東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾「学研CAIスクール 東久留米滝山校」塾長白井精一郎のブログ

日本数学オリンピックの難しい問題(9)

2016-12-12 12:40:39 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

近頃、最高気温が10℃前後の日も多く、段々寒さが厳しくなってきました。冬本番が近づいているのを感じます。風邪などひかぬよう暖かくして過ごしましょう。

さて、今回は2014年日本数学オリンピック本選に出題された整数問題を取り上げます。

問題は、
「 
 
をみたす正の整数の組(a,b,c)をすべて求めよ。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

与式の形から、ここはモジュラー算術を使うのがよさそうです。(ここでは、modや合同式ではなく、ある正の整数で割った余りを使います)

つまり、与式の左辺と右辺をある正の整数で割ったときの余りを調べていくのですが、そのためには、初めに割る数を決めなければなりません。

そこで、2から順に調べていきましょう。

●割る数が2のとき、与式の各項の余りは、
2^a : 0、・・・
3^b : 1、0、1、0、・・・(1、0が繰り返す)
1  : 1、・・・
6^c : 0、・・・
で、上の3項の余りの和が2(和を2で割ると余りが0)になる組合せはたくさんあって2で割った余りを調べても役に立ちません。

●割る数が3のときは、
2^a : 2、1、2、1、・・・(2、1が繰り返す)
3^b : 0、・・・
1  : 1、・・・
6^c : 0、・・・
で、上の3項の余りの和が3になる組合せはたくさんあって役に立ちません。

●割る数が4のときは、
2^a : 2、0、0、・・・(0が続く)
3^b : 3、1、3、1、・・・(3,1が繰り返す)
1  : 1、・・・
6^c : 2、0、0、・・・(0が続く)
で、上の3項の余りの和が2または4になる組合せはたくさんあって役に立ちません。

●割る数が5のときは、
2^a : 2、4、3、1、・・・(2、4、3、1が繰り返す)
3^b : 3、4、2、1、・・・(3、4、2、1が繰り返す)
1  : 1、・・・
6^c : 1、・・・
で、上の3項の余りの和が6になる組合せはたくさんあって役に立ちません。

●割る数が6のときは、
2^a : 2、4、2、4、・・・(2、4が繰り返す)
3^b : 3、・・・
1  : 1、・・・
6^c : 0、・・・
で、上の3項の余りの和が6になる組合せはたくさんあって役に立ちません。

●割る数が7のときは、
2^a : 2、4、1、・・・(2、4、1が繰り返す)
3^b : 3、2、6、4、5、1、(3、2、6、4、5、1が繰り返す)
1  : 1、・・・
6^c : 6、1、・・・(6、1が繰り返す)
で、上の3項の余りの和が6または8になる組合せはたくさんあって役に立ちません。

●割る数が8のときは、
2^a : 2、4、0、0、・・・(0が続く)
3^b : 3、1、・・・(3、1が繰り返す)
1  : 1、・・・
6^c : 6、4、0、0、・・・(0が続く)
で、上の3項の余りの和が6、4または8になる組合せは限られていて、これは使えそうです。

それでは、割る数が8の場合を調べていきましょう。

a≧3のとき、2^a を8で割った余りは0なので、与式の左辺を8で割った余りは、0+3+1=4または0+1+1=2です。

一方、c≧3のとき、与式の右辺(6^c)を8で割った余りは0なので、a≧3かつc≧3の場合、与式は成り立ちません。

つまり、与式が成り立つのは、a≦3またはc≦3の場合です。あとは場合分けして調べていきましょう。

●a≧3の場合
c=1または2になります。

・c=1のとき
与式は、2^a+3^b+1=6で、2^a+3^b=5 (2^a≧8)になります。これを満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)はありません。

・c=2のとき
与式は、2^a+3^b+1=36で、2^a+3^b=35(1≦a≦5、1≦b≦3)になり、これを満たす組合せは(3,3,2)(5,1,2)です。
(a=3で、3^b=27⇒b=3、a=4で、3^b=19⇒b=×、a=5で、3^b=3⇒b=1)

●a=2の場合
与式は、4+3^b+1=6^cで、3^b+5=6^c になり、両辺を3で割った余りを調べると、左辺は2、右辺は0になり、これを満たす組合せはありません。

●a=1の場合
与式は、2+3^b+1=6^cで、3^b+3=6^c です。

・c=1のとき
与式は、3^b+3=6で、b=1になり、これを満たす組合せは、(1,1,1)です。

・c≧2のとき
与式は、3^b+3=6^c で、両辺を9で割った余りを調べると、左辺は6(b=1)または3(b≧2)、右辺は0になり、これを満たす組合せはありません。

以上から、与式を満たすa、b、cの組合せ(a,b,c)は、(3,3,2)(5,1,2)(1,1,1)で、これが答えです。


このような問題に対しては、余りを調べるモジュラー算術をが有力です。興味のある人は、少し難しい整数不定方程式-合同式の利用-も参考にしてください。

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