目前の80

まだかもうか

○着物をほどく

2017年10月13日 | 楽しい後期高齢生活のために
母がのこした着物を一枚だけおいてあった。

母が歩けなくなるまえに作り、袖をとおさないままの1枚である。

母が亡くなった当時のわたしには地味すぎ、そのままになっていた。

それを取り出すと、当然だが地味ではなくなっている。

秋のパンツにしようと解きはじめた。

むかしの女はみな、このくらいの着物を自分でぬえたのだ。

日本人はこんなすごい技術、文化をすててしまったのだと、感じつつほどいてゆく。

こまやかに、眼に見えぬ裏や、すそや、カーブの処理のなんと心のこもったデリケートなワザだろう。

この丁寧さ、こまやかさ。ためいきがでた。

 それは古い建築物ににたシンプルなうつくしさである。

おそらく今はごくわずかに特殊な技術としてのこっていることだろう。

ミシンですばやくぬった外国制のきものにはない重みである。

それを私は解体し、ミシンでパンツにぬいかえるのだが。