おおたかの森と流山カナル物語

流山に住む主婦&薬剤師lalaの気紛れな日記
実は「福の神」らしいので、ゆったりまったり、周りを幸せにしていきます

漢方薬に対する誤解を生む記事「週刊新潮」

2017-09-13 05:11:07 | 漢方・生薬


週刊新潮9月14日号
ずいぶんセンセーショナルな見出しに
思わず買っちゃったけど



ん〜、やっぱり漢方薬をよく知らない人の記事よね(−_−;)

「寒熱」を説明した記事の入り口の部分は全くその通りで
中医学の大家とやらの劉大器氏が
「寒熱」をはじめとした中医学の理論をきちんと理解して
同じ病気だから同じ漢方薬を、というような
安易な漢方薬の使い方をしないことが大切だ
と述べていたところは
『そうそう、その通り!』と読みながら
心の中で叫んじゃいましたが

ところがその次の章に書かれている
漢方薬の副作用について
筑波大の内藤裕史教授の解説が全くの的外れで
『あ〜、中医学を全く勉強していない人の、浅い研究ね』
と読んでいて腹が立って来て



『証に合っていない漢方薬を飲み続けたら
そりゃあ、悪い影響が出るに決まってるでしょ!』
とツッコミを入れたくなりましたよ


ちゃんと入り口で「寒熱」について書いているのに
なんで「熱を冷ます」黄芩、黄柏、黄連を恐ろしい生薬にしてるのでしょう

もし黄芩、黄柏、黄連を飲み続けて不都合な症状が出たとしたら
それは「冷え」を持った人に飲ませ続けた結果で
冷えているのに、更に更に冷やしたなら
当然、病気は悪化して、それはそれは重篤な状態になるでしょう

そういうのは「誤治」と言って、漢方薬が悪いのではなく、
証の見極めをせずに、真逆の処方を使い続けた医師がいけないのですよ

また少なくとも、そこに至るまでに、
食欲不振や軟便、下痢など
なんらかの不調を訴えるサインが出ていたはずですよ

「証に合っている漢方薬は甘い!」ということを考えたら
きっと不味くて(苦くて)飲めない処方なのに
無理やり飲ませていたと思いますね

だから漢方薬は漫然と何カ月も
飲ませ続けちゃダメなんですよね

抑肝散の副作用情報(乾燥させる生薬)

以上のように亡くなった方や重篤な症状になった方には
そういった誤治という理由かあるのに
漢方薬(中医学)の理論も碌に勉強せず
ただ中毒学の見地からしか状況を判断していないことに
ホントに、ホントに、腹が立ちました


ま、確かに中医学を勉強しないツムラが
一番いけないんだけどね

ツムラが作っている漢方薬の品質は
クラシエよりとってもいいと思うけど
中医学を基本として学んでいるクラシエの方が
漢方薬に対する姿勢が全うだと、私は思います

そして最近は若いクラシエの社員さん達が
中医学を一生懸命勉強して
その知識が深まっているからなのか
ホームページに記載されている漢方薬の解説が
とてもわかりやすくなったな、とも思っています

そう考えると、これから10年、20年経って
中医学を勉強したクラシエの社員さん達が
中堅どころになった時
漢方薬の世界は大きく変わっていくかもしれないですね

もちろん、良い風に、ね(^^)


だから私は、こんな記事なんかに負けずに
中医学の知識を持って
これからも漢方薬を勧めていこうと思っています

頑張れ、中医学!


日本漢方(古方)と中医学(中国漢方)


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