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バッハ・ベートーヴェン・ブラームス

シューマンのフモレスケを河村尚子のピアノで聞く

2016-12-01 21:25:53 | 音楽
ショパン:ソナタ第3番&シューマン:フモレスケ
河村尚子


上品で趣味がよく「美しい」抒情をたたえた知的で洗練されたピアニズム。それがこのCDを聞いた感想です。

輝きに溢れた『夜想(ノットゥルノ)~ショパンの世界』から2年半、ついに河村尚子のRCA Red Sealからのセカンド・アルバムが登場します。ファースト・アルバムで河村が類稀な親和性を感じさせたショパンは、「ピアノ・ソナタの王様」ともいうべき大作『ピアノ・ソナタ第3番』を、河村が愛してやまないシューマンの作品からは、心情の移り変わりの細かな襞を描いた秘曲『フモレスケ』を収録。シューマン=リストの『献呈』が最後を飾ります。対象的な作風を持つ大曲2曲をメインに据えて、河村尚子のスケールの大きなピアニズムとイマジネーションが大きく飛翔します。今年後半で最も期待されるピアノ・ソロ・アルバムといえるでしょう。
1枚目同様、カラヤン/ベルリン・フィルの録音で知られ、世界的にも音響効果の優れたベルリン・イエス・キリスト教会でのレコーディング、SACDハイブリッドでの発売です。(ソニーミュージック)

【収録情報】
・ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58
・シューマン:フモレスケ 変ロ長調 作品20
・シューマン=リスト:献呈
 河村尚子(ピアノ)
 録音時期:2011年5月23日~25日
 録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
 録音方式:デジタル


上品で趣味がよく「美しい」抒情をたたえた知的で洗練されたピアニズム。それがこのCDを聞いた感想です。できる限り演奏に寄り添うような気持で2回ほど聞いたのですが、冒頭の感想以上のものは感じられませんでした。私には高評価をしている諸子のような感受性と耳がないのかもしれませんね。FMで聞いたベートーヴェン・ピアノ協奏曲のライブがすばらしく、「世界トップレベルのピアニスト」という感想を抱いていただけに、このCDから心を動かす...

とてつもなく素晴らしい超名演だ。超名演の前に超をいくつかつけてもいいのかもしれない。河村尚子による2枚目のアルバムということであるが、録音に慎重な彼女であればこその久々のアルバムの登場であり、正に満を持してと言った言葉が見事に当てはまると言っても過言ではあるまい。本盤には、ショパンの最高傑作とも称されるピアノ・ソナタ第3番と、シューマンのフモレスケ、そしてシューマン=リストの「献呈」がおさめられている

河村が類稀な親和性を感じさせているショパンの作品からは、「ピアノ・ソナタの王様」にもなぞらえられるべき大作『ピアノ・ソナタ第3番』を、河村が愛してやまないシューマンの作品からは、心情の移り変わりの細かな襞を描いた秘曲『フモレスケ』を収録。堂々たる急-急-緩-急の4楽章構成のソナタであるショパンのソナタ第3番、起伏に富んだ楽想が切れ目なく続くシューマンの『フモレスケ』という、いわば対照的な作風を持つ大曲2曲。河村は深くロマン派音楽の神髄へと分け入り、スケールの大きなピアニズムで作曲者の魂を描き出していきます。あらゆる音やフレーズが全く新しく吟味されたかのごとく新鮮な輝きを放ち、作品全体が生き生きとした躍動感を帯びていくさまを体験することは、まさに河村尚子の演奏を聴く上での醍醐味といえるでしょう。
アルバムの最後を飾るのは、シューマン=リスト編曲の『献呈』。ショパンの『レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ』と同様、河村尚子のアンコールの定番であるこの名曲。録音直前に急逝した師ウラディーミル・クライネフへの河村の深い祈りが込められた「献呈」でもあります。


河村尚子さんの演奏は、以前にもショパンか何かを聞いた記憶があるのだけれど、その時は素晴らしいセンスだと思ったけれど、あまり気に入らず、そのままになっていた。
新しいシューマンの評判が良いので、取り寄せて聞いてみたのだけれど、これはとても良いと思った。
ラドゥ・ルプーの美しい録音がデッカにある(DECCA/440 496-2)が、他にもホロヴィッツの1979年のライブ録音があった。古いイヴ・ナットの録音も良かった。他にもいくつか聞いているが、私の気に入ったものは…。人それぞれ好みがあるので、あれがないとかはご容赦。

いくつかの部分に分かれるものの、続けて演奏されるこの作品は、シューマンのこの時期を代表する傑作中の傑作。だから録音も多いかというと、そう多くはないのは不思議だ。
それでも上にあげた名演があるので、私はとりあえず不自由はしていない。が、この河村尚子さんの演奏を聞くと、また他にも聞いてみたくなった。ひょっとして聞き逃した名演があるのかもと思ってしまったのである。
それほどこの演奏は目覚ましいものがある。

深いブレスで、ゆったりと演奏される冒頭。実際はそれほど遅くもないのだが、一杯いろんなものが詰まっていて、それらがスローモーションのように饒舌に語るからそんな感想を持つのである。決して単調なのではない。
ピアニスティックな意味で見事なのは、やはりホロヴィッツの録音であるが、この河村さんの演奏は全く異なる表現方法でありながら、実にピアニスティックで美しい。華麗さや豪華さといった言葉はホロヴィッツに献上するとして、対極にある「思索的」な演奏なのだ。ホロヴィッツがただの練習曲のように弾いている等と言っているのではないので、誤解無きよう。
それにしても、この演奏のカンタービレ、歌い廻しのさりげなさと、気をつけて聞けば充分に考え、感じ、表現されている「歌」の美しさはたとえようもないほど。
シューマン好きの方には、ぜひお薦めしたい。ショパンも良い演奏だということだが、まだシューマンだけを2度ほど聞いて、今3回目に入っているところ。何とも良い演奏で、盛り上がるところでも、充分な力感がある。













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