へんないきもの日記

職業「陸上自衛官」から「自由人」へ。最終的に「旅人ライター」を目指す「へんないきもの」のフリーランスな日々・・・!

「騎士団長殺し」

2017-03-08 08:14:07 | 
 先月発売の村上春樹の新刊「騎士団長殺し」を発売と同時に買った。旅の途中で読み、まもなく分厚い第一部を読み終えるところだ。
 
 書評、というほど大それたモノではないにせよ、読後の感想は、すべて読み終えての感想であり、そういう意味では感想イコール完走なのだ。

 が、あまりに面白いので、これから読もうとする人の邪魔にならない程度に感想を述べてみたい。

 まず、これまでの村上作品には珍しく?読みやすい。(よく、彼の作品は、よく判らない、という意見が多いので。)

 今までと何が違うのか?

 前作の「1Q84」では3人称だったのが、1人称になっている。そして、その「私」は、いったい誰なのか?というコトが、読み進めていくとすぐわかる。読者を安心させる。

 そして、「1Q84」同様、私にとって魅力的な主人公が登場する。「1Q84」の青豆という女性は、フリーのスポーツインストラクターにしてプロの殺し屋、という想定...今回の「私」は、30代後半の画家なのだが、なぜか私は「私」に今の私を重ね合わせて見てしまう。

 そう、「私」の境遇は、今の私の境遇と非常に似ているのだ。「私」が男性である、というコトと、離婚している、という点を除いては...

 山の上で一人で住む「私」の前に、これまた独り身の、謎めいた男が登場する。

 私が夢中になって読み進めた一番の原因は、彼らの孤高、にあったのかもしれない。もちろん、私とよく似た境遇の「私」のその後が、まるでこれからの私の人生に起こるコトのような気がして、読み進めずにはいられないのだが、登場する男たちの醸し出す「孤高」の世界に私は魅了されたのかもしれない。

 登場人物に惚れる、という点では「1Q84」と全く変わらない。青豆と、登場人物の男性との物語は、月が二つある世界、という、よく判らない?設定にも関わらず、彼らの「健全性」が、どんなに汚れた社会においても、人はまっすぐに生きて行ける、という村上氏からのメッセージを受け取ったような気がして、ある種の幸福感に満たされた。

 反面、「ノルウェイの森」は、登場人物が暗く、まったく読む気になれなかった。だから、こんなタイトルをつけたのか?森は暗い。しかも、北欧の森...である。

 果たして、今、目の前にある「騎士団長殺し」は、私にどのようなメッセージをくれるのだろうか?

 それにしても...不思議なタイトルである。まぁ、彼の作品のタイトルは、どれも奇抜?だが。(笑)

追伸・「騎士団長殺し」に見る「孤高の魂」...それは、長年、ノーベル文学賞候補とされ、世界から注目されつつも、未だに受賞することの無い村上氏の精神の表れだろうか?それは、どんなに孤高を追及しても、ネットワーク社会においては、完全に自己と社会を切り離すコトは出来ない、だったら、ある程度は譲歩して、こちら側から少しだけ歩み寄ってみよう、穿った見方かもしれないが、世界に認められる為には、自らに多少の妥協を許した村上氏の「努力」が、この作品には見て取れるのである。

 
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