悩みにぶち当たるに際して、人生の多角化を考えておくことも大事です。これは決して難しい考え方ではありません。
プロ野球でも、高校野球でも、あらかじめ何人かの投手を用意しています。先発、中継ぎ、抑え、このような分担をしています。何人かの交代選手を用意しておくことによって、どのようなゲーム展開になっても、ある程度、切り抜けていけるわけです。
それなりの用意をしておく、すなわち、多角化をしておくことが大切です。
自分の人生においても、「先発で投げていって打ち込まれはじめたときにどうするか」、これを考えておけばよいのだと思います。「その際には、こういう道もある、ああいう道もある」ということを充分に考えて、その技能を磨いておくべきです。
「いつも一人の投手が最後まで投げ抜いて完封する」というのは理想的ですが、なかなかそうはいきません。これは現実として認めざるをえないと思います。
それは、みんなが成功を狙いながら、結果として必ずしも全員は成功しないのと同じで、いろいろな部分でぶつかり合うところがあるからです。
そのため、対応策を考えておくことが必要です。
挫折が大きくなる原因の一つとして、「自分の目標が一つしかない」ということがよくあるわけです。「これさえあれば」、あるいは「これしかない」という考え方もあるでしょうが、それは下手をすると執着になることがあります。そして、失敗したときに挫折が大きくなることがあるのです。
これは、人生の比較的早い時期において、「自分は、何かの専門家、あるいはエキスパートになりたい」と限定しているのと同じような考え方ではないでしょうか。
「自分は、もっともっと大きな可能性を持っている人間だ」という視点を忘れているのではないかと思えるのです。
したがって、困難と取っ組み合って、それを解決すると同時に、別の面においては、いつも新たな道を開いておくことが大事です。その可能性をいつも開いておくことです。
それが大きな方法論の一つになるのです。
「困難を解決すると同時に、いつも新たな道を開いておく」 (仏法真理)
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