秋葉原の書士ブログ

東京秋葉原にある海老根司法書士・行政書士事務所の所長によるブログです。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

外国人住民に係る住民基本台帳制度について(外国人住民に係る住民票の作成等)

2012-06-06 14:03:23 | 法改正
平成24年7月9日に施行される住民基本台帳法の改正により、外国人住民を住民基本台帳制度の適用対象に加えることになりました。これにより、外国人登録法は廃止されます。

この改正は以下のような特徴があります。
○外国人住民に係る住民票の作成・・・中長期在留者(在留カードが交付される者)、特別永住者等を対象とします。

○外国人住民の係る住民票の記載事項・・・氏名、生年月日、性別、住所、世帯主の氏名及び続柄のほか、外国人住民特有の記載事項として、国籍、地域、在留資格、在留期間等を記載します。

○法務大臣と市町村との情報連携・・・法務大臣は、在留許可を行ったこと等により在留資格、在留期間等に変更が生じたときは、住民票の記載等のため、当該情報を市町村に通知します。

これにより、国際結婚の家族等は、1通に世帯全員が記載された住民票の写しが受けられます。


平成24年5月から、順次、住民票に記載されることとなる内容について、対象となる外国人本人へ通知し、確認してもらう手続きが開始しています。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

外国人ポイント制度(高度人材ポイント制)

2012-05-14 17:31:03 | 法改正
法務省入国管理局は、平成24年5月7日より、外国人の高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度を導入しました。


これは、外国人の高度人材の受入れを促進するために創設されたものです。高度人材の活動内容を次の3つに分類し、
・「学術研究活動(基礎研究や最先端技術の研究を行う研究者など)」
・「高度専門・技術活動(専門的な技術・知識等を活かして新たな市場の獲得や新たな製品・技術開発等を担う者など)」
・「経営・管理活動(日本企業のグローバルな事業展開等のため、豊富な実務経験を活かして企業の経営・管理に従事する者)」
それぞれの特性に応じて、「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が一定点数(70点)に達した場合に、出入国管理上の優遇措置を与えることにより、高度人材の日本への受入れ促進を図るものです。


優遇措置の内容は以下のようなものがあります。
・複合的な在留活動の許容
・在留暦に係る永住許可要件の緩和(原則10年以上→5年)
・入国・在留手続の優遇処理
・配偶者の就労
・親の帯同・高度人材に雇用される家事使用人の帯同
・在留期間「5年」の付与(平成24年7月以降)


法令上の位置付けは、在留資格「特定活動」の一類型になります。現在の在留資格に関する要件を満たす者の中から高度人材を認定する仕組みになります。なお、資格取得後に一定点数を下回った場合であっても、直ちに在留資格を失うものではありませんが、更新の際に一定点数のポイントがなければ更新がされません。


制度開始後1年をメドに制度の見直しなどの検討が行われることになっています。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

非訟事件手続法、家事審判手続法の改正について

2012-02-20 16:22:29 | 法改正
平成23年5月19日に、「非訟事件手続法」及び「家事審判手続法」が成立しました。施行日は平成25年1月1日を予定しています。「家事審判手続法」は「家事審判法」の改正になります。


ともに、国民にとって利用しやすく、現代社会に適合した内容のものにするため、手続の基本的事項に関する規定を整備するものとなっています。


非訟事件手続法は、参加、記録の閲覧謄写、電話会議システム等による手続、和解等を創設するとともに現代用語の表記によるものとするものです。施行日に従前の非訟事件訴訟法は、「外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律」と題名が改められ、外国法人登記及び夫婦財産契約登記に関する規定のみを残し、それ以外の規定は削除されることとなっています。


家事審判手続法は、参加、記録の閲覧謄写、陳述の聴取等をより充実したものと改めるとともに、その利便性の向上を図るための諸制度(電話会議システム等による手続、高等裁判所における調停等)が新設されます。施行日と同時に家事審判法は廃止されます。なお、施行日前に申し立てられた家事事件等は、一部の手続において従前の家事審判法が適用されることになります。


家事審判手続法では、従前甲類(調停を行うことができない)と乙類(調停を行うことができる)とに分かれていた審判事件の種別が、それぞれ別表第一、別表第二に整理されました。おおむね別表第一は甲類、別表第二は乙類に対応しますが、推定相続人の廃除等の一部手続が種別変更になっている点は注意が必要です。


詳しい法律案は、こちらにあります。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00083.html



コメント
この記事をはてなブックマークに追加

特定非営利活動促進法(NPO法)の改正について

2012-02-13 13:08:25 | 法改正
今回は、平成24年4月1日に施行される特定非営利活動促進法(NPO法)の改正についてです。


今回の改正では、①これまでの認証制度(法人格の付与)の部分について、制度の使いやすさと信頼性向上のための見直しが行われるとともに、②新たに「認定制度」が設けられ、「認証制度」と「認定制度」の2階建ての法律となり、③あわせて認定・認証事務の所轄庁が一元化されることになりました。


これまでの「認定制度(税制優遇のための制度)」は、租税特別措置法にきていされ国税庁長官による認定制度でしたが、これを廃止し、新たにNPO法において、地方公共団体が行う制度として位置づけをしました。また、一定の基準を満たさなくても税制優遇を受けられる、仮認定制度が新たに導入されました。


1 活動分野の見直し
 これまでの17活動分野に加え、次の3種類の活動が追加されました。
①「観光の振興を図る活動」
②「農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動」
③「法第2条別表各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は政令指定都市が条例で定める活動」

2 手続の簡素化・柔軟化
(1)所轄庁へ届出のみで定款の変更を行うことができる事項(役員の定数等)が追加されました。
(2)社員総会の決議について、書面等による社員全員の同意の意思表示に替えることができるようになりました。
(3)理事の代表権の範囲又は制限に関する定めがあるときは、その定めを登記することになります。
   →たとえば、「理事長は、この法人を代表し、その業務を総理する」などの定款の規定が該当し、法施行令施行後6か月以    内に、法務局で当該定めに関する事項の登記をする必要があります。このような代表権の範囲に関する定めがある場合     は、理事長以外の理事の抹消登記手続きを行う必要があります。

3 未登記法人の認証取消し
 設立の認証を受けた者が、設立の認証があった日から6か月を経過しても設立の登記をしないときは、所轄庁は認証を取り消すことができます。

4 会計の明確化
(1)「収支計算書」の名称が「活動計算書」に改正されました。
   →「収支計算書」は収入・支出の動きに焦点を当てた財務諸表でありましたが、当期正味財産の増減及びその構造に焦点を    当てた「活動計算書」に改めるものです。
    ただし、当分の間「収支計算書」を提出することができるとする経過措置があります。
(2)活動計算書及び貸借対照表を「計算書類」とし、財産目録を附属書類と整理されました。

5 認定制度・仮認定制度の導入
(1)認定基準
①実績判定期間において、パブリック・サポート・テスト(PST)を満たしていること
②実績判定期間において、事業活動における共益的な活動の占める割合が、50%未満であること
③運営組織および経理が適切であること
④事業活動の内容が適切であること
⑤情報公開を適切に行っていること
⑥法令違反、不正の行為、公益に反する事実等がないこと
⑦設立の日から1年を超える期間が経過し、少なくとも2つの事業年度を終えていること
→③~⑥の基準は実績判定期間(初回認定及び仮認定の場合は2年、更新等の場合は5年)においても満たしていることが必要です。

☆パブリック・サポート・テスト(PST)について
「パブリック・サポート・テスト(PST)とは、NPO法人が広く市民から支援を受けているかどうかを判定するための基準です。具体的には、次の①~③のどれか一つに当てはまればよいとされます。
①相対値基準PST
 →実績判定期間において、寄附金等収入金額/経常収入金額≧基準値(1/5)
②絶対値基準PST
 →実績判定期間において、各事業年度に3,000万円以上の寄附を平均100人以上から受けること
③条例個別指定PST
 →申請日の前日までに、主たる事務所又は従たる事務所が所在する都道府県又は市町村から、寄附金を受け入れた場合に個人住  民税の控除対象となる法人として条例で個別指定を受けていること

(2)仮認定制度の導入
 仮認定制度とは、設立初期のNPO法人、特に設立後5年以内の法人については、財政基盤が脆弱な法人が多いことに鑑み、1回に限り、スタートアップ支援として、PST基準を免除した仮認定(有効期間は3年)により税制優遇を受けられる制度です。
なお、経過措置として、改正NPO法施行後3年間は、設立後5年超の法人も仮認定を受けることができます。

(3)欠格事由
 以下の①~⑥のいずれかに該当するNPO法人は、認定又は仮認定を受けることはできません。
①役員に不適当な者が含まれている法人
②認定又は仮認定を取り消された日から5年を経過していない法人
③定款・事業計画書の内容が法令等に違反している法人
④国税・地方税の滞納処分が執行されている又は滞納処分終了の日から3年を経過していない法人
⑤重加算税・重加算金を課された日から3年を経過していない法人
⑥暴力団であるか、又は暴力団の構成員等の統制下にある法人

その他、認定NPO法人に対する監督規定が整備されました。

(4)認定NPO法人等への寄附に伴う税制
 認定法人・仮認定法人への寄付者は所得税法上の所得控除と税額控除を選択することが可能になりました(地方税とあわせて寄附金額の最大50%)。

6 所轄庁の変更
・2以上の都道府県に事務所を置く法人については、内閣府から主たる事務所の所在地の都道府県に、1の政令指定都市の区域の未に事務所を置く法人については、都道府県から政令指定都市にそれぞれ所轄庁が変更になりました。
→認定事務も所轄庁で行います(国税庁による認定制度は廃止)。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

新しい親権制限の制度

2012-02-06 15:16:19 | 法改正
初めまして。秋葉原で司法書士・行政書士事務所を開設している海老根と申します。これから、法改正など役に立つ情報等を中心にブログを更新していきたいと思っています。よろしくお願いします。


本日は、今年の4月1日に施行される民法等の一部改正(新しい親権制限の制度)をご紹介したいと思います。


これは、児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から民法や児童福祉法等が改正されたものです。具体的には、以下のような制度の創設や見直しが行われます。

①親権停止制度の創設
→家庭裁判所は「父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」に2年以内の期間を定めて親権停止の審判をすることができます。

②親権喪失原因の見直し
→家庭裁判所は「父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることによりこの利益を著しく害するとき」に親権喪失の審判をすることができます。従前は、「父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるとき」という要件でしたが、これを緩和したものです。

③管理権喪失原因の見直し
→家庭裁判所は「父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」に管理権喪失の審判をすることができます。従前は、「父又は母が、管理が失当であったことによってその子の財産を危うくしたとき」という要件でしたが、これを緩和したものです。

④親権の停止、親権の喪失等の請求権者の見直し
→子の親族、検察官、子、未成年後見人及び未成年後見監督人、児童相談所長。従前は、子の親族及び検察官(児童相談所長は親権喪失についてのみ請求権を有しました)。

⑤未成年後見制度の見直し
→未成年後見人は複数でも可。法人でも可。従前は、未成年後見人は1人、法人は不可でした。

⑥子の利益の観点の明確化
→民法766条1項で、離婚後の子の監護について必要な事項の具体例として、面会交流や養育費の分担が明示されるとともに、子の監護について必要な事項を定めるに当たっては、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」との理念が明示されました。


従前は、親権の停止という制度がなかったのですが、今回の改正により創設され、どの程度利用されるか注目されます。また、児童相談所長の権限も拡大し、大きな役割を担うものと考えられます。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加