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【HisaeとSizu】10-2

2017-02-22 | スピリチュアル
2.「Sizuちゃん」

Hisaeは久々に渋谷の街に出た。いつ来ても渋谷って若者の
パワーが凄いところなのね。

ここも日本か・・・嗚呼、田舎が懐かしいな~~何故か渋谷に来るといつも思い出す。

Hisaeは群馬県は赤城山の麓、富士見村という田舎で生まれ育った。
東京に憧れ、上京したのは18歳の時。東京の街は全てが新鮮だった。


なんで・・・なんで?今だ独身なわけ???私って変??
渋谷に来るたび、毎回同じ思いが頭を過ぎる。

スペイン坂の辺りを歩いていると女性と軽く手が接触した。

「あっ、すいません」30歳前後くらいの女性?だった。

「いえ・・・」Hisaeはそのまま立ち去ろうとした。

「チョット待って下さい」その若い女性?・・・らしき?が話しかけてきた。

「なに?」

「いえ・・ってそれだけなの?」

Hisaeはその女性を凝視して言った「???なにが?」

「なに??このオバハン」

禁句の言葉を云ってしまった。

「今なんて云った?」

「オバハンって言ったの。それが何か?・・・ふんだ・・・」

「オバハンって誰のこと?」

「あなたでぇ~~す」

「???おかしいオカマ・・・」

「なにそれ・・・頭にきた。誰がオカマよ!」

「誰がって、あんた以外ここにオカマいないよ?」

「そんなこと言ってるから彼氏出来ないのよ」

「オカマに言われたくない」

「だから今だにHisae姉さんは独身なのよ」

「要らぬお世話だよ、あんただって今だに片乳だろうが。えっ・・・片乳のエバさんよ」

そう、二人は知り合いであった。

「Hisae姉さん、久しぶり~~」

「久しぶりだね~~相変らず片乳なのかい?」

「そう片乳で~~す。たぶんこの先もずっとカタチチ・・・」

「何年ぶりだいネ?」

「私が池袋店に移った頃だから・・5年ぶりかしら?」

そう、Hisaeはスナック「オネェの髭」の常連だった。
エバが池袋店に移るまで、二人は毎週六本木で朝まで飲み明かす仲だった。

二人は喫茶店に入って話し始めた。

「姉さん元気してたの?」

「あったりまえよ。誰だと思ってるの?」

「あ~~変わってな~~~い。受ける~~」

「なんだい、そのコギャルみたいな話し方は?」

「コギャルだって~~~。久々に聞いたっていうか、それ何十年前の言葉なの?」

「うるせっ。それより急にどうした?」

「姉さん、私より男臭い・・・」

「エバてめぇ・・・帰るぞ」

「メ・ン・ゴ~~~」

「エバ・・・お前も十分古いよ・・・」

なかなか話しが先に進まない二人である。

エバが話し始めた「実はね、店の客なんだけどチョット変わったタイプ
の女の子がいるの。

私との何気ない会話の中で、その娘が急に『私、目標にしてる人がいて、
小説を書いてる』っていうのよのね。そしてこうも言ったのよ。

『その人はHisaeっていう人なの』って。

それを聞いた時、正直ビックリしたわ・・・

そのHisaeは私の知り合いよって言いたかったけど少しこらえたの。

何処がいいの?って聞いたら『わからないけど、良い』って言うのよ。

当然、何でそう思うの?って聞いたのね。

『私、分るんです』って答えたので、思わずその娘を透視してみたの。
そしたらその娘のガイドが現われて黙ってうなずいたのよ。

で、Hisaeさんを紹介しようかどうか迷って、気が付いたら電話し
てたの。以上・・・どう思う?」

「べつに紹介したっていんじゃないの?」

「いいの?」

「だって・・・金貸せとか恨みがあるとか、そんな事じゃないんだから、
べつにかまわないでしょが」

「えっ本当に?・・良かった!実は今日、連れて来てるの。紹介するね」

エバは言い終わるか終わらないうちにメールを打ち始めた。

「あんたねぇ、そういう事は早く言いなよ」

5分ほどで女の子がやってきた。

現代ではチョットこころなしかお地味な・・・どちらかというと昭和の
ファッションという感じの娘だった。

「わたしSizu・・・なのだ」

「こんにちわ、わたしエバの友達のHisaeです・・・」

「エバさんに知り合いだって聞いてびっくりしたのだ。
Sizu会わせて下さいって言った。夢が叶いました。
会ってくれてありがとうございます・・・なのだ・・・
じゃぁ、さようなら・・・なのだ」

そのまま席を立って歩き出した。

Hisaeはコーヒーカップを持ち上げた手が途中で固まってしまった。

そして、エバに目線を向けた。

エバは笑顔で手を振り、Sizuを見送っていた。

「エバ・・・今、何かあったっけ?」

「ごめんなさい、姉さん。説明が足らなかった」

「足らないっていうよりも・・・今のなに?・・・なにがあったの?」

「Sizuはサバン症候群なの。でも全然、軽度の障害で、普通に
印刷会社にお勤めしてるOLさんなのよ」

「なんで?エバの店にSizuちゃんが出入りするのよ?」

「最初は会社の飲み会で連れてこられたのよ。その時、どういう訳か
私と話が合ったっていうか同調したっていうか姉さんならわかるでしょ?
その後、何度か会社の飲み会には彼女も参加するようになったらしいの、
私に会いたい一心で・・・」

「それって怖いもの見たさから?」

「おい、Hisae・・・こら・・・だから、一次会など他の店では
ほとんど無言なんだって。私の店に来たら、私とは沢山話しするのに。

去年の忘年会の時、二次会、うちの店じゃなかったのね。
そしたら翌日、会社を無断で休んだらしいのよ。
オネェの髭に来られない事で彼女ひねくれたらしいの」

「そうなんだ・・・で、なんで私の事を知ってるの?」

「ネットで妖怪を調べていてリンクしたらしいのよ。それで姉さんの
ブログが彼女の目に止まり是非会いたい。エバ知ってるっていう具合」


「なるほど・・で、なんで妖怪からHisaeにリンクするわけよ?」


「妖怪と共通する何かを姉さんのブログが持ってるのよ・・・きっと・・・」

「なるほどね・・・納得したわ。・・・するか馬鹿野郎。
エバ表に出ろオラ・・・。でも、会った瞬間帰るってどういう事?」

「たぶん一瞬で姉さんの事、見抜いたか・・・姉さんに会う事だけが目的だったと思う」

「私の何をどう見抜くっていうのよ?」

「そこがSizuちゃんなの。私達凡人には理解出来ない世界かも」

「なにが凡人よ。エバは凡人というより奇人。で、私は天才Hisae」

「奇人?・・・相変らず姉さんと会話してると面白い」

「私もSizuちゃんに興味持ったかもしんない。ねぇ、もう一度
電話してここに呼びなよ。なんかこのまま別れるの、もったいない・・・」

「そうね、私も姉さんとSizuちゃんの会話を見てみたい」


 そして三人は場所をカラオケBOXに移し酒を飲んだ。

Hisaeが切り出した「Sizuちゃんはなんで私に興味を持ったの?」

「ブログが綺麗だったから・・・なのだ」

「あっ、そう・・・ありがとうね。で、どういうところが?」

「形・・・なのだ」

「あっお姉さん、言い忘れたけど彼女、私達と似たような能力を持ってるの。
Sizuちゃんは意識の形が視えるの。
たぶん、ブログから姉さんの持ってる意識の形が視えたんだと思うよ」

「なるほど、あんたも片乳なのかい?」

「おいHisaeこらっ・・・」

「そう言うことか。へ~~え面白い能力持ってるのね・・・」

「・・・・・」

「それと、Sizuちゃんは質問には答えるけど、自分から他人に
質問しないから。ねぇSizuちゃん」

「なのだ・・・」

「へぇ~~ブログが綺麗か・・・初めて云われたよ」

「私なんか初対面の時、オネェさん?お兄さん?どっち?って聞かれたのね。
だからお姉さんですって少し強めに云ったのよ。

そしたら『半分なのだ』って笑い出したのよ。失礼でしょ?
でもSizuちゃんは気持ちに裏表が無いから好きなのよ」

「Sizuちゃんには目には映らない感覚が視えるのね。
Hisaeもファンになりそう・・・」

「でしょ?私もすぐSizuちゃんんファンになったの。
そんなSizuちゃんの口から姉さんのHisaeっていう名前が出た
時は本当に驚いたわ。二度ビックリよ・・・これって絶対何かの運命って
感じたの。早く姉さんに会わせたかった」

Sizuは二人の会話を楽しそうに聞いていた。
そしていきなり「二人、仲良くやれよ。・・・なのだ」

Hisaeとエバはコケながら大笑いした。

その時いきなりスピーカーが鳴りだした。

誰も曲をセットしてなかったのに、スピカーからイントロが流れ出した。
ベートーベンの第九交響曲合唱だった。

エバが曲を止めようとリモコンに手を伸ばした瞬間、Hisaeが
その手を制止させ、Sizuを見ろと目配せをした。

視線の先にはマイクを持ったSizuの姿があった。

Sizuは淡々と歌い始めた。しかも流暢なドイツ語で歌っていた。

Sizuのカラオケを聴いた事が無かったエバは、ただ呆気にとられ、
目にはうっすらと涙まで浮かばせていた。

歌い終えたSizuに二人は大きな拍手を送った。

エバが「あんた、どこでその曲、覚えてきたのよ?店では一度も歌った事、
無いのに・・・凄いよ・・・」

「CD聞いたのだ」

Hisaeが「Sizuちゃん、他にも何か歌ってよ」

Sizuは気を良くしたのか続けて3曲アニソンを熱唱したが調子が
外れていた。つまり音痴だった。

聞いていた二人は何故第九だけが上手に歌えたのか、その時は知るよしも無かった。


 それから数日が過ぎ、Hisaeのもとにエバからメールが届いた。

「姉さん、先日はご馳走様でした。あの後Sizuからメールが来て、
またHisaeさんに会いたいと書いてありました。
この前は本当に楽しかったみたいです」

「OK、私のPCメール教えてあげてちょうだい。よろしく。Hisae」


数日後、PCにSizuからメールが届いた。

「Hisaeへカラオケ楽しかった。また行こう・・なのだ」

か~~色気も何にもねえSizuちゃんらしい文だこと。

「OK!また行こうね Hisae」そう返信した。

返事が来た「いつ行きます?・・・なのだ」

「そのうち行こう」

「そのうちって??・・・いつなのだ?」

勘弁してけろ~~~
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