東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

整数問題(9)[麻布中]

2017-11-16 11:56:42 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2012年麻布中入試問題で出題された整数問題を取り上げます。

問題は、
「1以上の2つの整数に対し、それぞれの数をそれらの最大公約数で割った商の和を計算することを考えます。たとえば、18と12の最大公約数は6なので、 18÷8+12÷6=3+2=5 となります。このことを [18,12]=5 と表すことにします。以下の問いに答えなさい。

(1)[(ア),(イ)]=8 となるような整数(ア)、(イ)で、(ア)、(イ)の和が16となるようなものを4つ答えなさい。
(2)[12,(ウ)]=8 を満たす整数(ウ)を2つ答えなさい。
(3)[30,(エ)]=9 を満たす整数(エ)をすべて答えなさい。 」
です。

早速、(1)から取り掛かりましょう。

(ア)と(イ)の最大公約数をGとすると、
(ア)÷G+(イ)÷G=((ア)+(イ))÷G=8
が成り立ちます。

一方、(ア)+(イ)=16 であることから、
G=2
になることが判りました。

すると、(ア)、(イ)はどちらも約数2をもつことから、(ア)、(イ)は偶数になります。

そこで、(ア)+(イ)=16 を満たす、偶数(ア)、(イ)の組合せ((ア),(イ))を 調べると、それは、
(2,14)、(4,12)、(6,10)、(8,8)、(10,6)、(12,4)、(14,2)
です。

さらに、これらの組合せで最大公約数が2になるものは、
(2,14)、(6,10)、(10,6)、(14,2)
で、これが答えです。

続いて(2)です。

12の約数は、1、2、3、4、6、12 なので、12と(ウ)の最大公約数はこれらのいずれかになり、これで場合分けして調べていきましょう。

●最大公約数が1の場合
[12,(ウ)]≧12+1=13 なので、条件を満たす(ウ)はありません。

●最大公約数が2の場合
[12,(ウ)]=12÷2+(ウ)÷2=8 から、(ウ)=4ですが、12と4の最大公約数は4なので、条件を満たす(ウ)はありません。

●最大公約数が3の場合
[12,(ウ)]=12÷3+(ウ)÷3=8 から、(ウ)=12ですが、12と12の最大公約数は12なので、条件を満たす(ウ)はありません。

●最大公約数が4の場合
[12,(ウ)]=12÷4+(ウ)÷4=8 から、(ウ)=20で、12と20の最大公約数は2なので、(ウ)=20のとき条件を満たします。

●最大公約数が6の場合
[12,(ウ)]=12÷6+(ウ)÷6=8 から、(ウ)=36で、12と36の最大公約数は12なので、条件を満たす(ウ)はありません。

●最大公約数が12の場合
[12,(ウ)]=12÷12+(ウ)÷12=8 から、(ウ)=84で、12と84の最大公約数は12なので、(ウ)=84のとき条件を満たします。

以上から、整数(ウ)は、20、84 で、これが答えです。

最後の(3)です。(2)と同じように進めてみましょう。

30の約数は、1、2、3、5、6、10、15、30 なので、30と(エ)の最大公約数はこれらのいずれかになります。

●最大公約数が1、2、3の場合
[30,(エ)]=30÷G+(エ)÷G≧30÷3+(エ)÷3≧10 なので、条件を満たす(エ)はありません。

●最大公約数が5の場合
[30,(エ)]=30÷5+(エ)÷5=9 から、(エ)=15で、30と15の最大公約数は15なので、条件を満たす(エ)はありません。

●最大公約数が6の場合
[30,(エ)]=30÷6+(エ)÷6=9 から、(エ)=24で、30と24の最大公約数は6なので、(エ)=24のとき条件を満たします。

●最大公約数が10の場合
[30,(エ)]=30÷10+(エ)÷10=9 から、(エ)=60で、30と60の最大公約数は30なので、条件を満たす(エ)はありません。

●最大公約数が15の場合
[30,(エ)]=30÷15+(エ)÷15=9 から、(エ)=105で、30と105の最大公約数は15なので、(エ)=105のとき条件を満たします。

●最大公約数が30の場合
[30,(エ)]=30÷30+(エ)÷30=9 から、(エ)=240で、30と240の最大公約数は30なので、(エ)=240のとき条件を満たします。

以上から、整数(エ)は、24、105、240 で、これが答えです。


簡単な問題です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿