徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「ミモザの島に消えた母」―禁断の“家族の秘密”が紐解かれる時人生の真実が―

2016-10-18 17:00:00 | 映画


 30年間秘められてきた家族の秘密をめぐって、世代を超えて解き明かされていく、フランス製サスペンスだ。
 「サラの鍵原作者でもあるタチアナ・ド・ロネのベストセラー小説を、フランソワ・ファヴラ監督が映画化した。

 ドラマは謎解きの面白さを散りばめながら、緊張感に満ち、驚きの結末へと観客を導いていく。
 家族再生のミステリアスな心理劇でもあろうか。














30年前、冬に咲く小さな花から通称“ミモザの島”と呼ばれる、西フランスの避暑地・ノアールムティエ島沿岸の海で、ひとりの若い女性クラリス(ガブリエル・アジェ)が謎の死を遂げた。
アントワーヌ(ローラン・ラフィット)は、40歳になった今でも、愛する母クラリスを失った喪失感から脱け出すことができず、母の死の真相を探ろうとする。

父は再婚し、母の存在は闇に葬られた。
アントワーヌは真実を知るべく躍起となるが、妹のアガット(メラニー・ロラン)は過去を掘り起こす兄に反発する。
彼は離婚、失業、子供との不仲を抱えて、全てが母親の死に起因していると感じ、アガットとともにミモザの島に向かう。
真相を突き止めようとするアントワーヌに、何故か家族は母の死について口を開こうとしない。
果して、当時母の身に何が起こったのか。
ミモザの島を訪れたアントワーヌは、自分の知らなかった母のもうひとつの顔、そして母の死の背景に渦巻く禁断の真実にたどり着くのだった・・・。

家族の感情の機微と、心の痛みが丁寧に描かれ、真実を紐解いていく。
家族の葛藤と抑圧を炙り出す、フランソワ・ファヴラ監督のフラッシュバックの効果的な使用もあって、演出は手堅い手腕を見せる。
家庭も仕事も八方ふさがりで、人生の岐路に立つ中年男性が封印された過去と出会うことで、現在を受け入れようとする。

30年前の謎を解き明かそうとするミステリーの縦糸と、四世代の家族が繰り広げる愛憎劇の横糸によって、緻密に織り上げられていく。
だが、その縦糸と横糸のさじ加減が微妙にアンバランスで、30年前の過去について、母親とその周囲のことにもう少し具体的な説明描写も欲しかった。
形見の腕時計を手掛かりに、母の知られざる横顔と、彼女の死の真相を闇に葬った家族の秘密を探り当てていくアントワーヌだが・・・。
その過程で彼は、秘密を隠し通そうとする父や祖母から孤立してしまう。
一方で、過去と向き合う勇気を得たことで、恋人や妹との絆を深め、心の通わなかった娘との距離を狭めていくのだった。
秘密がじわじわと炙り出されていくにつれて、家族間の緊張は高まりを見せる。

舞台の島は、満潮時に本土への通路(一本道=パサージュ・デュ・ゴワ)が断たれる独特の景観で、いかにも象徴的な見どころのひとつである。
美しい海に囲まれた島の景色が、物語の魅力を引き立てる。
力のこもった作品だが、前半冒頭の導入部が長すぎて退屈だ。どうにかならなかったのか。
後半一気のクライマックスへ、ここはかなりかったるい。
フランス映画「ミモザの島に消えた母」は、サスペンスフルな、母の死を探る兄妹と家族の再生の物語だ。
       [JULIENの評価・・・★★★★☆](★五つが最高点
次回はフランス映画「めぐりあう日」を取り上げます。

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2 コメント

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なかなか (茶柱)
2016-10-18 22:37:03
難しいですね、バランスというものは。
どんな作品でも・・・ (Julien)
2016-10-23 04:07:26
その映画の導入部分で、大体作品の優劣(?!)は決まってしまいますものね。
わずかな数分間が、観客をひきつけることもあれば、終盤の何だか頼りない演出が、せっかくの作品を台無しにしてしまうことも・・・。
いろいろですねえ。
完璧なんて、まずありませんしね。

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