映画批評ってどんなモンダイ!

映画批評と映画自身について、映画批評に触れながら考えてみようなんて志高くの映画考察の映画部屋。完全ネタばれ。でも読んで!

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

2008年06月23日 22時25分56秒 | 映画(ア行)
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 スペシャル・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

このアイテムの詳細を見る


『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』   2008年(米)監督スティーブン・スピルバーグ

 舞台は一九五七年のアメリカ。赤狩りや核兵器、反ソ連のテーマが作品全体を覆っているのだが、やはり本作最大の魅力は、前三作品を思い起こさせるようなスピルバーグの演出と巧みな映画的表現によって編み出されるスリル満天のエンターテイメントなのである。
 オープニングから傑作だ。車から放り出される男二人。一人は顔を見せる。そしてもう一人は観客に背中を見せ、どうも姿を見せないのだ。転がる帽子を拾うと、そこには表現主義さながらのくっきりとした「彼」の影がやけに美しく光る。そしてカメラは彼らを真上から映し、その俯瞰ショットは「彼」の登場を極限までに引き延ばし、「彼」の顔が映し出されるシーンをやけにカッコよく、やけにインパクトたっぷりに仕立てあげるのだから巧い。
 大学の授業中に学部長が教室を覗き、何か言いたそうに教室へ入ってくるシーンもまた、インディ・シリーズであることを彷彿させ、さらには、前作のように女子生徒から秘かな愛の告白をされるというお馴染みの展開の回避は、ジョーンズはすでに年をとり、エネルギー溢れる現役ではないことを視覚的に感じさせてくれる。
 そして縦横無尽に動き回るカメラとモーションの連続が美しいほどエモーションを生み出すのだ。序盤の秘密倉庫で走り出す車にインディが得意の鞭でもって飛び乗ろうとするシーン。車による横の動きと(インディが上から眺めた高さある場所からの)縦の動きが絶妙なリズムで編集され、混ざり合い、立体感溢れる、そう、まさに観客がその場でインディと共に宙を駆けまわっているかのような、モーションいっぱいの感覚を体に感じさせてくれるのだ。
 終盤でも、ジャングルを猛スピードで滑走する車とぶつかり合う二つの車体を上から映した俯瞰ショットで、縦と横の動きによる立体構図を高揚感たっぷりに描き切るからから傑作。
 社会的背景に潰されそうになるインディの困難をユーモアたっぷりに描きながらも、視覚的、聴覚的といった映画的表現で観る者の心を無意識に躍らせるスピルバーグ。もう彼を世界屈指の躍動的ストーリーテラーと称することに、何の迷いもないのである。


この記事が気に入りましたら、
下記のバナーをポチッと押して、投票お願いいたします(・∀・)♪
    ↓
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
『映画・DVD』 ジャンルのランキング
コメント (2)   トラックバック (17)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『ミッション・トゥ・マーズ』 | トップ | 『カイロの紫のバラ』 »
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは! (由香)
2008-07-08 22:18:41
初めまして!
★YUKAの気ままな有閑日記★の由香と申します。
今後とも宜しくお願い致します♪

インディシリーズが大好きなので、インディのシルエットが見えただけで興奮しました(笑)
ハリソンの年を考えて、「インディが演じられるのか・・・」と不安がありましたが、見事にインディしていましたね~(笑)
スピルバーグとルーカスの遊び心が満載の楽しい冒険活劇でした~
最後のSFも、最初こそは引きましたが、今は全然OKって感じです。
何とか時間を作ってもう一度観に行きたいと思っています。
こんばわぁ!! (ヒッチ)
2008-07-08 23:02:05
あらま、由香さま、お越しいただいただけでなく、コメントまでいただき本当にありがとうございます!
感謝感激なのです(・∀・)♪

あっ!わたくしもあの影には怪しく微笑みました(笑)
だってだってカッコいいし、前三作にもヒッチコック・シャドゥのような影の演出が仕組まれていて、インディ!!って感じでしたね。

わたくしも最初は、ただインディは息子のバイクに乗って、息子が手ほどきを受けながら冒険するのかと思いました。しかし、まだまだ頑張れるじゃないですかハリソンさん!
ですが批評にも書きましたが、あちらこちらにインディの「年」を感じさせるシーンもあり、少しさびしい気もありますが、スピルバーグお気に入りのシャイア・ラブーフと共に頑張ってくれることを祈ります。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

17 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
映画レビュー「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 (映画通信シネマッシモ☆プロの映画ライターが贈る映画評)
◆プチレビュー◆これぞ冒険活劇ムービー。19年ぶりの最新作には懐かしい顔と新しい顔が見えて、サービス満点だ。 【65点】  冷戦時代の1957年、考古学者にして冒険家のインディアナ・ジョーンズ博士は、生意気な若者マットと共に、伝説の古代秘宝“クリスタル・スカ...
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 (Akira's VOICE)
温故知新の大冒険!  
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』2008・6・22に観ました (映画と秋葉原と日記)
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』  公式HPはこちら ←クリック ●あらすじ 1957年のある日、米ソ冷戦の真っ只中、米軍の秘密基地に米軍を偽装した謎の一団が侵入。その中には大学で考古学を教えているジョーンズ博士(ハリソン・フォード)が...
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 (MOVIE FLOWER 映画の記録と感想と)
                      映画 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 原題 INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SK...
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 (京の昼寝~♪)
□作品オフィシャルサイト 「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」□監督 スティーヴン・スピルバーグ □製作 フランク・マーシャル □製作総指揮 ジョージ・ルーカス、キャスリーン・ケネディ □原案 ジョージ・ルーカス □脚本 デヴィッド・コープ □...
「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 (取手物語~取手より愛をこめて)
まさか、またインディがスクリーンでみられるとは・・・。
インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 [監督:スティーブン・スピルバーグ] 映評前編 (自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ)
スピルバーグとルーカスが今さらインディに情熱を燃やすとも思えず。それでは彼らが何をしたかったのか・・・を深読み考察してみた。(当然ネタバレ)
インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 [監督:スティーブン・スピルバーグ] 映評後編 (自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ)
アリのシーンの不満と音楽のマニアックな解説など・・・
【映画】インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国…“ヤング”とは一味以上違う続編 (ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画)
そういえば、今って“2008年7月”ですねぇ… “2008年7月”といえば「未来少年コナン」で、空をギガントが飛び交って、超磁力兵器が使われて人類が滅亡の危機になる月ではありませんか…と、子供のころに観たり読んだりした未来をドンドン追い越していく昨今です{/face_as...
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 (★YUKAの気ままな有閑日記★)
ドキドキするなぁ~インディ・ジョーンズに会えるなんて―   *『レイダース/失われたアーク』1936年、旧約聖書に登場するアークの行方を追い、ペルー、ネパール、カイロを駆け巡りナチス・ドイツと対決―*『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』1935年、インドで聖なる...
【2008-152】インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 (ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!)
人気ブログランキングの順位は? 全世界待望──新たなる秘宝を求め、史上空前の冒険が始まる!
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年) (勝手に映画評)
『インディ・ジョーンズ』19年ぶりの復活。今年は、ランボーといい、インディ・ジョーンズといい、20年近い時を経てからの復活が多いですね。正式公開は来週からですが、先行公開の今日、見てきました。 舞台は、第二次世界大戦が終結して、東西冷戦が激化しつつあるころ...
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 (pure's movie review)
2008年度 アメリカ作品 124分 パラマウント ピクチャーズ ジャパン配給 原題:INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKULL STAFF 監督:スティーヴン・スピルバーグ 脚本:デヴィッド・コープ 製作総指揮:ジョージ・ルーカス キャスリーン・ケネディ CAST ハ...
「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」観てきました♪ (りんたろうの☆きときと日記☆)
☆「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ、レイ・ウィンストン、カレン・アレン、ケイト・ブランシェット、ジョン・ハート、ジム・ブロードベント、イゴール・ジジキン、...
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』@新宿ピカデリー (映画な日々。読書な日々。)
1957年.相棒マックに裏切られ、スパルコ率いるソ連工作員の魔手から危うく逃れたインディ。大学も強制休職となり街を出ようとしていた彼に、マットという若者が声をかけてきた。いわく「伝説の古代秘法“クリスタル・スカル”を手に入れられる」という。その言葉を信じ、...
「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 (シネマ・ワンダーランド)
ジョン・ウィリアムズの勇壮なテーマ曲とともに、あの冒険活劇の世界的ヒーロー、インディ・ジョーンズが19年ぶりに帰ってきた。シリーズ4作目となる本作のタイトルは「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(2008年、米、スティーヴン・スピルバーグ...
スティーヴン・スピルバーグ監督 「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 (映画と読書とタバコは止めないぞ!と思ってましたが…死にそうになったので禁煙か?)
劇場公開時には観ませんでした。 なんか食指がいまいち動かなかった。 そしてこの間、TV放映されたそうですね。 仕事の日でしたが女房が録画してくれてたので今回始めて観ました。 http://www.indyjones.jp/indy4.php 【あらすじ】 1957年。アメリカ軍に化けた...