第八芸術鑑賞日記

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ブラッド・ダイヤモンド(4/7公開)

2007-05-05 10:37:10 | 07年4月公開作品
 4/28、新宿ミラノにて鑑賞。7.5点。
 昨年の『ナイロビの蜂』を思い出させるような、非常に良質な社会派エンターテイメント。先進国の小金持ちが喜んで買い求める宝石の裏には、原産国での悲惨な内情があった……という業界の暗部を暴く社会派的な背景のもと、広大なアフリカを舞台にした一大活劇が繰り広げられる。
 テーマの深刻さと矛盾なく娯楽性がしっかり追求されているあたり、二週前に公開の『ブラックブック』とも共通する。このレベルの作品が続出するというのは素晴らしいことだ。
 143分という長尺(これも『ブラックブック』とほぼ同じだ)を意識させないテンポのよさ。ダイヤ業界に関する説明をさりげなく、しかも手際よく上手い具合に前半で済ませ、後半はひたすらアクションとドラマで引っ張っていく。観客に意図が伝わりすぎるくらいに性質の描き分けられた三人の主要登場人物も、それぞれキャラクターの強さで画面を作り上げられる力がある。また、ダイヤを密輸する際に生きているヤギの皮の下に縫いこんでおくといった細部のリアリティが、作品に厚みを与えている。そして、アフリカの広大さをフィルムに焼きつけたロケ撮影が最高に素晴らしい。
 それからこの映画で何より記憶に残るのは、クライマックスの場面、丘(山か?)でディカプリオが腰を下ろし天を仰ぐショット、その構図の一枚絵としての見事さである。「いい映画を観た」というときに、その印象と共に鮮烈に記憶に残っているショットがあるかどうか、それが決定的に重要な意味を持っている。その意味では、ラストシークエンスがあまりにも美しかった『ナイロビの蜂』とやはり共通する。
 監督のエドワード・ズウィック(『ラストサムライ』など)は作家主義的に語られることの少ない人だと思うが、ある意味でそれが『ブラックブック』との最大の違いだろう。悪くいえば「普通」の作風でつまらないのだが、観ていて変に引っかかるというようなところがなく、妙な作為を感じさせないので、このような社会派エンタメを撮る上では最適の演出をしている。堅実な作りゆえの力強さに溢れており、「軽さ」が無いのだ。
 主演のディカプリオもいい(なお、『ディパーテッド』ではなくこちらでオスカーにノミネートされている)。
 鑑賞後、実に満足した気分になれる秀作。
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