13トリソミー 陽花の記録

すべての幸せが君のものであれ

旅立ち

2017-03-08 00:46:33 | 陽花の記録
■旅立ち

 しかし午前4時ごろ、再びサチュレーションが急に下がり、心拍数も下がり始める。駆けつけた医師3人が再びバギングと心臓マッサージ。その時、気管から吸引すると血液が出てきた。いくら吸引しても血は止まらない。バギングと吸引を交互に繰り返す。サチュレーションも心拍数も次第に下がり始める。肺からの大量出血。吸引ビンが真っ赤に染まった。
 私たち2人は陽花の手と足を握って、叩いて叫び続ける。点滴、バギング、心臓マッサージ、出来る限りの救命措置は続く。1時間、2時間…次第に数値は下がり続ける。「なぜ出血するのか!」「止められないのか!」私たちの問いに答えはない。そして、胃からも出血。

 主治医のN先生が懸命に心臓マッサージを続けながら目を真っ赤にして涙を流している。看護師が後ろですすり泣いている。(嘘でしょう!どうして泣くの?どうして?)。「陽花!自分で心臓動かして!」「ちゃんと酸素を受け取って!」「がんばれ!」私たちは叫び続ける。心臓マッサージの手を止めると心拍は10になる。「反射ですね。」と小児科部長。「まだ生きていますよね!」の私たちの問いに無言で心臓マッサージを続けてくださった。けれどもまもなくモニターの波形は一本の横線に。心拍のデジタル数は「0」。N先生が言葉にならない声で最後を迎えたことを告げた。
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