永子の窓

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蜻蛉日記を読んできて(188)その1

2017年05月05日 | Weblog
蜻蛉日記  下巻 (188)その1  2017.5.5

「来そめぬれば、しばしばものしつつ、同じことをものすれど、『ここには、御許されあらんところよりさもあらん時こそは、わびてもあべかめれ』と言へば、『やんごとなき許されはなりにたるを』とて、かしがましう責む。『この月とこそは殿にもおほせはありしか。廿よ日のほどなん、よき日はあなる』とて責めらるれど、助、寮の使ひにとて祭にものすべければ、そのことをのみ思ふに、人はいそぎの果つるを待ちけり。御禊の日、犬の死にたるを見つけて、いふかひなくとまりぬ。」

◆◆右馬頭は一度来てからは、しばしば姿を見せて、同じことを繰り返し言うけれど、「こちらでは、お許しの出るところからお話がございましたなら、辛くてもそうしなければならないでしょうが、」といいますと、「大切なお許しはもう頂いておりますのに」と言って、やかましく急き立てます。「この月に、と、殿にも仰せがありました。二十日過ぎごろに吉日があるようです」と言って、責められるけれど、助が、右馬寮の使者に立つということで、賀茂祭にでることになっているので、そのことにばかりに気持ちがいっているので、右馬頭はそれが早く過ぎるのを待っていました。禊の日、助は、犬の死んでいるのを見てしまって穢れに触れたということで、残念ながら使者の役は中止になってしまいました。◆◆


■犬の死にたるを見つけて=犬の死穢に触れ、その穢忌により祭事への参加を辞退する。
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