アナーキー小池の反体制日記

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#1862 当用漢字と常用漢字

2016年02月08日 | ボクの思い・信条・理念
ボクたちは学校の国語の漢字は、もっぱら当用漢字を学んだのです。
終戦直後の昭和21年に定められたもので、「当用漢字表」に掲載された1850の漢字以外は使われなくなったのです。
いろんな不都合が起きました。
例えば障碍者、碍という字は当用漢字に含まれなかったため、障害者と表記されることとなってしまったのです。
そして近年、害という字は用いるべきでないとして"障がい者"と表記されるのです。
例えば斡旋、当用漢字にないので"あっせん"と表記されます。
あっせん利得処罰法ってありますが、それはやっぱり斡旋利得処罰法でなくては悪くどさが軽減されてしまいます。
ボクは本来の意味がそがれたり失われてしまうと感じるときは、漢字表を無視します。
障碍者や斡旋などと記すことにしています。

ところで当用漢字の「当用」は「将来はわからないが、しばらくのあいださしあたって用いる」の意味があります。
戦争前から漢字をどうするか、いろいろな議論があったようです。
漢字は数が多く学習に困難であるから制限または廃止すべきであると主張するもの。
漢字の濫用が軍国主義復活につながると主張し、実際に、文部省を中心に常用漢字表による用字制限などを試みるものなど。
あげく、戦後連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) の占領政策となった国語国字改革のもと、簡素化と平明さを目指して、あっという間に策定されたものです。

GHQにはほかの思惑もあったようです。
漢字を廃止してローマ字表記にしてしまえ1というものです。
当用漢字の当用には、アメリカのそのような思惑が込められていたというのです。
「将来はわからないが、しばらくのあいださしあたって用いる」けど、いずれローマ字表記にする、って。

ローマ字表記されなくて良かったです。
ボクは漢字が好きです。
中国から渡ってきた借り物だとしても、すっかり日本人の感性に溶け込んでいます。

1981年(昭和56年)常用漢字表が告示されたのに伴って当用漢字表は廃止されました。
ローマ字表記をようやくあきらめたようです。

1981年の当用漢字表の廃止以降は書き換えに強制力はなくなりましたが、現在においても公文書をはじめとした用字の指針となっている現状です。
ボク個人としては、本来の漢字には奥深い意義があり、それを知った上で、もっと自由に利用できるようにしたほうがいいと思うのです。
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