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蜻蛉日記を読んできて(185)

2017年04月24日 | Weblog
蜻蛉日記  下巻 (185) 2017.4.24

「三月になりぬ。かしこにも女方につけて申しつがせければ、その人の返りごと見せにあり。『おぼめかせたまふめればなむ。これかくなん殿のおほせはべめる』とあり。見れば、『<この月、日悪しかりけり。月立ちて>となん、暦御覧じてただ今ものたまはする』などぞ書いたる。いとあやしう、いちはやき暦にもあるかな、なでふことなり、よにあらじ、この文かく人の空言ならんと思ふ。」

◆◆三月になりました。右馬頭は兼家宅にもあちらの女房を頼って、養女の件を取り次がせていたので、その女房の返事を見せに寄こしました。右馬頭からの『ご不審にお思いのようでしたから。このように殿の仰せがございましたので。』とあります。見ると、「『この月は日が悪いね。月が改まってから』と、暦をごらんになって、たった今も、おっしゃっていられます」などと書いてあります。どうも奇妙なこと。強引な暦勘定だこと。そんなことは断じてないはず。この手紙を書いた人の作り事であろうと思う。◆◆

【解説】 蜻蛉日記 下巻 上村悦子著より
(前略)右馬頭遠度(うまのかみとおのり)は、兼家の異母弟であるから相当な年齢であるはずである。(四十歳前後)親子ほど年齢のちがう養女に求婚の意向をもらしたので作者も最初は信じなかったのも無理がない。(中略)
そもそも遠度に養女のことを漏らした張本人は兼家自身に違いない。(中略)作者は養女に后がねとして十分な教養をつけ、出来るなら宮中に入内させるか、章明(のりあき)親王のような妃をたいせつにする、しかるべき宮に縁づけたいと考えていたのではないかと思われる(憶測に過ぎないが)。

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