静夜思

愁多酒雖少 酒傾愁不来

≪ 天皇生前退位で都合が悪いのは誰? ≫   ”皇位継承安定”と生前退位は 本当に連動するのか?

2016-11-08 08:57:02 | 時評
◆ 【朝日】退位、2人賛成2人反対 有識者会議、聞き取り開始 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12647312.html?rm=150
  【毎日】なるほどトリ: 天皇陛下は退位できないの? http://mainichi.jp/articles/20161108/ddm/003/070/040000c?fm=mnm
 生前退位をめぐる有識者会議における意見公開。之については各紙とも大きく取り上げているので読者もご承知だろう。かねてから私がひっかかる疑問点の第1は、
 「自主的な退位を認めると、政治上の混乱を誘発しかねない歴史上の事例もある」として、生前退位に反対する論者が言う<政治上の混乱>の現代における蓋然性である。 
 明治維新で伊藤博文が「上皇」が武家政権を脅かす勢力と結託した鎌倉以降の事例を念頭に懸念し、生前退位を封じた時代背景は理解できる。
 薩長政権自体が体裁こそ違え、徳川幕府と同類の武家政権であり、維新直後の情勢では旧幕府勢力による転覆を恐れる気持ちは現実的であったろう。
 だが、それと類似の政治状況が、今の議会制度と天皇制の下で再現し得るか?  と言えば、誰しも首を振るのではないだろうか。あり得るのは自衛隊と組んだ武力クーデターだろう。

あと1点は、宮内庁次官の「公務増大は時代環境のもたらしたものであるから減らせない」と予防線を張るかのような発言だ。これは形を変えた政治介入とも解釈できる。それと呼応するかのように、退位反対派の某教授が口にした「ご自分で象徴天皇の役割としてお決めになった公務が増えたから、もう高齢で努められないと言うのは身勝手であり、自己矛盾ではないか」との発言だ。
 この発言は、<外国公使等との宮廷儀礼だけ天皇はやっておればいいのに>という底意がみえみえの思想である。父であった昭和天皇の果たした歴史的役割への省察に基づき「国民統合の象徴として天皇が果たすべき役割」と今上天皇が自ら考え実行してきたことの正面否定に他ならない。

 皆さんは、平成天皇/皇后が即位このかた国の内外で果たそうとしてきた行動を、此の教授と同調して「すべきことではなかった」と思われるか?
それとも、「天皇は祈られる存在でいい」「奥の方におられることが国民統合の印だ」「神武以来の~」といった国家神道と天皇制を結び付けたい一派には政教分離の原則から反対されるのか?    生前退位の投げかけが国民に問うているのは、実はこの基本的選択である。 
 此の選択を迂回したり、先送りすることは将来に何も残さないし、逆に<国民と象徴天皇制度の在り方>を曖昧にごまかしたまま、国家神道推進勢力の跳梁を許す結果を招く。

「皇位継承」とは、天皇の地位に就く人が居て、経緯はどうであれ、制度としての天皇制/皇室制度の中心となることである。天皇の地位にある人がどのような背景/理由で辞めようが、制度としての継承自体は継承者さえ居れば続くではないか?  なぜ、退位が生前・あるいは継承者が女性なら<皇位継承そのものが不安定になる>との論理になるのか?     読者は此の不明瞭な立論をおかしいと思われないだろうか???
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