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音楽大好き男の徒然なる日記

マイMD「Let's go to Travel (Vol.2)」 楽曲解説

2016-09-18 | 音楽
海外旅行へ誘う楽曲で選曲したマイMD「Let's go to Travel」。
調子に乗って、第2弾を作り始め、このほどやっと楽曲がまとまりました。
よりワールドワイドに、よりカオスに、よりポップな120分に。

ここで解説していこうと思います。
なお、あえてアーチスト公式映像以外のリンクは貼りません。
自分はCDを買い集めて編集したのですから、少しでも皆さんご自身で音源を探してみて下さい。



1. Pat Metheny 「Above The Treetops」 
(1991 『Secret Story』、写真上段左)
→今回のMD最大の特徴は“東洋の音楽”が入ったことです。
旅の始まり的位置づけとして、パット・メセニー不朽の名盤「シークレットストーリー」のオープニングです。
カンボジアの讃美歌にインスパイアされて生まれた曲、との事。

2. Godiego 「Gandhara」
(1978 『Magic Monkey(西遊記) 』)

→ことわっておきますが、大ヒットした日本語の歌ではありません。
ミッキー吉野(キーボード、編曲)とタケカワユキヒデ(ボーカル、作曲)でお馴染みのグループ・ゴダイゴですが、
オリジナルアルバム『西遊記』の世界を尊重して英語詞のバージョンを入れました。

3. The Beatles 『Within You Without You』
(1967 『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』)

ビートルズで最も東洋に魅せられたのがジョージ・ハリソン(1943-2001)でしょう。
完全にインドの世界観・音楽理論にはまったうえで作り上げられた名曲です。
惜しいのはこの当時、音響技術がまだまだ未発達状態で、ステレオも楽器単位で振り分けられているので、今のような安定感がない事でしょうか。
リミックスは……スゴイ事に、2017年5月に「50周年記念エディション」で見事に実現してしまいました。
オケが左側、ボーカルが右側なんて極端なパンの振り方が解消されました。 良かった良かった。
P.S.:すごい映像を見てしまった。
再現したオーケストラがいたなんて……
こんなコンサート、日本じゃ絶対見られない。


4. 喜多郎 「シルクロード幻想」 
(1980 「絲綢之路~NHK特集“シルクロード”サウンドトラック」)

→ここまで来たら、東洋の音楽をもう1曲入れたい。
……そうだ、喜多郎なんかどうだろう。 日本だけじゃなく中国・韓国にもファンの多い喜多郎を。
ならばNHK特集での名作「シルクロード」が良い。
でも、毎度おなじみのテーマ曲「絲綢之路(しちゅうのみち)」じゃなくて、もっと奥が深いものを、という事で、これにしました。
アコースティックギターの澄んだ音、星が流れるようなシンセサウンドに鳥肌が立ちます。
この作品が発表された当時、彼は宇宙や天と地の連携性を唱えた絵をよく描いていたそうです。
この後中国全土の開発が進み、秘境だったカシュガルまで都会になってしまったうえに、
ウイグル族が漢族からの差別・迫害を受けて紛争地になってしまったようです。
たいせつなものが失われてしまったようで、哀しいです。

5. 渡辺貞夫 「Earth Step」
(1993 『Earth Step』、写真上段中央)
→アジアを発って、次なる土地はアフリカですが、やはりナベサダなくしてアフリカは語れません。
プロデュースとアレンジは(スティーリー・ダン、ドナルド・フェイゲン、ポール・サイモン、エリック・クラプトン、
アズテック・カメラ等広範囲に手掛ける)Rob Mounsey氏で、アフリカンなコーラスがキーポイント。

6. TOTO 「Africa」
(1982 『TOTO IV』、写真上段右)
→AORの代表格であるTOTOの名盤『TOTO IV~聖なる剣』に収録。
「ロザーナ」もこの「アフリカ」も名曲。


7. ショーロ・クラブ「SEU CHORAO CHORA O SEU CHORINHO」

(1990 『CHORO CLUB』初出、ベストアルバム『Revendo』写真中段左にも収録)
→テレビアニメ「ARIA」で初めて知ったラテン音楽のグループ・ショーロクラブの一曲。
「ショーロ(Choro、Chorinhoとも)」は、ブラジルのポピュラー音楽のスタイル(ジャンル)の一つである。
19世紀にリオ・デ・ジャネイロで成立した。
ショーロという名前は、ポルトガル語で「泣く」を意味する「chorar」からついたと言われている。
ショーロをアメリカでは「ブラジルのジャズ」と称されることがあるが、即興を重視した音楽としてはジャズよりも歴史が古い。
(ウィキペディア解説より)

8. 大野雄二 「The Way to the Oasis(オアシスへ……)」
(1978 『ルパン三世・2 オリジナル・サウンドトラック』、写真中段中央)
→大野雄二氏と言ったら“ルパン三世”ですが、このテレビ2作目の2ndアルバムは特にお勧め。
オアシスというより、青い海に白い建造物のエーゲ海の雰囲気さえ感じます。
フルート・ストリングス・コード進行どれもがパーフェクト、鳥肌が立ちます。

9. João Gilberto 「Wave」
(1977『Amoroso(イマージュの部屋)』、写真中段右)
→続いて、これなんかいかがでしょう。 オアシスからリオ・コパカバーナ海岸そばのカフェ気分になります。
このアルバムの最大の魅力は、クラウス・オガーマン(1930-2016)のアレンジ・ワークスでしょう。
こちらも鳥肌モノで、自分にとってはジョアン・ジルベルトの歌のほうが添え物に感じるくらい(笑)。
ウィキペディア解説は、↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Claus_Ogerman
2016……今年亡くなったんだぁ……
ああ、なんて音楽ファンにとって天中殺な年なんだ!

10. Keola Beamer with George Winston 「Kalena Kai」
(1995 Various Musicians 『Hawaiian Slack Key Guitars Masters』、写真下段左)
→兄貴の結婚でハワイに渡った時、ハワイらしいCDを見つけました。
スラックキー・ギターのオムニバス盤。
ハワイ音楽では有名なオープン・チューニングのアコースティックギター音楽だ。
(日本人では山内雄喜氏が有名だろう)
ケオラ・ビーマーと、なんと!
ピアノ・アルバムの名盤『Autumn』のジョージ・ウィンストンが一緒にギターを弾いている異色中の異色ナンバー。

ああ、ハワイのそよ風と凪がよみがえる……

11. The Eagles 「Hotel California」
(1976 『Hotel California』、写真下段右)

→もはや説明不要の、1970年代のアメリカ西海岸ロックの名曲中の名曲。
アメリカ合衆国建国200年の光と影を歌い、グループ最大のヒット曲になった反面以後のバンド活動にも影を落とし、
1980年の最初の解散のきっかけにもなった。
Codaで出口を求めて迷走するかのようなツインギターソロがたまらなく切ない。
最近のハイレゾ試聴機のサンプルでも聴く機会が多くなり、改めて音の良さにも触れることが出来た方もいるのでは?

12. Earl Klugh 「Wind and The Sea」
(1976 『Earl Klugh』、写真下段中央)
→ガット弦アコースティックギター奏者のパイオニア:アール・クルーのデビューアルバムのラストナンバー。
デイブ・グルーシン氏のアレンジと共に、雨上がりの海岸を走るような爽快感を感じられます。

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ここから写真が変わります。



13. Dan Fogelberg 「Longer」
(1979 『Phoenix』、ベストアルバム『エッセンシャル・ダン・フォーゲルバーグ』写真上段中央、にも収録)

→アメリカ合衆国イリノイ州出身の、心温まる歌を数多く遺したシンガーソングライター(1951-2007):ダン・フォーゲルバーグ氏不朽の名盤『Phoenix』に収録された名曲で、
FM番組でも良くオンエアされます。
この歌のような心が優しくて強い男になりたい、と思い続けています。

14. Billy Joel 「New York State of Mind(ニューヨークの想い)」
(1976 『Turnstiles(ニューヨーク物語)』、ベストアルバム『ビリー・ザ・ベスト』写真上段左に収録)
→ニューヨーク(NYC)出身ながら西海岸でソロミュージシャンのキャリアを始め、「ピアノマン」で見事ヒットを放つが、この作品で活動拠点を文字通りNYCに戻すことになりました。
多くの歌手にカバーされています。


15. Donald Fagen 「I.G.Y.(What a Beautiful World)」
(1982 『The Nightfly』収録)



→なんといってもセンスが良い。 アレンジ&ミキシングなど音全般もアルバムジャケットも。
多くのアーチスト&サウンドエンジニアが目指す世界の頂点にあるAORアルバム『ナイトフライ』の1曲目。
イントロのシンバルの音にシビレちゃう。
これだけアナログ盤にて失礼。
「NYCとパリを90分で結ぶ海底鉄道」を提唱するSF的内容の歌です。

16. Madredeus 「O Pastor(海と旋律)」
(1990 『Existir(海と旋律)』、ベストアルバム『ANTOROGIA』=写真上段右、に収録)
→ここより舞台はヨーロッパに入ります。
日本ではクルマ(ホンダ・アコード)CMに採用されて有名になりました。
新時代のファドともいえる感性を持ったグループです。

17. John Williams (Guitar) 「Recuerdos de la Alhambra(アルハンブラ宮殿の思い出)」
(1982 『A Portrait of John Williams』、ベストアルバム『アルティメット・ギター・コレクション』に=写真中段左、に収録)
→スペインといったらクラシックギター、ギター独奏曲の頂点的存在はこの曲でしょう。
荘村清志、村治佳織など日本人ギタリストのも検討したのですが、長過ぎずテンポもベストだったのはジョン・ウィリアムスのバージョンか、と判断しました。

18. Kraftwerk 「Tour de France」
(2003 『Tour de France Soundtracks』)

→この企画一番の異色ナンバー、でしょうね。 なんせ“テクノで競輪”ですから。
Tourを「移動=旅」ととらえるか「スポーツ」ととらえるかで意見は分かれるでしょうけど、自分は前ともとらえられる、と思いました。
フランス語の歌詞ということもあり、面白いと思っています。

19. 長谷川きよし 「愛の讃歌(Live in London)」
(2012 『人生という名の旅』、写真2段目中央)
→この企画MD唯一の、日本語の歌です。
長谷川きよし氏はギターの腕も歌唱も素晴らしく、ギターひとつでヨーロッパに渡っても高く評価される、日本人が誇れるシンガーソングライターです。
「ぼくは一時、横浜の野毛の大道芸の人たちと知り合って。
ああいう大道で歌うことこそ原点だというふうに思って、ずっと屋外で歌ってた時期があるんですよ、何年も。
そのとき、妻が言うには、『愛の讃歌』を必ず歌いなさい、って。
あの曲を歌うと人が集まるからって(笑)。
大道芸人は人を集めなきゃ話にならないですし、それでずいぶん歌いましたよ。
ほんとうにすごいんですって。 毎回、何倍もの人が足を止める。
やっぱり歌の力、楽曲の力ですね」(長谷川きよし・談)



長谷川きよしさん『愛の讃歌』の歌詞

20. Ingrid Fuzjko Hemming (Piano) 「Franzs Liszt - Liebesträume(愛の夢)」
(2009 『Fujko』=現在廃盤、写真2段目右)
現在はCD『イングリット・フジコ・ヘミング』にも収録。

→「愛の夢なんてロマンティックな曲名がついているけれど、甘いだけじゃないわよね、この曲が表現しようとしているのは」
(フジコ・ヘミング)
フジ子・ヘミング~愛の夢


21. The Corrs 「(Erin Shore Traditional Intro ~ )Forgiven, Not Forgotten」
(1995 『Forgiven,Not Forgotten』、写真3段目左)
→ヨーロッパ大陸からアイルランド&イギリスの島に渡ります。
やはり、コアーズの曲を入れさせていただきます。
彼らの音楽は自分にとって「ダブリン国際空港」的存在であり、アイリッシュ音楽を語るうえで不可欠なものです。


22. Damian Mullane (Accordion) 「Murphy's Hornpipe ~ Moving Cloud」
(2012 『無印良品 BGM 17』、写真3段目中央)
→無印良品からこんなCDが出ていました。 アイリッシュ音楽集です。
後にヤマハ・ミュージックから市販化リリースされた『暮らしの音楽 アイルランド』には未収録のようなので、ネット通販で購入されようと計画している方は、ご注意を。

23. The Beatles 「Penny Lane」
(Single in 1967,2001 『The Beatles 1』写真3段目右)
→さて、ビートルズの歌をもう一曲。
今度は「自分たちのふるさと自慢」的な歌を選んでみました。


24. Mantovani 「Londonderry Air」

→緑の大地・イギリスを思わせる美しいメロディー。
水が流れ落ちる滝のような「カスケーディング・ストリングス」が有名な名アレンジャーのマントバーニ(1905-1980)の美しいアレンジでどうぞ。
センチメンタルなメロディーを聴いていると、そろそろ日本が恋しくなってきていませんか。

25. The Square 「Cry for The Moon」
(1984 『Stars and the Moon』、写真下段左)
→旅や物語の終わりに込み上げる万感の想いでしょうか。
そろそろこの旅も終わりに近づいてきました。 日本行きの帰りの飛行機内のイメージで選びました。
長く活動しているフュージョン・グループ「ザ・スクエア(現・T-Square)」の1984年の隠れた名盤『スターズ・アンド・ザ・ムーン』でも冬の澄んだ空気を思わせる、和泉宏隆(keyboards)作曲の曲をどうぞ。

26. Jean-Pierre Rampal (flute),Lili Laskine (harp)「花(滝廉太郎・作曲)」
(1990 『Favorite Japanese Merodies(浜辺の歌:日本の旋律)』、写真下段右)
2020年現在は1969年アナログ盤発売の「春の海~日本の旋律」もCD化されました。

→MDでの音楽世界旅行、最後の曲になりました。
成田空港の到着ロビーへ向かう階段の案内板に書かれた「おかえりなさい」という文字にホッとしたことはありませんか。
そんな日本の名曲として、滝廉太郎(1879-1903)の「花」をフランスの奏者:ジャン=ピエール・ランパル(フルート、1922-2000)とリリー・ラスキーヌ(ハープ、1893-1988)の演奏からどうぞ。
発売されたCDは1990年ですが、録音は1969年、編曲は矢代秋雄氏(1929-1976)です。
個人的には札幌(明治時代)を題材にした「この道(山田耕作:作曲)」も考えていたんですが、編曲面で有終の美になってないので、今回はあきらめました。

えーい、こいつもおまけだ。 貼っちゃえ。
Rampal&Laskine play Japanese merodies - HANA(Blossoms)

『花』の歌詞


以上全26曲、120分の世界旅行におつきあいいただき、ありがとうございました。

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