】大斎原で、、先ほど下ってきた果無山脈を遠く背にして

本宮で一息ついて元気になると、、14時に、今度は中辺路の発心門王子から、、湯の峰温泉を目指しての“赤木越え”だ。
この区間は何故だか、私の中では、どうしても“チョット”の距離、、というイメージが強くて、いつもいつも、ついぞナメて取り掛かってしまうが、、、実は2時間半もかかる、意外にハードなアップダウンであると毎回思い知らされてしまう・・・・・・・
遠く北方には東西18Kmにわたって横たわる、果無山脈を横目に見ながら、、美しい農村風景の中を進み、、のどかな雰囲気にトロけそうになる。
赤木超えをする頃には、日はかなり傾いてきており、、あたりも影を帯び始めていた。西日に照らし出された周囲の山々の、赤黄入り混じったモザイク模様がこれまた絶景を演出していた。

【画像】“赤木超え”(16時ころ)では、すでに周囲は夕日の色に染まっていた
そして、、本日の宿泊予定地の“湯の峰温泉”へ。16時半に到着してすぐに、、温泉卵用の卵を入手すべく、売店に立ち寄ると、、丁度店員さんが“Closed”の札を掛けようとしているところで、、かろうじて卵を3個譲っていただけた。早速この卵3個を、、湯筒(90℃の源泉)に浸け、、、13分待って、、、、ハイ、、、温泉卵の出来上がり!!

【画像】あっちの方に、名物“壺湯”が見える場所に“湯筒”がある。ここで13分間待って、、酷使した下半身に栄養を与える気持ちで、出来立てアツアツの温泉卵を頬張る。。

【画像】いい具合にしなびた感じの“湯の峰温泉街”あちらこちらの旅館に、、いろんな思いでが詰まっている。
今回は、、紅葉シーズンで予約いっぱいで、、かろうじて取れた部屋が“湯の峰荘”という、ひとつだけポツンと離れた場所に位置する旅館だった。初日の激しさ極めた行程につづき、、何だかんだで、本日も結構激しかったので、下半身は疲労がたまっていた。
旅館に18時にチェックインすると、、まずは食事をいただき、、、そのあとにゆったりと温泉に浸かって癒した。

【画像】下半身に栄養を与えるつもりで、、さらに一人前のしゃぶしゃぶ肉を追加してみたが、、、そんなものも、実にあっという間にペロリと平らげてしまい、、、、少し物足りないくらいで部屋へと引き上げ、、、しばらくしてから布団に入った。
また明日の行程が結構ハード。今度は大小の雲取り越えをクリアして那智大社を経て、、、いよいよ、今回の旅の終着地点である“補陀落山寺”を目指すことになる。あとはその近くのJR那智駅から電車で紀伊勝浦へ移動し、、、そこから新大阪行きの特急“黒潮”で4時間かけて帰阪することになる・・・・・・・・・

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