昨日の夜は、アニメーション映画『屍者の帝国』のDVDを観ていました。
時代は架空の19世紀末。
ヴィクター・フランケンシュタイ博士の実験から約100年後の世界では、死者にネクロウェアと呼ばれるソフトをインストールして兵士や労働者として使役させる「屍者」が一般化していた。
主人公のジョン・H・ワトソンは英国の諜報員として、アフガニスタンの山奥で屍者だけの国を建設していると噂のあるアレクセイ・カラマーゾフとの接触を命じられ、アフガニスタンの奥地に向かう……。
原作は、鬼才にして天才・伊藤計劃が未完のまま遺した『屍者の帝国』の構想を円城塔が引き継いで書いた同名の小説です。
スチームパンクです。
でもって、魂とは? 生/死とは? 意識とは? 言葉とは? 神とは? 命とは? 人間とは? そんなお話です。
登場人物達の多くが実在の人物であったり物語の中の有名人であったりして楽しいです。
伊藤計劃が構想していた物語は死を見つめて死の先にあるものを夢想し希望を見出そうと祈るような気持ちで幻視したものであったのだろう。と私は勝手に想像してしまうのです。
円城塔が伊藤計劃の死で頓挫した小説『屍者の帝国』を引き継いだことで、当然、物語は変質します(それが悪いことであるとは私は思いません)。
この物語は、友人の死に対して生者が死者の友人に語りかけ対話を求める物語です。そして亡き友人に哀悼の意を表する物語です。
面白かったですよ。
楽しめました。