■幾何学模様?カリフラワー/黒っぽいキャベツ/明るいニンジン
幾何学模様のようなカリフラワー、丸くなくて黒っぽいキャベツ、明るい色のニンジン…。こうしたカラフルで見慣れぬ野菜が食卓に浸透している。見た目や味の新鮮なこうした野菜を毎日のサラダや料理にアクセントとして盛り込むことで、「家庭の新しい彩りになり、食生活をより楽しめる」と生産者や加工業者はアピール。見た目は不思議でも、一度は試す価値あり!?(草下健夫)
◆情報いち早く
「ロマネスコは普通のカリフラワーよりしっとりしたコク。カーボロネロはキャベツを濃くしたような味…。イタリア野菜でもあえて和食に入れたりと、工夫次第で料理の幅が増え、楽しみが広がるはずですよ」
千葉県船橋市の「石井農園Erdbeere」の石井利幸さん(30)は、自ら栽培したイタリア野菜を直売所で販売している。
きっかけは3年ほど前に石井さんがドイツに留学した際、現地の朝市で、日本では珍しい野菜の数々に出合ったことだった。「将来は飲食店を出すのが夢で、そこで使う野菜を自分で賄いたい」との思いから作り始め、直売に出すようになった。「見慣れない野菜なので、できているかは海外の友達にメールで写真を見せて聞いたり、旅行先の市場で見て確かめる」
車で買いに来る一般客のほか、レストランから注文が来たり、買いに来るようになっているという。
石井さんはとりわけ、情報入手に注力する。「テレビなどメディアに出たら、その野菜はもう遅い。良い情報を早く入手して、形や色、味の面白いものを仕掛けていきたい」
◆サラダでアピール
スーパーの店頭にも変化が現れた。パッケージサラダを手がける「サラダクラブ」(東京都府中市)では、平成19年から「金美(きんび)人参」を混ぜたサラダを春限定の商品として販売している。
金美人参は、一般的なニンジンより明るい黄色で、甘みが強くてやわらかいのが特徴。食べやすさからヒット商品になり、同年は販売終了を1週間繰り上げたという。その後は契約生産地を増やすなど増産し、今年は「10品目のサラダ 金美人参ミックス」など2品を販売している。
同社はこのほか、中身が赤く珍しい「紅芯大根」や、有名でも生で食べることの少なかったゴーヤーやホウレンソウ、白菜などをサラダに取り入れてきた。「さまざまな野菜を生で食べる提案を食卓にしています。珍しい野菜は単体では買いにくいが、まずサラダで試してもらいたい」と商品部原資材調達チームの杉本紀子さん。
中国野菜の「サイシン」とブロッコリーを掛け合わせたのが「はなっこりー」。花茎が長く、サイシンとブロッコリーの中間の形だ。平成4年に山口県農林総合技術センター(旧山口県農業試験場)の品種改良で誕生。近年は東京や大阪などにも出回っているという。「茎も葉も食べられ、やわらかくて苦みがなく子供も喜ぶ」と、同センター技術指導室の藤本貴久さんはアピールする。
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■野菜食べない傾向に
農林水産省の統計によると、国民1人当たりに供給されている野菜(残飯含む、キャベツの芯(しん)など食べられない部分を除く)は昭和60年度に年間111・7キロだったが、その後は減少傾向が続き、平成20年度には94・2キロまで減少した。
また、「厚生労働省平成20年国民健康・栄養調査」では、世代別の1日当たり野菜摂取量は、20~29歳が244・6グラムなどと若年層で少ない一方、60~69歳が349・9グラムなどと、50歳を境に中高年が多い結果に。日本人が“野菜を食べない”国民になりつつある傾向を示している。
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