僕の詩集

詩を投稿しております。我流ですが、読みやすいと思います。よろしくお願いします。

僕の詩の解説No.180【 茶色い空缶 】

2016-11-26 10:40:03 | 詩の解説
  (再掲載)

 僕の詩集 No.180
  1994.5.4.作

【 茶色い空缶 】

     にのみや あきら

嵐のようなラッシュアワーが      終った電車の中
車内に緊迫した静寂が漂う
床の上に行き先に迷った
       茶色い空缶が
あっちへゴロゴロ
こっちへゴロゴロ
だが、誰も助ける気配はない
気にはしているがどの乗客も      冷やかな目付き
乗客どうしが目を合わせ
     冷やかな含み笑い
ドアが開き新しい乗客が
  空缶に気づかず蹴飛ばす
カーンー
車内いっぱいに鈍い金属音が        響きわたる
これまで気づかなかった
        乗客たちも
何事が起きたのかと音に注目
期待外れの出来事に
       誰もが失望
蹴られた空缶は
行き先を見失った
   ビリヤードの玉のよう
ゴロゴロ ゴロゴロ
あっちにぶつかり
     こっちにぶつかり
ふらりふらり
気づいた乗客は
毛嫌いするかのように
       空缶を避ける
やがて空缶は
若い女性の足元へ落ち着く
汚らわしいものにでも
   近付かれたかのように
空缶から逃れようと
女性は急いで席を替える
電車のスタートで空缶は
スルスルと車輌の後部へ移動
座席で競馬新聞を読んでいる       アンちゃんの
ピカピカの靴に当たって
          止まる
アンちゃんは空缶など
       相手にしない
真剣に新聞に顔を
      突っ込んでいる
蹴飛ばされない内に
    と空缶は別の場所へ
静かに転がる空缶を
    若いサラリーマンが
道を開けて通してやる
急ブレーキで生き返った
          空缶は
はしゃぎながら車輌の
       前部へ急突進
そして別の乗客の好奇心を
          そそる
役目の終わった
  茶色いコーヒーの空缶の
切ない切ない独り旅


 NO.180.【茶色い空缶】
          の解説

 この詩は、終電に近い電車の中での出来事です。終電前の乗客のまだ少ない車内の床の上に、コーヒーの空缶が転げていて、それが、とんでもないひと騒ぎな事をするのです。空缶の騒ぎは、詩の通りです。
 この空缶の状態を見ていると、なにか、自分の姿を見せつけられているようで、その衝動に駆られて創った詩です。

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