前回からの、つづきです。
鳥羽港近くのセルフスタンドで給油後、このまま海岸線を流すことに決め、目的地と決めた『大王』に向かって走ります。

松島のような、沢山の小島と沢山の入り江。
これが海か?と見まがうような、静かな海面に浮かぶ、小さな漁船。

真珠貝の養殖であろう、池州のような囲いが、あちらこちらに浮いています。
よくよく考えてみたら、今回向かっている『大王』方面の内湾は『英虜湾』と言って、世界的に有名な『御木本パール』発祥地そのもの。産地近辺どころじゃなかったことを、今頃思い出しました。
この時、鳥羽港から続く、パールロードを快走。
途中、高台で伊勢湾を見渡しました。

(アップ画像は、画面をクリック☆)
高台の展望台は、平日ながら結構の人手。(汗)
こんな時くらい、人混みは極力避ける方向で動きます。
展望台じゃない、途中の道すがらに見える光景の方が、より自然な海岸の造形美を映し出しています。ただ、この日は日差しはあったものの、遠くは霞がかかり、遠くまで見渡すには少々難がありました。
それでも十分以上の美しさ。
雄大、ただ雄大。
道も、変に飾らず流してくれるので、快適走行が続きました。

海岸のワインディングを越え、途中『志摩スペイン村』の有料道路を避け、的矢湾と別れを告げました。
国道167号から260号線に入ると、もうボチボチ大王。
『大王崎』と呼ばれる地域へ到達もすぐでした。

この時、12時半頃。
丁度お昼時に到着できたのは、何よりでした。
風光明媚で快適な海岸線ライディングとはいえ、猛烈な暑さと日差しに、私は半分干物になりかけていました。(苦)
気力と精神力と神通力で走ってきましたが・・・あ、同じ意味かしら!?(笑)
とにかく今は、どこか涼しいところで、水分と冷たい食べ物を欲していました。
程なくして、大王崎・波切漁港に到達。

高台に灯台がたたずむ静かな港に入り込み、その辺りの食堂で一息。の、予定でした。
ですが・・・無いじゃない!?
「マジかよ・・・。 こりゃ、もっと半島の先まで行くようかなぁ。」
海産物を売るお店の前で少し途方に暮れていると、一人のおばさんが寄ってきて、私の考えを察したかのように、
「刺身定食、あるよ。 ここの道登って行って、一番奥の灯台の所。 1200円くらい。」
なんと魅力的な言葉。
しかし、完全無欠の貧乏旅行。
バイクに食べさせる燃料には手を抜きませんが、極力抑えたい、快適宿と美食の数々。(泣)
「あ・・・あの・・・もうちょっと庶民的なお店はありませんか?」
するとおばさん、元来た方向を指して、この町にある恐らく唯一の地元民の食堂を紹介してくれました。
あぁ、捨てる神あれば拾う神あり・・・☆
さぁ食事! さぁ休憩!!
喜び勇んで向かってみると、HO! NO!! 休みじゃぁないですか・・・。(号泣)

美味しいけど痛い「刺身定食」を食べることになるのね・・・と少々気落ち。でも、ここから新たに探す気にもなれず、丘の上に見える灯台へ向かう石畳の小道に単車を向けたのでした。
細く長く、くねくねしながら続く、出会いの石畳道。
手押し車を押しながら、ニコニコしてこちらを見ているお年寄りの方々に会釈しながら、ゆっくり単車を登らせました。しかし途中から、観光用の小さなお店が軒を連ね、思ったより道が狭まる様子。

道も結構、急な登り。
いくら単車とはいえ、デカイ図体をここに置いていくのは、地域の方にご迷惑・・・。
と、今度は近くの商店のお婆さんが早口に、
「そこ、端に寄せて置いとけばええ。」
との暖かいお言葉。
謝辞を述べつつ、この先に食事が出来るところがあるか確認し、坂を歩いていきました。

そして、ようやくのこと食堂に着。
この時、すでに13時をまわっていました。
幸いだったのは、刺身定食だけじゃなく、リーズナブルな麺類も有ったこと。
しかも、冷やしうどん。
こんな時は、どんなシンプルな物でも何でも旨く感じます。
頼んで出てきてみれば、錦糸卵に長ネギ・鰹節という相当に簡素な物でしたが、これが胃に滲みました。

タレが濃いめの甘タレで、これがまた疲れた体に効きました。
これで幸せになれるのですから、旅はやめられません。(笑)
食事を済ませ、灯台周りを廻ります。

この辺り、灯台だけかと思ったら、住居も沢山寄せ集まっていました。
異国情緒というか、タイムスリップというか、郷愁というか、不思議な空間。

石畳の小道。
細い階段道。
古ぼけた家々。
主人を失った家々。
この地域の魅力は、こうやってフラフラ歩くだけでも十二分に感じられるのに、何か物寂しい気がするのは、若い住人の姿が見えないこと。
子供の声は、旅行者以外には、この先ほとんど聞くことが出来ませんでした。
高齢化と都市集中の波は、こんな小さな集落にも、確実に影を落としているのを感じるのでした。

とても良い場所なのに・・・。
さて、軽く周辺を見て回り、旅に出て始めてお風呂にありつけました。
500円の出費☆
簡素なうどんといい、小さいながらもお風呂にありつけたことといい、この上ない至福。
疲れはあるものの、まだ少し出掛ける気力が湧いてきました。
「せっかくの湾に沈む夕日、これを見ないでは帰れない。」
そこで、『御座岬』に向かおうとしましたが、ここはあえて、『登茂山』という、キャンプ場もある広場に足を向けました。地図からすると、入り組んだ地形と島々が見えるはずです。そしてこの読みは、素晴らしい形で、私の目の前に現れることになりました。
時間は16時半近く。
青年の家みたいな場所に自販機があることを知り、水分調達。
これをチビチビやりながら、夕日を眺めようと広い駐車場エリアへ向かいます。と、そこには一匹の繋がれたヤギさんが。(汗)

なんで君だけここにいる?
ジュース買っている間に、数台止まっていた車も去り、淋しい淋しい状態に。
「メェェェェ〜」 ・・・声は吸い込まれるばかり。(汗)

(孤独なヤギ君を捨てておけない人、画面をクリック☆)
この後の消息は知りません。
ヤギだって、こんなところに置き去りにされたら、淋しいよね・・・。(苦)
さて、そこからすぐの場所に、眺望素晴らしい広場が。
やはり、絶好の場所は用意されていました。
日が沈むにしたがい、少しだけ人が増えました。
でも、全く気にならない程度。
ただただ、美しく華麗に沈み行く太陽の軌跡に心奪われ、ここへ来た意味をしみじみ噛み締めていました。

(完全保存版的な風景を見たい方、画面をクリック☆)
この旅の理由が、ここに集約されているかのような、至高の自然美。
生きていることの素晴らしさを体感する。
だから、旅行でなく、『旅』はやめられません・・・。
食べる。
お風呂に浸かる。
景色を眺める。
これに匹敵する最大のイベント、
「寝る」
これがフラリ旅には重要な要素。
昨晩は、数時間の睡眠をとある駐車場で過ごしました。
その夜の宿営地は、先程の灯台近くの方々に了承を得た上で、灯台や海原が見渡せる公園の高台に決定!

程近くまで単車を寄せることが出来たので、寝袋やテント、夕食をするためのバーナーなど、小物類の一切を丘に揚げ、小さなランタンで灯りをとり、お湯を沸かします。
食事は簡易。
でも、この日、ささやかな贅沢。
緩やかに暗さを増す海原と、逆に明るさを増す灯台を眺めながら、缶ビールを空けました。
旨い旨い。
何でも旨い。(笑)
今日の夢のような逃避行と、自然の宝石箱との出会い。
地元の人々との交流。
極限まで自由な今の時間・・・。

そして、明日の道程へ想いを馳せ、早々に眠りにつきました。
この時間、なんと21時頃。
ランタン以外の灯り無く、ラジオさえもない。
夜空に広がる満天の星空と、絶え間ない波音だけ。
疲れた体が溶けるような、そんな星空を覗き込みながら眠りにつける贅沢。
テントを持っていきながら、結局寝袋だけで就寝。
自然界にはいろんな障害があるのであまりお勧めはしませんが、この味を知ると、またやってみたくなるものです。(笑)
明日は4時起き予定。
この地から東京まで帰ります・・・。
つづく
鳥羽港近くのセルフスタンドで給油後、このまま海岸線を流すことに決め、目的地と決めた『大王』に向かって走ります。

松島のような、沢山の小島と沢山の入り江。
これが海か?と見まがうような、静かな海面に浮かぶ、小さな漁船。

真珠貝の養殖であろう、池州のような囲いが、あちらこちらに浮いています。
よくよく考えてみたら、今回向かっている『大王』方面の内湾は『英虜湾』と言って、世界的に有名な『御木本パール』発祥地そのもの。産地近辺どころじゃなかったことを、今頃思い出しました。
この時、鳥羽港から続く、パールロードを快走。
途中、高台で伊勢湾を見渡しました。

(アップ画像は、画面をクリック☆)
高台の展望台は、平日ながら結構の人手。(汗)
こんな時くらい、人混みは極力避ける方向で動きます。
展望台じゃない、途中の道すがらに見える光景の方が、より自然な海岸の造形美を映し出しています。ただ、この日は日差しはあったものの、遠くは霞がかかり、遠くまで見渡すには少々難がありました。
それでも十分以上の美しさ。
雄大、ただ雄大。
道も、変に飾らず流してくれるので、快適走行が続きました。

海岸のワインディングを越え、途中『志摩スペイン村』の有料道路を避け、的矢湾と別れを告げました。
国道167号から260号線に入ると、もうボチボチ大王。
『大王崎』と呼ばれる地域へ到達もすぐでした。

この時、12時半頃。
丁度お昼時に到着できたのは、何よりでした。
風光明媚で快適な海岸線ライディングとはいえ、猛烈な暑さと日差しに、私は半分干物になりかけていました。(苦)
気力と精神力と神通力で走ってきましたが・・・あ、同じ意味かしら!?(笑)
とにかく今は、どこか涼しいところで、水分と冷たい食べ物を欲していました。
程なくして、大王崎・波切漁港に到達。

高台に灯台がたたずむ静かな港に入り込み、その辺りの食堂で一息。の、予定でした。
ですが・・・無いじゃない!?
「マジかよ・・・。 こりゃ、もっと半島の先まで行くようかなぁ。」
海産物を売るお店の前で少し途方に暮れていると、一人のおばさんが寄ってきて、私の考えを察したかのように、
「刺身定食、あるよ。 ここの道登って行って、一番奥の灯台の所。 1200円くらい。」
なんと魅力的な言葉。
しかし、完全無欠の貧乏旅行。
バイクに食べさせる燃料には手を抜きませんが、極力抑えたい、快適宿と美食の数々。(泣)
「あ・・・あの・・・もうちょっと庶民的なお店はありませんか?」
するとおばさん、元来た方向を指して、この町にある恐らく唯一の地元民の食堂を紹介してくれました。
あぁ、捨てる神あれば拾う神あり・・・☆
さぁ食事! さぁ休憩!!
喜び勇んで向かってみると、HO! NO!! 休みじゃぁないですか・・・。(号泣)

美味しいけど痛い「刺身定食」を食べることになるのね・・・と少々気落ち。でも、ここから新たに探す気にもなれず、丘の上に見える灯台へ向かう石畳の小道に単車を向けたのでした。
細く長く、くねくねしながら続く、出会いの石畳道。
手押し車を押しながら、ニコニコしてこちらを見ているお年寄りの方々に会釈しながら、ゆっくり単車を登らせました。しかし途中から、観光用の小さなお店が軒を連ね、思ったより道が狭まる様子。

道も結構、急な登り。
いくら単車とはいえ、デカイ図体をここに置いていくのは、地域の方にご迷惑・・・。
と、今度は近くの商店のお婆さんが早口に、
「そこ、端に寄せて置いとけばええ。」
との暖かいお言葉。
謝辞を述べつつ、この先に食事が出来るところがあるか確認し、坂を歩いていきました。

そして、ようやくのこと食堂に着。
この時、すでに13時をまわっていました。
幸いだったのは、刺身定食だけじゃなく、リーズナブルな麺類も有ったこと。
しかも、冷やしうどん。
こんな時は、どんなシンプルな物でも何でも旨く感じます。
頼んで出てきてみれば、錦糸卵に長ネギ・鰹節という相当に簡素な物でしたが、これが胃に滲みました。

タレが濃いめの甘タレで、これがまた疲れた体に効きました。
これで幸せになれるのですから、旅はやめられません。(笑)
食事を済ませ、灯台周りを廻ります。

この辺り、灯台だけかと思ったら、住居も沢山寄せ集まっていました。
異国情緒というか、タイムスリップというか、郷愁というか、不思議な空間。

石畳の小道。
細い階段道。
古ぼけた家々。
主人を失った家々。
この地域の魅力は、こうやってフラフラ歩くだけでも十二分に感じられるのに、何か物寂しい気がするのは、若い住人の姿が見えないこと。
子供の声は、旅行者以外には、この先ほとんど聞くことが出来ませんでした。
高齢化と都市集中の波は、こんな小さな集落にも、確実に影を落としているのを感じるのでした。

とても良い場所なのに・・・。
さて、軽く周辺を見て回り、旅に出て始めてお風呂にありつけました。
500円の出費☆
簡素なうどんといい、小さいながらもお風呂にありつけたことといい、この上ない至福。
疲れはあるものの、まだ少し出掛ける気力が湧いてきました。
「せっかくの湾に沈む夕日、これを見ないでは帰れない。」
そこで、『御座岬』に向かおうとしましたが、ここはあえて、『登茂山』という、キャンプ場もある広場に足を向けました。地図からすると、入り組んだ地形と島々が見えるはずです。そしてこの読みは、素晴らしい形で、私の目の前に現れることになりました。
時間は16時半近く。
青年の家みたいな場所に自販機があることを知り、水分調達。
これをチビチビやりながら、夕日を眺めようと広い駐車場エリアへ向かいます。と、そこには一匹の繋がれたヤギさんが。(汗)

なんで君だけここにいる?
ジュース買っている間に、数台止まっていた車も去り、淋しい淋しい状態に。
「メェェェェ〜」 ・・・声は吸い込まれるばかり。(汗)

(孤独なヤギ君を捨てておけない人、画面をクリック☆)
この後の消息は知りません。
ヤギだって、こんなところに置き去りにされたら、淋しいよね・・・。(苦)
さて、そこからすぐの場所に、眺望素晴らしい広場が。
やはり、絶好の場所は用意されていました。
日が沈むにしたがい、少しだけ人が増えました。
でも、全く気にならない程度。
ただただ、美しく華麗に沈み行く太陽の軌跡に心奪われ、ここへ来た意味をしみじみ噛み締めていました。

(完全保存版的な風景を見たい方、画面をクリック☆)
この旅の理由が、ここに集約されているかのような、至高の自然美。
生きていることの素晴らしさを体感する。
だから、旅行でなく、『旅』はやめられません・・・。
食べる。
お風呂に浸かる。
景色を眺める。
これに匹敵する最大のイベント、
「寝る」
これがフラリ旅には重要な要素。
昨晩は、数時間の睡眠をとある駐車場で過ごしました。
その夜の宿営地は、先程の灯台近くの方々に了承を得た上で、灯台や海原が見渡せる公園の高台に決定!

程近くまで単車を寄せることが出来たので、寝袋やテント、夕食をするためのバーナーなど、小物類の一切を丘に揚げ、小さなランタンで灯りをとり、お湯を沸かします。
食事は簡易。
でも、この日、ささやかな贅沢。
緩やかに暗さを増す海原と、逆に明るさを増す灯台を眺めながら、缶ビールを空けました。
旨い旨い。
何でも旨い。(笑)
今日の夢のような逃避行と、自然の宝石箱との出会い。
地元の人々との交流。
極限まで自由な今の時間・・・。

そして、明日の道程へ想いを馳せ、早々に眠りにつきました。
この時間、なんと21時頃。
ランタン以外の灯り無く、ラジオさえもない。
夜空に広がる満天の星空と、絶え間ない波音だけ。
疲れた体が溶けるような、そんな星空を覗き込みながら眠りにつける贅沢。
テントを持っていきながら、結局寝袋だけで就寝。
自然界にはいろんな障害があるのであまりお勧めはしませんが、この味を知ると、またやってみたくなるものです。(笑)
明日は4時起き予定。
この地から東京まで帰ります・・・。
つづく













