永子の窓

趣味の世界

蜻蛉日記を読んできて(197)

2017年06月10日 | Weblog
蜻蛉日記 下巻(197)  2017.6.10

「又の日も、まだしきに、右馬頭は『昨日はうそぶかせ給ふことしげかんめりしかば、えものもきこえずなりにき。いまのあひだも御暇あらば、おはしませ。上のつらくおはしますこと、さらにいはんかたなし。さりとも命侍らば世の中は見給へてん。死なば思ひくらべてもいかがあらん。よしよしこれは忍びごと』とて、みづからはものせず。」

◆◆翌日も朝早くに、「昨日はお宅では歌などを吟じられて盛んに楽しんでいらっしゃったようでしたので、何も申し上げずじまいになってしまいました。今さしあたってお暇でしたらお出でになりませんか。御母上の冷たい態度でいらっしゃるのは、どうにも申し上げようもありません。それでも命がありましたら、きっと結婚できるでしょう。死んでしまいましたらどんなに姫君を思ってもどうにもなりません。いやいやこれは内緒ごと」と言ってきて本人の右馬頭は姿を見せません。◆◆



「又二日ばかりありて、まだしきに『とくきこえん、そなたにまゐり来べき』などあれば、
『はやうものせよ。ここにはなにせんに』と出だし立つ。例の『何事もなかりつ』とて帰りきたりぬ。」

◆◆その後二日ほどして、早朝に助に「急いで申し上げたいので、そちらへまいりましょうか」と言ってきたので、「あちらへ早く行ってらっしゃい。こちらに来られてもどうしようもありませんから」と言って出立させました。また例のように、「何もございませんでした」と言って、助が帰ってきました。◆◆

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