無実の4人が誤認逮捕されたパソコン(PC)遠隔操作事件で、東京地裁は4日、片山祐輔被告(32)に実刑判決を言い渡した。当初から何通もの「犯行声 明」が報道機関に届き、裁判のさなかにも「真犯人」からとするメールが送信された劇場型の事件。捜査機関や裁判所も、翻弄(ほんろう)され続けた。
東京地裁の818号法廷。入廷した片山祐輔被告(32)は青白い顔で、傍聴席を見回しながら席についた。「主文。被告を懲役8年に処する」。裁判長が判決を言い渡す間、証言台の前に立った片山被告は手を前に組んだまま、じっと前を見つめていた。
「犯行声明のメールを送ったのは、『燃料投下』をして、騒ぎがさらに大きくなることを期待したから。おもしろおかしく、という気持ちでやった」
保釈を取り消されて再び収監され、罪を全面的に認めた後に公判で、被告はこう言った。
4人の男性が誤認逮捕されたのは2012年7~9月。そのうち1人は起訴され、1人は保護観察処分となった。その陰で、被告は報道機関などに「犯行声明」のメールを送っていたという。