へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

天塩川の夕日 ~ トランスエゾ走行記

2016-09-06 08:23:12 | 旅とランニング
 12日目(後半戦5日目)、旭川大学から美深温泉(例の温泉施設のある道の駅)までの98km。区間最長距離となるこの日は気合も入る。ただし、5年前は105kmだったから、なんだか得した気分?

 距離が長い分、走行時間も長い。この日は午前3時スタート。さすがに北海道でも3時は真っ暗。ついでにゴールも夕日が沈んで1.5時間から2時間後くらいになるから、懐中電灯は手放せない。

 旭川大学から比布(ぴっぷ)を経て和寒(わっさむ)へ。その間、クマさんの出そうな森林地帯を横目に峠を目指す。三浦綾子さんの小説「塩狩峠」の舞台の塩狩峠だ。実際に塩狩駅という駅もあって、その手前に石碑があった。小説のモデルとなった長野氏殉職の碑だ。旧国鉄の職員だった長野氏は、たまたま乗り合わせていた列車の最後尾車両の連結器が外れて暴走するのを目の当たりにし、身を挺して暴走を食い止め、その列車の下敷きになって殉職された。(ということを、先ほどネットで調べて知りました。走っている間は何かと余裕が無いものでして・・・)

 近くには三浦綾子記念館もあって、一度、ゆっくりと訪れたいポイントである。

 和寒から士別へ行く途中は、やたらとカーブの多い国道で変わり映えの無い景色・・・直線が続くと文句を言い、カーブでも文句を言う・・・おっと、宗谷岬で決めたマイルールの一つは「文句を言わない」だったでしょ??(笑)

 この日は多少日も差して暑く感じられた。ちょうど道端にアイスクリンが売っていたので、買って歩きながら食べた。やっぱり北海道のアイスは濃くておいしい~(自転車組は、木陰で休息ちう。)

 単調なルートが続く中、士別の町に入るとコンビニやら食べ物屋さんやらで、えらく「都会」に見えた。ふと、5年前のことを思い出す。今回のルートは5年前とほぼ同じルートだ。そうそう、道の駅の手前でエイドをしてくれた方がいたっけ・・・なんて思い出したら、ちょうどその方が対向車線から私を見つけてライトバンを止めた。その車と服装から、どうやらお仕事中のようであった。こうして、コース上にはトランスエゾを過去に走った人以外に、たまたまトランスエゾを走るランナーを見かけてエイドをしてくれる地元のランナーがいる。これも今回で20回目を迎えるトランスエゾの成果の一つだ。

 よく冷えたパック状のスポーツドリンクをいただいた。そして、道の駅・・・ありがたいことにビールも置いてある。サッポロクラシックの350ml缶と男爵コロッケを買って中のベンチに座って食べた。周りには自転車で旅をしている連中も座っていた。

 だんだんと北上するにつれ、クマの出そうな森林とサイクリストの姿が多くなってきた。

 でも、まだまだ半分近くの工程が残っている。先を急がねば・・・5年前、真っ暗な中、一人で制限時間を気にしながら進んだことを思い出す。

 名寄に入ると再び「・・・線・・・番」攻撃が始まった。名寄駐屯地を過ぎると峠になり、なぜかホッとした。5年前は、とってもキレイだったヒマワリ畑が台風の影響か?すべてなぎ倒された感があったのは残念だった。

 その代わり、天塩川の夕日がとてもキレイで感激した。何枚も撮ったが、スマホの映像を見ても実際と変わらぬほどキレイだった・・・

 ゴールの10km手前のコンビニで明日の朝食を買う。ついでに腹ごしらえも。残り10mとは言え、すでに辺りは暗くなり、これから先、1時間半はかかると予想される。そのためにも腹ごしらえは必要だ。

 街灯の少ない国道は対向車で照らされると足元が非常に見ずらい。いつも以上に進むのに時間がかかる。これといった目印もなく、経過する時間で距離を憶測する。(すぐ計測できるガーミンのようなものは私はあえて持たない。いつまでも自分の自然の感覚、野生の感覚を失いたくないから・・・)

 そうして、ようやく「道の駅2km」の看板が見えて来た。でも、その2kmが長く感じるのよね・・・いつも。

 施設の明かりを見てホッとする。それくらい、この1時間半は暗がりとの闘いだったのだ。ゴールのアーチを抜けると、なんと、瓶ビールのサプライズが・・・!簡易椅子に腰かけ飲むビールは最高にうまかった。長時間、暗がりと孤独に耐えた「勲章」「ご褒美」だ。

 名簿の横にゴール時間を記録する。見るとまだ頑張って走っているランナーが何人かいた。

 スタート直後、声をかけた最高齢のよりさんも頑張っていた。いつもカラダが左に傾きながら走っているよりさん・・・この日はなぜかまっすぐだった。「よりさん、今日はカラダ曲がってないですよ。」と私が言うと「旭川大学の武道場の畳の硬さが良かったんだよ。今日は完走できそうだ。」と答えてくれた。

 そのよりさんが、100km近いこの日の距離を見事、時間内に完走された。やっぱり仲間の成功はうれしい。ビールがさらにおいしく感じられた。
コメント (2)
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