北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

緩み?おごり?それとも・・・?

2017-07-03 | 志賀原発廃炉訴訟
   

来秋の月曜日は志賀原発差止訴訟の口頭弁論。
原告意見陳述の原稿を今日提出することになっていたので昨夜は土砂降りの雨音を聞きながら久しぶりに深夜まで原稿書き。
いや、深夜までの予定ではなかったが、久々、楽しい開票速報に見入ってしまった。

自民党の歴史的大敗の報道と意見陳述の原稿が頭の中でごちゃまぜになりそうだったが、今日のタイトルの緩み?たるみは安倍政権の話ではない。
自民党大敗の原因は緩みではなく安倍‐菅のおごりであることは明白。
大敗が確実となり、多くの自民候補が青くなっていた昨夜、安倍首相は菅、麻生、甘利のお友達4人で、ディナーおひとり様28000円のフランス料理を食べにながらの反省会。
これは「緩み」かもしれないが、選挙の敗因はおごりだ。

私が悩んでいたのは志賀原発の建屋直下のこの断層。
上の図をご覧いただきたい。
誰が考えても、常識的にはこんな場所に原発を建てようとは思わない。
北電自身も1967年の計画発表当初は考えていなかった。
(その経緯は第14回の口頭弁論の私の意見陳述の中でも述べているのでご参照を)

この地点は北陸電力が望んだ場所ではない。
当初の用地買収計画が、北側の福浦反対同盟に阻止され、南に広げようと思ったら赤住を愛する会に反対され、共有地運動が展開されるなか、買収計画は3転4転し、その度に炉心予定地も南北を移動し、最終的に最も建ててはいけない場所に追い詰められていったのがことの経緯である。

それにしてもなぜもう少し炉心を動かすことはできなかったのか。
真下にあるのと近くにあるのとでは、話は全然違ってくるのだ。

ここに建てると、取水配管が通る海側にも断層がある。規制委員会はいま、この海側の断層まで問題にしている。

かつて小泉首相が「自衛隊の行くところは非戦闘地域だ」と言ったのと同じように、「原発を建てるところには活断層はない」というおごりがあったのか、あるいは「どうせ短い断層だ、動いたって大したことはない」という安全意識の緩みか、いやいやそもそも活断層を見極める能力・資質の問題か。
3点セットかもしれないが、北電は建ててしまったから、あとは活断層ではないということを立証するために必死である。
いや、立証できなくても安倍政権の再稼働路線でひっくり返すぞ!という戦略だった。

今回の都議選大敗が直ちに原子力政策に影響を与えることはないだろうけれど、安倍のおごりは原子力規制委員会の人事にまで及んでいた。
今後の政局も注視していかなければならない。


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