長引くせきに悩まされるという方はいませんか?
実は秋はぜんそくの発作を起こす人が増えるシーズンです。
子どもの病気と思われがちですが、大人で発症する人も多く、この10年で
患者数は2倍に増加、年間およそ2千人が亡くなっています。
秋は空気が冷たくなったり、ダニの死骸が増えたりと発作が起きやすい
要注意の時期です。長引くせきがサインになることが多いですが、「ぜんそく」の
診断は医師でも難しいのが現状です。
そんな中、診断のヒントになる「呼気NO検査」という新たな検査が今年から
保険適用となり注目されています。さらに、ぜんそくが重症化する背景に、
薬(ステロイド剤)をやめてしまうという事があげられます。
●サインの一つは長引くせき?!
8週以上にわたってせきが続くようなケースの場合は、慢性的な病気が隠れて
いることが考えられ、そのうちの半分はぜんそくの可能性が高いそうです。
しかし、せきと一口に言ってもさまざまな原因が考えられ、感染症や最近増えて
いる逆流性食道炎というなどといった病気の可能性も否定できません。
◎長引くせきのチェックポイント
(1)“たん”が白い
(2)熱が出ていない
(3)せきのタイミングが決まっている
(4)毎年決まったシーズンに出る
●長引くせきを判定する呼気NO検査
呼吸の中の一酸化窒素量の割合を測ることで、ぜんそく患者特有の気道の
炎症があるかどうかをみる検査です。気道にぜんそく特有の炎症があると
一酸化窒素を多く産出するので、その量を測ることで、炎症があるかどうかを
見ることができます。
現在全国で200か所ほどで普及しており、今年保険適用を受けたことから、
さらに普及していくと見られています。
(注)現在呼気NO検査を実施しているのは、クリニックでは少なく、大学病院や総合病院がほとんどです。もし受けたいという方は、お近くの大学病院や総合病院などに問い合わせてみて下さい。
●自己判断でやめないで“吸入ステロイド”
ぜんそく患者さんの多くが処方される吸入のステロイド。毎日吸入することで、
気道の炎症を抑える薬です。しかし、この薬、医師の判断ではなく自分で勝手に
やめてしまい、症状を悪化させる人が多いといいます。
せきなどと言った苦しい症状が薬によって一時的に治まると、気道に炎症が
残っているのにも関わらず薬をやめてしまう人が多いのですが、炎症は治って
いないので、また発作を起こしてしまうのです。そうして発作を繰り返してしまうと、
空気の通り道が非常に狭くなってしまい、より重い発作を起こしてしまうように
なるのです。
副作用が怖い、というのでなかなか毎日症状がないのに吸えないという人も
いますが、先生によると、多くが肝臓で分解されるので副作用は少ないとの
こと。それよりも、吸入をやめて重い発作をおこす方が危険だといいます。
自分がいまどんな薬をなんのために使っているのか、ぜんそくの治療には
患者の自主的な参加が大事だと言われています。
(2013年9月4日 あさイチ)