13トリソミー 陽花の記録

すべての幸せが君のものであれ

悲しい帰宅

2017-03-08 00:48:14 | 陽花の記録
■悲しい帰宅

 これが現実と知りながら、現実とは事実とは思えない。「何で!」「昨日まで元気だったのに!」「さっきまで口からミルクを飲んでいたのに!」ただただ泣いた。2人で陽花を抱きしめて泣いた。血に染まったカニューレを最後に自分の手で抜いた。(その時の感触は忘れない)。しんどかったね。よくがんばったね。お疲れさんだったね。いつの間にか病室は私たち3人だけになり、あんなにあった機械もなくなっていた。
 
 しばらくしてから「こんな時になんですが」と医師から解剖のお願いがあった。「これから産まれる同じ病気の子どもたちのためにも。」と。理性では充分解る話だが、陽花は生まれてから痛いこと、辛いことの連続だった。「もういいよね。もうこれ以上…」それが2人の気持だった。それをお話して、お断りした。辛い選択だった。
 
 看護師さんが陽花の体をきれいにして、ほんのりと口紅をつけてくださった。かわいいピンクの服に着替えた。ベットの上で寝ている陽花の顔はとてもきれいで、おだやかだった。生まれて以来、「陽ちゃん」「陽ちゃん」とかわいがってくださった看護師さんたちが順番に陽花を抱っこしてくださった。陽花は私の胸に抱かれ、医師・看護師十数人に見送られて、病室からそのまま外来・受付・玄関をでた。まるで退院するように。そのまま私たちの車に乗り、家に帰った。悲しい帰宅だった。
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