8月2日 滋賀県近江八幡市 市立総合医療センター
PFI事業について
平成18年10月に、本格的なPFI事業として開院した市立総合医療センターが、1年足らずで大幅な赤字になっていることが明らかになった。
PFI事業の前は、自治体病院としては大変優秀で、ずっと黒字経営だった。
平成19年12月に「近江八幡市立総合医療センターあり方検討委員会」を設置して、PFI事業の見直しを行った。
契約解除の違約金の交渉も職員が行い、大幅に減額させた。3年で契約を解除し、黒字経営になった。
<PFI事業の問題点>
・長期契約のリスク:金利の変動などがあるので、いつでも契約内容を見直すことができないと、余分な負担をすることになる。
・VMFの適切な評価:行政側は、コンサルタントが出してきたVMFを契約前に評価するのは困難である。本当に良かったかどうかは30年後にしかわからないし、社会情勢が大きく変わるときに予測不能である。
・PFIは、病院事業にはなじまない:診療報酬の改訂など、不確定要素が多いし、SPC(特定目的会社)に病院運営の知見がなかったので、再委託することになり、費用がかさむことになった。総額(定額)契約では民間のインセンティブが引き出せないし、モニタリングも困難である。
桑名市の図書館等の複合施設についても、10年経過したので、本当に適切なのか、検証と評価をする必要があると思った。