after-studio (画と本のある空間)

経営する喫茶店の名前です。

店のHPはこちら→ http://www.samatsu.info/cafe/

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感動の伝達

2017-12-19 18:34:16 | 演劇・舞台

ご無沙汰いたしました。
先回からもう2カ月が過ぎてしまったのですね。
広告が入るようになるので、何も書かなかった長さを思い知らされます。

ホセ・カレーラス、行ってまいりました。
大ホールにマイクなしで響き渡るテノールには、胸にこみあげてくるものがございました。
また、舞台後ろに福島の中高合唱団が整然と並び、共に歌う美しさは見事なものでした。
惜しみなくアンコールを繰り返し、それにより聴衆の満足度は帰りの足の軽さに表れておりました。

良いステージを観る喜びに、より満たされていく自分を感じております。

もう一つ、素晴らしいステージがございました。
16日土曜日に、お店のお客様でいらっしゃるモレーナさんの、フラメンコ教室20周年記念公演を鑑賞いたしました。
何人かお誘いして行ったのですが、エネルギッシュで闘争的、それでいて優雅な舞台に圧倒され、「素晴らしかった!」と繰り返し語り合いながら、会場を後にしたのです。

今日、モレーナさんが来店されて聞いたところ、衣装はスペインに行って購入した生地で作ったものだそうです。
やはり、あの鮮やかな色はスペインならではなのだと。
フリルがたくさん付いていますので、一着の生地は10メートルほど使用するのだとか。
また、美しいショールを持っての踊りがあったのですが、それは糸から染め上げたそうです。
舞台づくりの真剣さはやはり見る者に感動をもたらすのですね。
衣装の一点一点にまで拘った見事な舞台づくりでした。
舞台脇で演奏をしていたメンバーが「アメージンググレイス」をフラメンコ調に歌った時には、うっとりと聞きほれてしまいました。
ホセ・カレーラスの時もそうでしたが、歌は伝達だと強く感じました。
心のこもった伝達は、聞くものに震えるほどの感動をもたらすものですね。

ブログを書く間を惜しんで、そのような感動に酔いしれておりました。

一年の終わりが刻々近づいてまいります。
皆様にとって、どのような一年だったのでしょうね。


 

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仙台フルートコンクール

2017-10-16 18:09:41 | 音楽・映画

時間が疾風のごとく過ぎて行きますね。
秋の紅葉もあっという間に過ぎてしまったようです。
栗駒山へ14日土曜日に登山したお客様の話によりますと、下調べに一週間前行った時にはまだ紅葉に早かったそうです。
それが、14日当日にはもう終わっていたというのです。
見ごろは2~3日しかなかったようです。

芸術の秋、青年文化センターで「仙台フルートコンクール」が開催されました。
10月12日から予選が始まり、15日の昨日は本選です。
昨日、午後の一般部門を鑑賞してまいりました。
このようなコンクールがあること自体初耳でしたし、入場無料とのことでしたので、あまり期待せずに行ったのですが、驚きました。
素晴らしい技術と音色だったのです。
うっとりと聞きほれ、素敵な秋の午後を過ごすことができました。
仙台は13回目になり、全国から演奏者が集まっています。
国籍不問ですので、韓国の奏者も本選に残っておりました。
素晴らしい演奏でしたのに、会場には本当に少数の観客しか入っておらず、もったいない限りでした。
情報を知らないために、見過ごしてしまう催し物がたくさんありそうですね。

昨日ロビーで見つけた情報ですが、福島復興祈念「ホセ・カレーラス チャリティーコンサート」が11月26日いわき芸術文化交流館アリエスホールであります。
チケットはかなり高いのですが、こんな機会はないかな、と迷っているところです。
その前にチケットが取れるかしら?   ですね。

急に寒くなってまいりました。
皆様、お風邪を召しませんよう、ご自愛くださいませ。

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続 I氏の肖像

2017-08-03 12:50:21 | 記録

成程。
前衛作品とはこのようなものであったか、との感想を持ちました。
前衛作品というものを明確に理解しているわけではなく居りました。
相澤氏にその点を尋ねてみたのです。
氏は、自身の場合”表現”であると語られました。
”表現”と聞き、八木一夫の「ザムザ氏の散歩」が浮かびました。

初めて見ても理解できず、しかし、脳裏から離れない。
やはり、一つ一つ考え抜かれた作品と理解しました。
深さがあり、味わいがあり、作り手の渾身の思いがそこにあり、見る者に語り掛ける。

生活陶器で氏を知り、使って氏の陶器への想い、使い手への想いを感じ、温かく親切な作品であると感じておりました。
成程、料理であれ洋服であれ家具であれ、作り手の想いは食べてみて着てみて、使ってみて感じるものです。

その作家が使わないものを作りました。
それはただただ心に働きかけるものです。

9日間、この作品がアフタースタジオの2階、スタジオ1951にあるのです。
きっと見続けることで私の中の何かか引き出され、深い感動をもたらしてくれることでしょう。
よくぞこの段階に踏み入ってくださいました。
と、感謝の念が沸いてまいります。
すべてにタイトルがついており、作品の意味を、さらに見る者に投げかけてきます。

ありがとうございます!

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相澤智美 前衛作品展

2017-07-26 19:51:53 | 喫茶店「after-studio」案内

夏が前倒しになったように、すでに7月に30度を超す日が続きました。

市長選を終え、早速ある候補者のスキャンダルが紙面に登場いたしました。
前々から噂されていたこととは別の、市長選出馬に最も相応しくない出来事でした。
国会でも総理の問題が毎日取りざたされ、政治はどうなってしまうのかしら、いえ、政治家の倫理はどこへ行ってしまったのかしら、と情けなくなってまいります。

そんな俗界から離れて、しばし豊かな時間を共有してみませんか?
アフタースタジオ2階の「スタジオ1951」で、相澤智美氏の前衛作品展『相澤智美・陶・展・・・I氏の肖像・・・』が開催されます。
日時は8月1日から9日まで。
詳しくは(有)佐松のホームページから、スタジオ1951のブログをご覧ください。
作品展に合わせて、ライブなども楽しんでいただけます。
七夕の日に重なる日時もございますが、街中ですので、どうぞ足を延ばされて楽しまれてくださいませ。

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ラスコー展

2017-05-24 16:02:20 | 記録

5月ですのに暑い日が続きますね。
季節はどうなってしまったのでしょう。

土曜日に多賀城の東北歴史博物館で「ラスコー展」を観てまいりました。
2万年前の洞窟壁画です。
世界遺産でありながら、もう洞窟には入れず、再現されたもので思いを2万年前までさかのぼるしかありません。
牛や馬の絵が多く、不思議なことに人間は一点だけでした。
道具も一から作らなければならない旧石器時代。
クラマニョン人のそれは目を見張るものがありました。

展示方法が親切で、再現洞窟を暗闇から少しづつ明かるさを増し、壁画が明るさの程によってどのように見えるか上手に演出されておりました。
また数分の再現映像がさらにそれらをわかりやすくしてくれたのです。
私が何より惹かれたのは、クロマニョン人による道具の作り方の映像です。
再現映像とはいえ、旧石器時代の日常をすぐ近くで垣間見ている感でした。
それはそれは丁寧に、石刀や縫い針、錐、槍先、火皿などを作るのです。
石を使い、骨を使い、生活用品が出来上がっていきます。

街に出れば欲しいものがあっという間に手に入る今を思いますと、何か複雑な感じがいたします。
一つの道具がいかに大切に思われたことか、その物はもちろん、作り方も代々受け継がれたことでしょう。
時間をかけて物を作る際には、きっとそれが出来てからの便利さを考えたり、使う家族の笑顔を思い描いたりしたにちがいありません。

そういえば、そのような思いにふける時間が最近はなくなってきてはいないでしょうか。
生活の手仕事が次第に少なくなっている現在、思いを馳せる機会が失せてしまいましたね。
クロマニョン人のそれを見て、なぜか羨ましくなったのは私だけだったでしょうか?
そんな思いで東北歴史博物館を後にいたしました。


「ラスコー展」は今週末までですね。
まだの方は是非、お薦めです!









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あるコラムから

2017-05-01 16:38:03 | 書物・文学・詩

かつて新聞記事を読んで、例えば殺人事件などにはそれに至る長い物語があったのではないか、と想像をめぐらすことがありました。
想像は創造となり、事件とはかけ離れた物語を作り上げてしまったりしたのです。

最近読んだ本の中にかつてを思い出すコラムがありました。
イギリス・コラム傑作選「たいした問題じゃないが」のミルンのコラムです。
『17世紀の物語』のそれにはこんな文があります。

「田舎の墓地で、古い墓石に刻まれている名前を読むと、時に考え込んでしまう。今から百年前にどういう人の生涯が終わりを遂げたのだろうか。・・・・教区の戸籍には、履歴の全てが記録されている。誰がいつ生まれ、いつ結婚し、何人子供を持ったか、いつ死亡したかと。それぞれの人生の骨格のみだが、それに空想によって服を着せて、生き返らせることが出来る。」

そしてある女性の記録から一つのストーリーが生まれてくるのです。

その女性の最初の記録は結婚、二つ目の記録は一年後未亡人になった際、三つ目はそのひと月後再婚、四つ目は再婚の翌日死亡。

ミルンはそこから彼女の死は自殺と想像します。
そこからさかのぼると、最初の結婚は親からの強い勧めで愛する恋人を諦めての結婚。
恋人を愛する彼女は恋人と共謀して夫を殺害したのではないか。
裕福な夫の遺産を受け継ぎ恋人と再婚。
しかし、恋人は財産が目当てで、彼女を愛してはいなかった。
それを知った彼女は自殺をした。

かつて、新聞記事を読んで想像を膨らませたことを思い出し、もちろんミルンとは想像力において雲泥の差ではありますが大変興味深く読み終えました。

ミルンは「クマのプーさん」の著者ですね。


では、皆さん
素敵なゴールデンウィークをお過ごしください!

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スタジオ1951 ジャズライブ

2017-03-23 11:21:15 | 音楽・映画

随分御無沙汰してしまいました。

彼岸も過ぎて、寒さも春めいてまいりました。
今年は桜の開花も早いようで、4月中旬には観ごろになりそうですね。

昨年はスタジオ1951を様々にご利用頂きました。
東京から来仙された大変都会的なジャズのライブ、京都からは聴いている者を細胞まで湧きたたせるような音を提供して下さった「ザッハトルテ」、そして仙台からデビューされました京本紗采さんのライブ、京本さんの時にはうちのビルに長い行列が出来たのです。
2階のスペースが見事に生まれ変わった一年となりました。

本日は4月9日にスタジオ1951で開催されますジャズライブについてのお知らせをさせて頂きます。
アフタースタジオのお客様が東京に転勤でいらした間、ジャズのライブハウスに通い続けて居られたそうです。
仙台に戻ってこられて、東京のジャズマンたちを是非仙台にお呼びしたいと計画され、うちのスタジオ1951をライブ場所に選んでくださいました。
昨年そのライブが実現したのです。
ピアノとボーカルの美しいレディ達による見事な演奏でした。
何よりライブそのものが大変都会的に仕上がっておりました。
ワンコインでドリンクとフードの提供もさせて頂き、ほんのりアルコールを頂きながらの楽しい楽しい会場となったのです。
ライブが終わりますと、ほとんどの方がCDを購入され、部屋全体に一体感の生じたライブでした。

さて4月9日日曜日のライブは
午後5時オープン、5時半から演奏開始です。
チケットは1800円+1ドリンク制、ドリンク・フードは各500円で更に準備しております。
アフタースタジオでもチケットを預かっておりますので、是非お早目のご購入をお薦め致します。

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レジェンド

2016-12-07 13:53:51 | 自然・植物・花

今日の空は冬晴れでしょうか。
スカッとした青空に日差しも暖かく、師走のさなかにもかかわらず気持ちが躍ります。

アフタースタジオ用のお花はカサブランカ。
毎週火曜日に買って来るのですが、先週は水曜日になってしまいました。
カサブランカとシベリアンを注文し、ふと見ると真っ赤な縁取りの赤いバラが目に入りました。
茎がしっかりとしていて、少々値段もしそうですが贅沢をしたくなるような薔薇でした。
名前を聞きますと「レジェンド」(伝説)とのこと。
もう迷わず購入です。
お店に持ち帰り、黒いブランデーの瓶に挿しますとピッタリでした。
そのバラが一週間過ぎた今でもピンと胸を張り咲いております。
花が開くほどに、縁取りの真紅が際立って参ります。

「レジェンド・オブ・フォール」というブラット・ピットの映画は、かつてこのブログにも書かせて頂きました。
私の中で、お薦めの映画は?と聞かれたなら即答でこの映画を紹介しております。
そんなこともあり、レジェンドという響きに心が惹かれてしまったようです。

誰にでもそんな言葉が有るのかもしれませんね。
薔薇の名前を聞いて、自分の中にある特別な言葉を見出す機会を得ました。
これも出会いのひとつでしょうか。

寒さが深まる日々、暖かくレジェンドを眺める自分が居るのです。




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アベマリア

2016-12-05 18:38:12 | 音楽・映画

 

師走はなんとなく落ち着かなく、忙しないですね。

毎年この季節になりますと、素敵な音楽を編集したCDを送って下さる友人が居ります。
今週末は慌ただしく、ポストを覗く暇もなく過ごしてしまいました。
先程やっとポストを開けたところ、ザザッと新聞と共に郵便物が落ちて参りました。
その中にCDがあったのです。
週末に届いておりました。
開けてみますと、今年はアベマリア特集だったのです。
嬉しくて早速聴いております。
暮の慌ただしい期間にも関わらず、アベマリアを聞きますとほ~っとするのはなぜでしょうね。

皆様のこの一年は如何でしたか?
沢山のドラマがあったことでしょうね。

そんな一年を思いながら、アベマリア、素敵です!

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ザッハトルテ

2016-10-31 17:05:24 | 音楽・映画

ご無沙汰しております。
もう暖房の季節になりましたね。
こんな季節は甘いものが更に美味しく思われます。
ザッハトルテと聞けば、皆様チョコレートケーキを思い浮かばれるのではないでしょうか。

ところが、京都で活躍のザッハトルテという名のトリオが居ります。
アコーディオン、ギター、チェロの三人組です。
確かにチョコレートケーキのように甘く楽しい演奏が、多くのファンを魅了しております。
そのザッハトルテが28日金曜日に我が「スタジオ1951」でライブを開催致しました。
最初の曲から観客の心を鷲掴みです。
楽しい楽しい、メルヘンのような明るい音楽にみんなの表情が綻びます。
ザッハトルテのライブをアフタースタジオの延長 「スタジオ1951」で、と努力して下さった方は、身体の細胞が生まれ変わるよう、と表現しておられました。
確かに生の演奏を聞いて合点した私でした。

彼らの音楽はNHKのお母さんと一緒にも取り入れられております。
「どこのこきのこ」 です。
また、みなさまもきっとどこかで耳にされたことのある 「僕の左手。君の右手」 もザッハトルテの曲です。
うちの坊やはこれらの音楽を聞きますと自然に踊り出しておりました。

「スタジオ1951」は昨年12月20日にオープニングイベントを行い、もはや一年になります。
沢山の方々、分野にご利用頂きました。
ありがとうございました。

これからも、多くの方に喜びをもたらす企画をお待ちしております。

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山田わか女史

2016-09-29 18:01:21 | 記録

いつの時代も「人生相談」は雑誌や新聞の一つになっております。
こんな相談が皆様に向けられたならどうこたえられるでしょう。

それは昭和初期の話です。
母親と暮らす婚約者のいる女性の家にある日強盗が入ります。
その強盗は物をとるだけではなく、その女性を強姦してしまうのです。
彼女は母親に相談し婚約者にその事を打ち明けることにしました。
婚約者は事故だと思いましょう、と励ましてくれます。
ところが、彼女は妊娠してしまったのです。
さてどうしたものか、婚約者に打ち明けるべきか、隠したまま堕胎すべきか。

その相談は、朝日新聞の「女性相談」欄に載ったものでした。
回答者は山田わかという評論家であり女性解放運動家です。
彼女はどう答えたでしょう。
きっぱりと
「産んで育てよ」
と答えたそうです。

この山田わかという女性は、後に母子寮や保育園を設立し、また売春婦の更生保護施設「幡ヶ谷女子学園」を設立した人です。
子供を抱え夫を戦争で亡くしたり、訳あって母子家庭になった女性たちの生きやすい環境を整えて行った女性です。
個という物の見方ではなく、人類という視点で様々な問題を見て来た人でした。
人類という視点で見るなら、身ごもった子供は産むという結論は迷いなく出てくるのでしょう。
勿論、女性問題に思想だけではなく行動で取り組んだ方ですから、実のある運動家といえるでしょう。

その山田わか女史は若かりし頃、シアトルのキングストリートのアロハハウスで白人相手の娼婦、あめゆきさんの一人だったのです。
源氏名は「アラビヤお八重」
数年間辛酸をなめ、何とかそこを抜け出して勉学に目覚めた女性でした。
彼女の向学心は当時アメリカで社会学者として活躍をしていた山田嘉吉氏の目にとまり、とことん教えたいと思った嘉吉氏は彼女を妻に迎えるのです。

日本に帰り、アメリカでの事は伏せて夫の活動を支え、自らも女性解放運動家として活躍します。
辛酸をなめた彼女だからこそ、相談員として酸いも甘いも噛み分けた回答をすることが出来、多くの読者が惹きつけられたそうです。

山崎朋子の「あめゆきさんの歌」は山田わか女史を書いたものです。
それを読んで大きく心を掴まれ、彼女の著作があるなら是非読んでみたいと思いました。
女史の著「恋愛の社会的意義」を読み、一層物事の見方で世界が大きく違ってくるということを学ばされた一冊となりました。
本によって本に出会う。
楽しい読書体験でした。

秋の夜長、皆様はどんな本に出会っていらっしゃるのでしょうね。

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精神の飢え

2016-07-19 12:52:47 | 美術・絵画

御無沙汰いたしました。
いつの間にか、お祭りの時期になっておりました。

坊やの手術は無事終わり、その後さまざまな、そうです、胸を抉られるような心配を繰り返し、やっと退院に至りました。
多勢の方の祈りに支えられ、乗り切ることができました。
感謝いたします。

朝に夜にとの病院通いが終わり、やっと自分のペースに帰る日々となりました。
少しづつ読み進めている本の中で、心に響いたものが幾冊かございます。
一番新しいところでは、アグネス・キースの「三人は帰った」です。

ボルネオで日本の捕虜として、3年以上も過ごした日々が記録されております。
幼い息子を連れての飢えと極度の不衛生と重労働。
夫が英国の森林監督指導官として、快適な生活を送っていた彼らが捕虜生活を強いられるのです。
そんな中、作家としての使命感から記録を執り続け、それを日本軍に見つからないよう隠し続けるのです。
飢えは凄まじいもので、生き物であれば何でも食べ物にしてしまいます。
自分たちで畑を作りながらもその成長を待っていられず、茎や葉を食べてしまうという惨状です。

終戦となり、連合軍からの支援物資が飛行機から落とされます。
パラシュートに書いてある文字は「パン」でした。
飢えている彼らでしたが、それを争うことなく、今までに習慣になった分け合うという形が維持されます。
ただ、印象深かったのは、彼らは「肉体よりもはるかに多くの精神が飢えていたのだ」という一文でした。
そのため、「パン」という文字が「忘れているのではありませんよ」と読まれた、というのです。

3.11以降、たくさんの方々が、芸術を被災地に持ち込んでくださいました。
その価値を改めて認識した一文でした。
人はパンだけで生きるのではないのですね。
人が動物と違うところは、精神の飢えも覚えるということでしょう。


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あ~さぁ♪

2016-05-27 14:39:16 | 記録

眩しい若葉の5月も終わりますが、仙台のケヤキ若葉は堪能されたでしょうか。

さて、もうすぐ2歳と6カ月を迎える坊やが、根治手術のため昨日入院いたしました。
最近は元気も機嫌も上々で、何をするのも楽しそうです。
毎朝、近くのカフェにジュース・デートをしておりました。
おしゃべりも少しずつ文章化し、その成長の目覚ましさに日ごと驚くことばかりです。
そんな坊やが、少しの間ベットの坊やになってしまいます。
今回の手術は何時になく難しいものなので、時間もかなりかかるようです。
昨日、ママとパパが入院の準備をしながら坊やにきちんと話して聞かせたところ、坊やは「ダメ・ダメ、先生、ダメ・ダメ」と言って泣いたのだそうです。
切ないですね。

そんな坊やが最近、手術を前にしてニンマリするテレビ番組があります。
一つは「トットテレビ」。
黒柳徹子さんのそれです。
その中で坂本九ちゃんの「上を向いて歩こう」に、ボーッと見入る坊やです。
そして、終わると、「モッカイ、モッカイ」とリクエストをします。
それなら歌ってあげましょう、と映像をリピートしながら歌っておりましたら胸に込み上がるものがありました。
♪上をむ~いてあるこう、なみだがこぼれないよう~に・・・・♪
もう、だめですね、歌えなくなりました。
見ると坊やのママも涙をぬぐっておりました。

もう一曲は、朝の連続ドラマ「とと姉ちゃん」の主題曲、宇多田ヒカルが歌う、「花束を君に」なのです。
きれいな歌だわ、と私も一緒に歌い、坊やも体をゆすりながら
♪普段からメイクしない君が薄化粧した朝♪
の♪あ~さぁ♪のところを、首を大きく振りながらテレビから流れるそれに和するのです。
早速、覚えて歌ってあげましょうとネットで歌詞を調べたところ、これはとっても悲しい歌なのですね。
だって、「涙色の花束」なのですものね。
これも、やはり、歌えなくなりました。

今日からはただただ、坊やの手術が成功することを祈るのみです。
また、坊やとジュース・デートを致しましょうね。

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絹と明察

2016-04-12 17:46:29 | 書物・文学・詩

桜の花が終わりかけるのと同時に急に寒くなって参りました。
昨日の雪はびっくりでしたね。

最近、三島由紀夫の「絹と明察」を読む機会を得ました。
1954年の近江絹糸労働争議を材料にした小説です。
そして、哲学者の田島正樹氏の書評を読むに至ったのです。
三島の思想を考慮しながらの書評でした。
その中で、ある一文が私にポ~ンと投げかけられました。

「偽善の自己欺瞞の塊であったこの人物(駒沢)が、やがて明察にたどり着くというドラマが、見どころといえよう。三島自身は、「父的なもの」を描こうとしたと述懐している。   彼にとって父的なものの不在は、生涯の問題であり続けたのであろう。弱い父と強い祖母のもとで育てられた三島は、父の代理を天皇に求めたのである。   もし、昭和天皇が自ら責任を引き受けていたら、その政治的身分はどうであれ、三島の精神のよりどころとなり得たのかもしれない。しかし、「人間宣言」によってその責任を放棄したことは、三島の蹉跌の一つとなった。」

この一文は、天皇の父性というものに対する私の課題となりました。
私の母は、両親を亡くして樺太から引き揚げてくる際、聾唖者の妹とまだ赤子の弟を連れて未来に絶望し、青函連絡船から身を投げようとしたのです。
しかし、ふと思いとどまれたのは、両親は亡くなっても、自分には国の両親が居るという思いだった、と小さいころに繰り返し聞かされました。
それ以来、私の中で天皇皇后両陛下は親の居ない子供たちにとってそのような存在になり得、命をつなぐ大きな役割を果たしておられるのだと自然に感じていたのでした。
それが、人間宣言によって裏切られたと感じた三島が居たということに大きな驚きを覚えてしまったのです。
と同時に、母はどうだったのかしら、との思いが生じて参りました。
母から聞く天皇の話はそれだけでしたので、終戦後の人間宣言に関しては何の感想も聞いていなかったのです。
天皇に自分の命を救うほどの強い父性を感じていたなら、あるいは母にも少しは三島に似た感情があったのかしら、と既に聞くことのできない母の気持ちを思ってしまうのでした。

意味ある本を読むことは、人生で大切にしていたものをよみがえらせ、また、新たな課題をもたらしてくれるものですね。


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桜の季節

2016-03-29 14:12:37 | 記録

このブログ管理者は1年前のブログを同日に送ってくれます。
それは書く者の楽しみになり、また書こうとのきっかけを頂けます。

昨年の3月27日は坊やのことでした。
初めて発した言葉が「イヤダァ!」であったことを、鼻からミルクの注入をしていたことから書いておりました。
改めて読み、あの時の苦しさが思い出され、同時に今の元気な坊やを心から喜べております。

さて、今の坊やはお話も得意ですし、お歌が大好きでいつも何かを口ずさんでおります。
ブーニンの「小犬のワルツ」からはじまり、クライズラーカンパニーの「新世界」が大のお気に入りになりまして、それがきっかけとなり最近ではドヴォルザークの「新世界より」を第1楽章から自分でCDを起動させて聴いております。
その所為か第4楽章になりますと、キラリと顔を輝かし、歌うまでなっているのです。
ジャーンジャーン、というのがお気に入りらしいので、それではとベートーベンの「運命」をも聴かせたところ、それは一度で覚えてしまいましてジャジャジャジャーン!と口ずさんでいるのです。
子供は吸収が速い速い・・・。

可愛いところで星の形や光るものを見ますと「キラキラひかる~♪」や鳥さえ見れば「ぽっぽっぽ~♪」など、歌うことに終始しております。
また、高いところが好きなのか、いろんなものを昇りたがり、落ちては泣くの繰り返し。
坊やの両親はやっと当たり前の子育てを楽しんでいるようです。
近々また大きな手術を控えておりますが、この元気が続いてくれることを願う思いでいっぱいです。

季節はすっかり春に変わり、桜が楽しみになって参りましたね。
1年の短期間しか楽しめない桜は、何故か見逃せない気持ちにさせられます。
今年はどんな風に楽しませてくれるのでしょうね。
満開の桜、花弁の舞い散る風景、それぞれの年に様々な思い出がございました。
皆さまはこの季節、どんな思い出をお持ちでしょうね。
どうぞ、楽しい桜の季節をお過ごしくださいませ!


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