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京都市在住で京都の近代史を勉強している者です。なお、ブログの趣旨に添わないコメントは削除させていただく場合があります。

史料紹介-治安維持法その1-制定前の帝国議会審議のやりとり

2017-06-19 00:05:00 | 史料紹介

 

Amazon.co.jp: 治安維持法


先日の国会で「テロ等準備罪」、いわゆる共謀罪が成立した。審議で与党はこの法案は一は一般人を対象にしたものではない、と繰り返し説明してきた。が、治安維持法の再来と言われる「テロ等準備罪」(共謀罪)が今後どのような展開を見せていくのか、そのヒントになると思い、かつての治安維持法成立前、帝国議会ではどのような審議がされていたのか、ということを知るためにここで関係する史料を掲載していきたい。

掲載した史料は僅かだが、先ほどの衆参両院での政府による「テロ党準備罪」(共謀罪)の説明と比較検討してもらいたい。


〈第50回帝国議会(1925年2月19日)での治安維持法の趣旨(内務大臣若槻礼次郎)〉

法案の内容は、万世一系の皇室を奉戴して居る、帝国の此国体を変革しやうとするやうな事柄、又明治大帝陛下の御御心に依つて創定せられたる、我が立憲政体を変革して、議会否認を為すと云ふやうな事をせんとするやうな事柄、又は私有財産制度を根本から否認して共産主義を行はんとするが如き、我が国家組織の大綱を破壊せんとするが如き、不法なる結社-其謀議と煽動及叙上の犯罪を醸成すべき目的に出でたる金品利益の授受を禁じて、現今の過激なる社会的運動中に存する、最も重大なる危険と弊害とを尠からしむると同時に、一般社会を戒め、不穏なる行動に出づるが如き事を予防せんとするのが本案の趣旨であるのであります(現代史資料45 治安維持法(奥平康弘編 みすず書房 1973年8月25日) 52頁)

 

 

〈「国体」、「政体」という無曖昧な言葉は、治安維持法の拡大解釈を招くのではないかという疑問(星島二郎)〉

併し此内閣が送つて、反動内閣が天下を取りまして、此条文を楯に取つて若し言論を圧迫し、結社を圧迫するならば-私が仮に当局者となつてやるならば此法案の一条で以て、日本の大部分の結社を踏潰すことが出来る、若し普通選挙が布かれた後に於きまして、無産政党が出来るならば、之を解散し之をふん縛ることも出来るのであります、だから斯う云ふ茫漠たる文字を書かれると云ふことは最も遺憾であります(前掲55頁)

 

 

〈治安維持法の第2条が、学問の自由を侵害するのではないかという危険性を指摘している(星島二郎)〉

第四番目に私は本案の第二条は、学問の研究を非常に障害することにならないか、凡そ大学の教授は、学問の研究をするのが国家に命ぜられたる所の使命であります、国家に関する学問をする為に極端に自由を許さなければならぬ、其為には進んで新しい社会組織を研究しなければならぬ、其組織を研究しますることは、若し本法に触れるやうな心配は無きや、先般我が全国高等学校の最も純真なる青年達が社会学研究会を開きまして、中には一二少し脱線したのがあつたかも知れませぬけれども、真に今日の社会現象を見て純真なる青年が研究したいと云ふのは、是は慶ぶべき事であります(前掲55-56頁)

 

 

〈治安維持法は、無政府主義、共産主義取締の為の法律であり、その他には適用しない、と答弁している。しかし、その後の過程、今日の情勢見てもそれが嘘であることがわかる(内務大臣若槻礼次郎)〉

本法案は只今申上げる俗の言葉で申上げれば此法律は無政府主義、共産主義を取締る法律であると言つても宜いのであります、(中略)学者が研究をした所が、其事の実行を目的として世の中にさう云ふ事を実現せしめんとして相談するのでない限りは決して本法案に依つて妨げられるものではないのであります(中略)世間には此法律案が労働運動を禁止するが為に出来るやうに誤解して居る者があるやうであります、此法律が制定されますと、労働者が労働運動をするに付て、何等か拘束を受けると云ふやうに信じて居る者があるやうであります、斯の如きは甚しき誤解であります、労働者が自己の地位を向上せしめるが為に労働運動をすることは何等差支ないのみならず、私共今日局に当つて殊に内務省は其所管の省でありますが、左様な事に向つては何等拘束を加へると云ふ考を持たぬのであります、唯々此問題は前に申上げる如く無政府主義、共産主義を実行せんとしてはいけぬと云ふ取締法であります、労働者にして無政府主義を唱ふるに非ず、共産主義を唱ふるに非ざれば、彼等が労働運動をする上に於て此法律案に何の拘束も与へるものでないものであります(前掲58頁)

 

 

〈第50回帝国議会(1925年3月6日)治安維持法が、当初から拡大解釈される可能性があったことを示唆している(治安維持法案委員長前田米蔵)。〉

要するに第一条に於ける文字が頗る抽象的の言葉でありまして、一方に於て弾力性に富むと同時に、一方に於ては広汎の解釈をばされる処のあることも亦已むを得ざることゝ思ふのであります、(前掲95頁)


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