オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

「小塚崇彦~五輪の夢・小塚家3代の挑戦~」

2012年11月13日 10時28分30秒 | フィギュアスケート
昨晩、たいへん心に残る番組を見ました。
NHK総合テレビ、夜10時からの「ファミリーヒストリー」
昨晩の特集は「小塚崇彦~五輪の夢・小塚家3代の挑戦~」であった。
小塚家3代となっているが、ほとんど崇彦君の祖父・小塚光彦氏の物語である。
たった1人の男の若い頃の情熱が、現在、大きく花開いている。現在の日本のフィギュアスケート界の世界的レベルの高さは崇彦君の祖父・光彦氏のスケートとの出会い、そして情熱から始まったと思うと感慨無量の気持ちになりました。

小塚光彦氏は1933年17歳の時、中国の満州に渡り当時の新京(現在の長春)でカメラマンとして就職。
そして新京の屋外スケート場でスケートに熱を上げている当時14歳の女子学生に初恋をする。
光彦氏が撮影した、この女子学生の氷上での写真も放送で公開され、その見事な写真に驚かされるものがありました。やがて彼女と一緒にスケートを滑りたいと言う一心から自身もスケートを始め、スケートの魅力を知り、スケートにのめり込んで行く。
この初恋の女子学生は家族と北京へ移り、光彦氏は生前2度と彼女と会う事はなかった。ただ、番組の最後、ソプライズがあり胸を打つものがありました。
そして光彦氏は練習仲間であり同志と言える中村公正氏(のち南方で戦死)と出会う。その頃、札幌での冬季オリンピックが決定しオリンピック出場を目指すが戦局の悪化で中止。
オリンピック中止で失意の光彦氏への中村公正氏の言葉が後々、光彦氏の心に大きく響き、大きな影響を与えることになる。

「オリンピックはまたやってくる。夢を諦めてはいけない」

「自分たちはダメでも子や孫に夢を託すことができる」

戦後、郷里で愛知県スケート連盟を立ち上げる。
伊藤みどりさん、浅田真央さん、中野友加里さん、安藤美姫さん、鈴木明子さん、村上佳菜子さん・・・そして私が期待している大庭雅さん、佐藤未生さんも愛知県。
現在の愛知県のスケート界の凄さは小塚光彦氏を語らなければ始まらない。
そして、それが我が国のフィギュアスケート界の世界的レベルにつながっている。

孫の崇彦君が小さい頃、まだ男子フィギュアでは3回転ジャンプが主流だった時の光彦氏の言葉が凄い。

「いずれ4回転の時代が来る。4回転を跳びなさい」

バンクーバーオリンピックで孫の崇彦君が4回転ジャンプの成功をテレビで見た光彦氏の心に去来したものは何だったでしょうか?
番組の最後、今年の7月、日光で開催されたアイスショーの「ザ・アイス」に出演している小塚崇彦君の元に車いすに乗った90歳を超えた老婆が訪ねたシーンでこの番組を終えました。
この老婆こそ祖父・光彦氏の新京時代の初恋の女子学生でした。
彼女への恋心、憧れからスケートに情熱を注ぎ、その情熱は終生、変わらなかった。
そして光彦氏の夢は、息子嗣彦氏から孫の崇彦君へ。
スケートに一生を捧げた今は亡き小塚光彦氏の思いが一気に番組の最後に迫ってきた感を強くしました。

いよいよソチ冬季オリンピックまで1年半となりました。
これから、どんなドラマがあるのか、フィギュアスケートを愛する者にとって、エキサイティングな1年半となるでしょう。



新京のスケートリンクで小塚光彦氏(右)と初恋の女性(左)








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2 コメント

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本当にいい番組でした (いちごぱん)
2012-11-13 22:29:26
こんばんは。

私も、この番組拝見しました。

小塚氏の情熱が無ければ、
今のフィギュア界は無かったかもしれませんね。

スケートリンクの建設、ソ連への働きかけなど、
目標を持って行動を起こして・・・。
本当にフィギュアスケートに捧げた
人生だったのでしょうね。

今年の小塚選手の演技に
深みが出たような気がするのは、
このようなことがあったからでしょうか。

小塚選手は、私のお気に入りの選手の1人なので、
ますます応援に磨きがかかりそうです。
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本当にいい番組でした (オペラファン)
2012-11-14 23:33:40
いちごぱん様へ

人間にとって「情熱」と言うものが、いかに大切であるか、痛感させられた番組でした。
小塚光彦氏が終生、持ち続けたフィギュアスケートへの熱情と愛情。
それらを、しっかりと受け止めて、これからフィギュアスケートを見て行きたいと思っています。
小塚崇彦選手も、祖父の光彦氏のオリンピックへの思いを胸に、これからソチ冬季オリンピックを目指すはず。
もう一度、オリンピックという最高の舞台で4回転ジャンプを成功させて欲しいものです。

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