13トリソミー 陽花の記録

すべての幸せが君のものであれ

毛糸のベスト

2017-03-08 00:58:37 | 陽花の記録
■毛糸のベスト

 とは言っても、時間は必要だ。それしかないと思うこともたくさんある。
おばあちゃん(私の母)が陽花のために買ってくれた毛糸のかわいい白とピンクの編み込みのベストがある。母も高齢で一人娘の私を産んだのでもう80才。孫の顔が見られるなんてもう半分以上あきらめていたところでの、陽花の誕生だった。

 自分の好きなことばかりする親不孝な娘だったので、せめてもの償いができたような気がしていた。数えるほどしか、会うことも抱くこともできなかった。それでも本当に喜んでくれた。母からもらったそのベストは一度も着せてやることができなかった。そこでは、未練や感傷に近い思いが湧き上がる。

 そのベストとお似合いのスカートを着せたハンガーを部屋の壁に飾っている。かわいくて女の子らしい華やかな気配が漂う。それは今もしまえなくて、未だに居間に掛かっている。それも仕方ないよね。あたりまえだよね。そう思う。そうやってそんな自分の気持ちとも付き合いながらも、前を向いて歩いていこうと思っている。


◆追記◆
おばあちゃんの短歌

その名前「陽花」と名付く 太陽の如くにあれといのりをこめて

わが孫が 息していると思ふのみ 何かうれしき力わきくる

初孫に 夢次々とふくらみて ホウセンカ咲く ひまわりも咲く

障害をのりこえ 喜びいたりしが わずか半年まごは逝きたり

作りたるばかりのミルクも棺に入れ わが孫 陽花まつげの長き
『社会』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« その後 | トップ | 感謝 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

陽花の記録」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。