静夜思

愁多酒雖少 酒傾愁不来

 ≪ 手作り おせち料理 2016 ≫

2016-01-02 09:34:14 | グルメ
 昨年に続き、今年も私のリクエストに応じ、家内が二人分のささやかな正月料理を詰めてくれた
                                  
 子供だった頃、母が白い割烹着姿で大晦日は朝から忙し気に正月料理づくりに精を出した。当時は殆どの小料理が手作り。店で買ってくる完成品は本当に少なかったと思う。 
 60年前、今のような出来合いの「おせちセット」など世に有ったのだろうか? 限られた富裕層には? いや、そういう人達にはお手伝い/女中さん/賄い人が付いていただろうから、セット商売など無かったかもしれない。 若し母親のでなく職人の手になる「おせち出前」を召し上がった方が居るとすれば、貴重な存在だろう。
  父は神棚や仏壇などにハタキを掛け、新聞紙にくるまれた「三宝」を大事そうに出しながら「おみき」を入れる徳利に懐紙を紅白締めで止め、神棚に戻した。あとは、大掃除の手伝い。狭い住宅でもホコリはワサワサ出るものだ。手ぬぐいで頬かむりし、ガーゼのマスク。障子紙/唐紙の張替もあった。米粒を小鍋で煮て、ノリを造る。それが速く冷める様、父は私に団扇であおがせた・・・。
 
 元旦を迎えると揃って仏壇に合掌し、神棚の下では”しきたり”通りの拍手とお辞儀。そして和服姿の両親が「無事に新しい年を迎えられた、生きることができたね、おめでとう。今年も元気でね」と述べる。そんな感慨は戦争を掻い潜った経験者世代でなければ心から云えまい。子供の私に、そんな言葉にこもる意味の深さは当時判らなかった。 
 私自身は家庭をもった頃、子供たちとそういう正月を迎えた記憶がない。 今現在、この正月、全国でいったいどれほどの家族が昔そのままの行事を続けているのか? 
「イエ」の崩壊は、文化伝統としては一抹のノスタルジーを招く。が、だからといって社会構造の変化を元にもどそうとする醜い振る舞いは止めてもらいたいものだ。
 
 <元旦は、そんな風景だったね>、遠く去った時代の記憶を、今年も妻と語り合うことができた。 まずは新年を迎えられたことを寿ぎたい。
無論、守銭奴の如く際限なき長寿を望むものではないが、世を去った友のことを思えば、もう少しの間は、生きられていることを素直に喜ぼう。
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 『海魚の熟れずし』  和歌山・新宮で

2015-06-21 17:38:25 | グルメ
 なれずしと聞いて思い浮かべるのは≪鮒≫であろう。しかも、近江の国(滋賀県)の雌ニゴロブナを麹・近江米に付け込んだものは伝統を誇り、今も全国に聞こえている。 ところが此の新宮の熟れずしについて、実は昨年(2014)6月8日の本グルメ稿で近江の鮒ずしと共に軽く触れている。その際、私は願望として「いつか食べたい」と記しているが、とうとう某日、私は願いを叶えることができた。 無論、知る人ぞ知る「東宝茶屋」に出向いたのである。 ホテルで貰った地図で探したが、簡単ではない。新宮の街は決して大きくはないものの、暮れなずむ細い横丁を暫く彷徨った。

左の写真は<サバ>を漬け込んだもの。予想以上にアッサリ。当たり前ながら、臭い・塩辛さ・発酵の深さが鮒ずしとは比較にならぬほど浅く軽い。米もやけに白っぽく粒も細かい。もち米ようの大きさ。「どれくらい漬込んだの?」と店のあるじに聞くと「そのサバは10日位ですね。鮒と比べたら極く短いものです」と。
右の写真は熊野川で捕れる<あゆ>の熟れ鮨だ。色はうっすら緑茶がかり、味はサバにもまして淡白そのもの。あるじ曰く「ここ何年かは鮎が小さすぎて困ってましたが、最近は数も増えて大きさも揃い始めました。ひと時、鮎は止めた時期もあったくらいでしてね」と語る。

 原材料入手難の話が琵琶湖のニゴロブナ激減に及び、私が近江高島の老舗「喜多品」のファンで倒産前も再建後もささやか乍らサポートしていると告げると「実は私も以前、そうですねぇもうだいぶ前になりますが、東京農大の小泉先生も参加された発酵食品セミナーとやらに呼ばれて喜多品の旦那さんとご挨拶させてもろたことがありましたきに。懐かしいですな」と和歌山弁でにこやかに言う。話は弾む。念願かない好きな味を会話と共に楽しむ。何と至福の時か!
 「サンマの馴れずしというのはどんな味なの?」と聞けば「サンマのはね、いつでも取れるし安いので新宮じゃ誰でも作りよります。スーパーでも毎日売っとりますけんね」と、何となく大将はメニューに出しながらも何処か愛想ない。・・・・・このオヤジ、なんで稼ごうとしないんだ?・・・
             
「大将、このサンマの30年もの。これは飯の上に乗せた熟れずしとは・・味が違う?」「そりゃもう、お客さん、普通のどこでも作れるんとはちごおて、これだけは、サンマとは信じられん深い味ですから」よく聞いてくれた、とばかり満面の笑みだ。  というわけで、写真右の小さな壺に入ったのを買って帰り、今夜も晩酌の友。 「あ、そや、お客さん、糠床と一緒ですから、二三にちに一ぺんはかき混ぜてやって下さいな」・・ふむふむ、了解!
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酒を飲まない7日間    私の頭脳は冴えたか?  アははh・・・・ 呑まずに良かったこと?

2015-02-23 21:05:55 | グルメ
  ひょんなことで「ピロル菌」なるものが「発見」されたことになり、胃癌になるリスクがあると脅された。尤も、医者も珍しく率直な男で<あなたの平均余命は統計では残り15年、
 あるかどうか?・・・・胃癌に罹ったとして苦しむ年月と秤にかけると、うむむむ、どうかな~>  ここで脅され透かされたからといって、余命にしがみつく狂信的な構えも出来て
 いない。  しからば、どうとでもなれ、とも糞切れてもいない。一番悩ましく、歯切れの悪いテイタラクだ。
   
  ええい、ママよ!  そう、俺は人生これまで判断に迷う刹那、いつも此の蛮勇でしのいできた。しのいできたが、いつか裏目に出て破滅に繋がるかもしれないが、それも大きく云えば「運命」なのだ。   人智ではどうにもできない「命」を不遜にも「運」ぶ、大それたことを敢えて言ってのけるのが「運命」なる不遜な言葉であるぞよ!
  なんて呆けた片言を散りばめながら、私は酒精を断った。 これまで、大怪我の手術後に呑むのを禁じられた事はあり、初めてではないが正直、これまでの断酒と精神的な負荷は違った。薬効のために「一時的に強いられて呑めない」のではなく、未来の癌発病を占う手前の検査のためだけで「自発的に呑まない」のだ。 この「自発」に何の意味ぞ? 
 おい、誰のために長生きするんだ・・・・・あああああ、もう考えるのは辞めた。

  さて、7日が過ぎた。内臓がフレッシュになった? 錯覚で飲み始める。アルコールが脳みその皴に浸みわたる感覚が手に取るようにわかる。  「おお、いつか来た道・・」 
 今更だが、酒精の効用は今も昔も、異常に働き過ぎる思惟と感情の回転速度を共に下げてくれることだ。 情緒も理屈の世界も余裕を取り戻してくれる。 それをストレスからの
 解放などと巧く言い逃れ、飲み続けてきただけだ。  だが、理屈付けは、どうでもいい。 解放が確かに実感できる人は飲むしかないのだ。
   え? 実感できなくなれば、どうする?  その時、もう貴方は、精神あるいは肉体のどちらも癒しを必要としていない・・仙人の境地ではないでしょうか?
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愛妻おせち

2015-01-01 10:35:39 | グルメ
  出来合いの品とは違い、派手ではないが、手作りのおせち料理を妻が作ってくれた。妻の亡母がこしらえていた品々を思い出しながら、二人世帯に相応しい量で、と揃えたものだ。どれも懐かしい組み合わせ。  あ、近所の神社からお神楽の太鼓囃子も聞こえてきた。~♪  穏やかな正月です。  今年が皆さまにも良い年でありますよう・・・・・
                              
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”バクテ”を楽しむ   < 排骨茶 (肉骨茶) >   ♪ ~ 南国の味を日本の冬に ~ ♪

2014-12-06 06:57:22 | グルメ
  シンガポール或はマレーシアで食べたことがある方には「釈迦に説法」だが、私はシンガポール在住で好きになり、これを食べたくてホーカーセンターへ頻繁に足を運んだ。 
  帰任後の今も星港人の友に頼んでスープの素を取り寄せ、自分流のアレンジで作っては楽しんでいる。ご存じない方のため紹介してみよう。

  1) スペアリブの塊を買い、アバラ骨毎に切り分ける <肉だけのNET重量は表示の約半分とみてよい> <スープ1袋につき骨込で2Kgの目安>
  2) 真水で下茹で。 アクは丹念に掬う。 <1)で 骨単位にばらす際、脂身は削り落としておくと時間短縮になる>
  3) 下茹で/アク取りが済んだら、圧力鍋でおよそ35分煮る。 <未だ真水><臭みが気になる人は生姜/ネギなどを一緒に>
     骨がスルッと肉から離れるのが目安。 離れない場合、骨からの旨みが十分出ていない、と私は感じている。

  4) 骨を抜いたらボールごと一晩冷却。浮いている脂肪を掬って除かないと、仕上がりが脂っぽくなる
  5) 好きな野菜をザク切りにして煮込む。 <毛布で鍋ごと包み、半日寝かせるなら15分で十分> 嫌いでなければ、にんにく数片を生姜と一緒に
  6) 私が好む調味料の一例・<粉末スープ><レモングラス・パウダー(Sa Xay)><ガラム・マサラ><五香粉><乾燥クコの実><花山椒><刻み赤唐辛子>
     東南アジア風の香りに慣れていない人は、カレー粉を入れると親しんだ味に近くなる。元来は薬草茶で煮込んだものなので、好きなハーブ類を合わせるのも面白い

      まさに男の手料理。 誰でもできます。 西洋のシチューとは違う、温かい南国情緒を日本の冬に楽しんでください。
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