お酒のブログ~スタッフ日記

酒屋のスタッフたちが、山梨県のワイナリー訪問記、ワインに関するお話、そのほかお酒に関するアレコレを書いています。

FM甲府 2016年9月分「デラウェアとアジロンダック」

2016-09-18 13:34:54 | FM甲府 ラジオ原稿

(甲府のコミュニティラジオ局、FM甲府のラジオに、毎月第3土曜日に、岸則子さんの番組で10分ほど、お酒について、話をしています。以下は2016年9月17日の、ラジオでの原稿です。)

11月3日は、山梨ヌーボー解禁日。

白の甲州種と、赤ワインのマスカットベイリA種の発売日です。

9月から、山梨ヌーボー解禁日までには、甲州種とマスカットベイリA種以外の、いろいろな新酒ワインが登場します。

デラウェア、ナイアガラ、甲斐路、巨峰、アジロンダック、ピオーネなど。

これらの新酒ワインの発売日は、自由。

各ワイナリーが競って、自慢の新酒を発売します。

ワインにとって、一番華やかな季節と言えるでしょう。

その中で、売上げの大きい、デラウェアとアジロンドックについて、話します。

まず、デラウェア。

北米系の葡萄品種。

甲州とマスカットベイリA種は、欧州系葡萄品種。

デラウェア、ナイアガラ、甲斐路、巨峰、アジロンダック、ピオーネは北米品種。

欧州系品種はワイン醸造に向いていて、北米系は食べて美味しい生食用と言われます。

生食用品種をワインにすると、華やかな香りが特徴で、甘口に仕上げると、飲むデザートのような感じ。まさしく、デザートワインです。

デラウェアのワインは、戦後一環して、甲州種に次いで、2番目の生産量を誇っていました。

種無しのジベ処理の技術が浸透すると、デラウェアは生食用として一気に栽培量を増やし、甲州種の倍以上、作られていた時期もあります。

デラウェアが生食用として全盛を誇っていた時、生食用にならないデラウェアもたくさんあり、それがワイン用になりました。

その場合、デラウェアの取引価格は、甲州種より、ずっと安かったため、デラウェアワインは安いワイン、というイメージになりました。

やがて、生食用の葡萄は、大粒葡萄(巨峰やピオーネ、ネオマスカット、シャインマスカットなど)に移行し、生食用のデラウェアは大幅に少なくなっていきました。

しかし、デラウェアワインのファンはいるため、醸造用のデラウェアが作られるようになりました。醸造用のデラウェアは、ジベ処理しない、種ありです。

種ありのデラウェアワインは、種無しより、ワインとしてはレベルが高いものになりました。

また、ワインにするため、わざわざ作るので、甲州種と同じ経費がかかります。

よって、昔ほど安くありませんが、それでも昔のイメージがあるため、甲州種ワインより、安い価格が一般的です。

この時期は、にごりデラや香りが華やかなデラウェアワインが発売されるので、是非ワイン売り場をのぞいて見て下さい。

次はアジロンダックです。

甘い香りの赤ワインです。

欧州系赤ワインになれている方には、違和感のある赤ワインです。

アジロンダックは、幻のワインと謳うワイナリーもあります。

アジロンダックは、明治時代に輸入された葡萄です。

明治初期、ヨーロッパから持ち込まれた赤ワインは、日本人に受け入れられませんでした。

渋くて飲めなかったのです。

そこで、サントリーは赤玉ポートワインとして、甘口の赤ワインを発売しました。

この辺りは、先の「マッサン」で放映されましたね。

サントリーの成功で、メルシャンや他のメーカーも、揃って赤の甘口ワインを作ります。

その原料葡萄に、このアジロンは使われました。

長野県ではコンコード種が赤の甘口ワインに使われました。白の甘口にはナイアガラ種です。

赤の甘口ワインは今も作られていますが、昭和50年を境に、今の欧州系の渋いワインと生産量が、逆転します。

今では、赤ワインは、すべて渋いですのね。

赤ワインは、ライト、ミディアム、フルボディと表現しますが、それは渋さの度合いを示すものです。

山梨のアジロンの生産は昭和30年から40年には限りなく0になります。赤の甘口の原料として、コンコード種に負けてしまいました。

アジロンは、房が長く、粒がボロボロとれてしまう性質があったので、すぐに傷んでしまうのが欠点でした。

そこで、赤ワインの次の原料として、明治末期に新潟の富農、川上善兵衛氏が品種改良した、マスカットベイリA種や、ブラッククィーン、ベリーアリカントが始まりました。

それが今日の、山梨の赤ワインに繋がっています。

さて、コンコード種に負けて姿を消したアジロンダックですが、いつの日か、甘口のワインとして復活させたワイナリーがあるのですね。

その辺り、調べてなかったのですが、現在、赤の甘口ワインとして、復活しました。

いまでは、20社弱のワイナリーがアジロンダックを作っています。

香りが甘いので、甘口のワインが多いのですが、辛口のアジロンもあります。

今の若い人は、赤ワインといえば、当然渋いものとして飲んでいるので、甘い香りの赤ワインには違和感がありますが、甘口の赤ワインを知っている年配の方や、赤ワインの渋さが苦手な方、今からワインを飲まれる方には、受け入れます。

幻のワインと謳うのは、一時ほとんどアジロンが栽培されなくなった事と、山梨でしか栽培されていない事の2点でしょうか。

アジロンダックは、山梨でしか作られていないので、山梨の特産ワインともいえます。

現に、アジロンワインは、県外の方が、箱買いするワインです。

 

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