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「休眠預金活用法案」は正しい施策なのか?

2017-05-17 | 政治・経済

前回の「カジノ法案」に引き続き、今日は「休眠預金活用法案」についてお話します。

銀行などで個人が10年以上、預けたり引き出したりしていない口座の預金を、政府が他の用途に使うというものです。昨年の12月2日の参院本会議において、金融機関に預けられたまま10年以上出し入れがない預金を公益活動に充てる「休眠預金活用法案」が可決・成立しました。法律の施行日は1年半ほど先になる見通しです。

 

実は、休眠預金の問題については昔からいわれていることでありました。銀行関係者からの話では、「口座をたくさん開いてもらうと、預金した人が引っ越したり転勤したりしているうちに忘れて、そのままになり、使うのを忘れてしまっている。けっこう”歩留まり“があって、これがなかなかおいしいんですよ」というようなことを言われました。今、政府のほうが、これに目をつけたわけです。

 

現在、10年以上出し入れされていない預金が全国で毎年一千億円ぐらい発生していると推定されているようですが、実際にはもっとあるかもしれません。このうち、顧客から払い戻しの要望があるのは400億円から500億円程度。半分以上は、金融機関が法人税も支払いながら利益として扱っていて、顧客の求めがあれば払い戻し、その分は損失として処理しています。

 

確かに、引っ越しや転勤等を繰り返すなかで、そのつど通帳をすべてチェックしたりするのも難しいことかもしれません。また、ここ二十数年の間には銀行の統廃合もそうとうあったので、旧い銀行の通帳を持ったままの人もけっこういると思います。

 

仕事を持っている人だと、平日の昼間から銀行に行くのはそれほど楽なことではありません。面倒なので放っておくうちに、10年ぐらいはあっという間にたってしまうものです。

 

そういう”歩留まり“がある預金は、銀行が今まで知らん顔をして処理をしていたのかもしれませんが、政府のほうはそれに目をつけたわけです。

 

要するに、「10年も預金を出し入れしなかったのだから、本人はどうでもいいと思っているのだろう。権利を放棄していると見なして、それを恵まれない子供たちの奨学金のようなものに使ったり、地方の振興のために使えばいい。そういう目的のために使う」というようなことが、新聞の小さな記事で出ていました。

 

これは小さな記事ではあるのですが、安倍政権の特徴がよく出ているような気がしてしかたがありません。「他人の懐のなかに手を突っ込んでお金を取る感じ」が非常によく出ているのです。多少、”さもしい感じ“がしなくもありません。

 

銀行口座から移し忘れたり抜き忘れたりしたお金にまで政府が手を伸ばして”没収“し、それを使いたいのかという気もしますが、「いいことのために使うので構わない」という考え方なのでしょう。

 

ただ、「結果や目的がよければ手段を選ばない」というような考え方をするのは、共産主義的な考え方なのです。共産主義の暴力革命では、革命成就という目的が正当であれば、途中の経過や手段は問わないところがあり、「銃口から革命が生まれる」とも言っています。「人を銃で撃ち殺したとしても、革命が成就しさえすればよいのだ」といった考え方なのです。

 

これに対して、「適正な手段でもって政治目的を成就する」というのが法治主義や民主主義的プロセスによる政治改革でしょう。そのほうが近代的な考え方だと思うのですが、マルクス主義のなかには、そういう暴力革命の思想がはっきりと残っています。

 

なお、日本では「共産党」も政党として認められているとは思いますが、いまだに警察の公安からは「破防法(破壊活動防止法)」の調査対象団体として警戒され、ウォッチされ続けています。要するに、暴力革命を肯定しているからでしょう。

 

したがって、イスラム・テロのことを言わなくても、共産主義も結果や目的がよければ手段を選ばないわけで、そういうことができるということです。

その意味で、安倍政権は共産主義と似ている部分が出てきたのではないかと思います。

 

現政権は、「企業の内部留保金を何とかして取ってやろう」と狙っています。また、現在、某ドラマのなかでも描かれているように、二十階建て以上の高いタワーマンションでは、上の階に住んでいる人ほど身分が高いということで威張っているような人もいるそうですけれども、政府は実際の高層住宅に対して一階上がるごとに税率を0.25パーセント上げていくというような案も検討しています。まあ、よく考えるなとは思いますし、確かに盲点ではあります。

 

富める者はだんだん少数になっていくので、上に上がっていった人には高い税金を払わせるようにすれば、庶民の人気も取れるし、税収も上がるということで、こういうのを狙っていくわけです。次々に考えているのは、そういうところです。

 

ただ、そうしたもののなかには、共産主義的あるいは社会主義的な発想があるでしょう。

 

要するに、毎年一千億円ずつ発生する休眠預金を使うにしても、「貧困層の奨学金支援や地域の振興のために使うのなら、よいことのためだから、取っても構わないだろう」という考えがあるのだと思いますが、それでも、行おうとしていることは“盗人”です。「政府が盗人をしても構わない」と言っているようなものでしょう(注。ただし、預金者が求めれば、払い戻される)。

 

政府は、結果的に税収が増えて社会福祉に使えるのだから、よいことじゃないかと思っているのです。そうした考え方も分からなくはありませんが、そういう論理は飛躍すれば怖い世界につながります。

 

ここは基本的に、「政策」において、もう一段、経済が発展・繁栄するための法則というものを考えるべきではないのでしょうか。

 

---owari---

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