デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

吾輩も猫である 106 「おんなの時代」

2015-08-31 01:56:25 | 吾輩も猫である

 

 主人は「書かなきゃなぁ」と言いつつ、その気!にならない。吾輩と目が合うや、「シマ、おまえの番や」。吾輩が行ってもいない MIHO美術館「若冲と蕪村」、西本智実指揮のバレエ「白鳥の湖」の写真とメモを吾輩に押しつけた。ま、勝手に書く。ちなみに(別にちなまずともよいが…)上の写真は吾輩のお気に入りで「吾輩も・・・91」から再掲した。

 否も応もなく…
 MIHO美術館。名前は聞いたことがある。信楽(滋賀)の山中らしい。さほど食指が動いたわけでもない主人をその気にさせたのは細君である。若冲が好きな細君、特別展は今月30日までと聞いて主人に「行きます。運転お願いね」と、否も応もなくご出馬宣言。

 長い長い道程…
 新名神の信楽ICで降りて20~30分。臨時駐車場からシャトルバスで5分、漸く着いた!と思いきやそこはレセプション棟。電気自動車で更にトコトコ走るのだが、徒歩10分と聞き歩くことにした由。門を入りトンネルをぬけ橋を渡ると…MIHO美術館なり。

 
 門を入り…        防空壕?風トンネルをぬけ   橋を渡ると…       MIHO美術館

 設計も看板も さすが…
 ルーブル美術館のガラスのピラミッドで知られるI.M.ペイ氏設計の三角形の造形が目に入る(↓中)。ここを左に行くと常設展、右に行くと特別展。特別展の階段踊場に大きく「蕪村と若冲」の看板(↓左)に既にわくわく・・・。なお↓右はリーフレットより。

 

 これはやっぱり…すごい!
 若冲「象と鯨図屏風」はよく知られている(↓)。「白梅錦鶏図」など特有の紅い色づかい、花びら一枚一枚まで繊細かつ生き生きと描かれている。これだけの作品が一堂に会する特別展、細君が行きたくなるのもムベなる哉、主人の眼からウロコが1~2枚。

 

 蕪村に一票!
 主人を驚かせたのは寧ろ蕪村。「俳句は兎も角、これだけの絵を描く人物とは・・・」と。芭蕉「五月雨をあつめて早し最上川」は自然主義風の名句。一方、蕪村「五月雨や大河を前に家二軒」はグッと絵画的である。主人、蕪村に一票!(絵は「リーフレット」より)


学問は尻からぬけるほたる哉(蕪村) 「 維摩図」      「虎図」      「蜀桟道図」

 常設展も「宝の山」でした 
 常設展は「面白くない」のが相場。が、お茶でも・・・とレストランに寄ったついでに入ってびっくり! アジア・アフリカの財宝名画彫刻塑像etc.これでもか!と展示されている。この蒐集力、財力って何?と思ったら、某宗教団体の底力によるものでありました。

 
   廊下の床にローマ時代のモザイクが当時のまま置かれている・・・ウフィッツィ(イタリア)式?

    さてここからは 西本智実指揮&芸術監督による バレエ「白鳥の湖」

 

 肥えはった!と?
 女性指揮者として世界が注目する西本智実さん。彼女の指揮する演奏会は主人には二度目、初めて逢う憧れのひとのように胸をときめかせてホールへ。お目にかかり、ちょっと肥えはったかな?なんて余計なことを想うのは・・・まぁ、勝手に思いなはれ。

 ようやく タイトル「おんなの時代」に近づいてきた!
 生!オーケストラによるバレエの上演は最近では珍しい。一席2~3万円で満席にすれば兎も角、余り現実的ではない。だからこのホール、やるもんである。女性が殆どを占めるイルミナートフィルの演奏。ダンサーも男性3人のほかは女性のイルミナートバレエ。

 華を競う? 鼻を競う?
 舞台ばかりではない。客席も満席の1300人のうち男性は30~40人。男性がラフな格好なのに対して女性はドレスアップ・・・華を競うが如し。加えてお化粧の匂い、香水の匂いが漂い、鼻!も競うが如し。さすがの主人も、気後れして小さくなっていたようだ。

 第三幕がなかなかに…
 それは兎も角、素晴らしい公演。純白の衣装でまさに白鳥の如く踊るプリマドンナ。群舞の有名なシーンは勿論、全四幕の第三幕「舞踏会」のシーンがなかなかの見所なり。衣装、踊り、音楽が程よく散りばめられ、バイオリンのソロもいい。お得な第三幕なり。

 僻み? 苦味? オトコは黙って ダンダン ディダン シュビダドゥ…
 ご託!はこのあたりにしてタイトルの「おんなの時代」。美術展もバレエも兎に角!おんな!オンナ!女のミナサン!でいっぱい。女は華やかに感性を磨き心豊かになる一方、男は屋台の友、カラオケ・ゴルフの友と化し、ムサ苦しくなるばかり・・・嗚呼。

 

 ※ TOMOKOさんのブログ「気まぐれ花★旅日記」にも
    2回にわたり『ミホミュージアム』が紹介されています(リンク承諾済)

  http://blog.goo.ne.jp/tomoko1959_2007/e/b053b21c6504dc3ab8bb055b4afa9d73
   http://blog.goo.ne.jp/tomoko1959_2007/e/729414e220bbcd66257a4c39bfb6c590
 

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18 コメント

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Unknown (mikihana)
2015-08-31 11:33:52
素晴らしい特別展でしたね。
一気に秋めいてきたので
遠出にもちょうどよかったのではないでしょうか。
本物の素晴らしさを味わわれて
ちょっぴり羨ましいです。
返信する
Unknown (讃岐おばさん)
2015-08-31 11:38:30
こんにちは~
西本智実さん、懐かしいです!
2011年12月でしたが西本智実さん指揮のクリスマス・アダージョを楽しみました。
そしてルーブル美術館のガラスのピラミッドは今年1月に。
もう遙か昔の出来事のようです(^_^;)
MIHO美術館ですね、いつか行ってみたいです。


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一気に秋へと・・・ (デ某)
2015-08-31 15:33:06
mikihanaさん

ご無沙汰しています。お訪ね&コメントありがとうございます。

> 素晴らしい特別展でしたね。

これだけの企画は 
国立美術館が 専任学芸員を何人もおき何年もかけて可能なもの。
さすが!と言うほかない力を持つ美術館です。

> 一気に秋めいてきたので
> 遠出にもちょうどよかったのではないでしょうか。

明け方は寒く!なってまいりました。
自然の力、自然のたゆみないリズム・・・改めて凄いと思います。
でも、遠出を愉しむには ちょっと…でした(笑)

> 本物の素晴らしさを味わわれて
> ちょっぴり羨ましいです。

なにを仰いますやら…。
世界に誇る名峰富士山を日々仰ぎみていらっしゃるmikihanaさん、
ちょっぴり!どころか 大いに羨ましいです。

お母さまにも サクちゃんにも 宜しくお伝えください。
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じきに… (デ某)
2015-08-31 15:39:49
讃岐さん

コメントありがとうございます。
〇度目が数えきれない台湾行、お疲れさま(お楽しみさま)でした。

それにしても さすが讃岐さん
西本智実さんも ルーブルも既に体験?済の由。
行動的な讃岐さんのことですから、
きっとMIHO美術館も じきに
「あっ! もう2~3度行ってまいりました」でしょうねぇ(笑)
返信する
シマくんの丸顔が好きです (moka)
2015-08-31 17:26:17
早くも芸術の秋を感じさせていただきました
信楽には、陶器市の頃に何度か足を運んだ事があります。
こんな素敵な美術館があるなら、今度は立ち寄ってみたいです
…あ、でもその頃には展覧会の内容が変わってますね

華の競演!鼻の競演? 笑ってしまいました
返信する
Unknown (六花)
2015-08-31 23:01:39
デ某さん こんばんは
奥さまに誘われて 若冲に蕪村に会えて良かったですね。 

何故かステキなミュージアムには 
美味しいお料理があるんですよね。

それから 「気まぐれ 花★旅日記」も
流れで散歩しました。子どもの年齢の方ですが
感性豊かな方とお見受けしました。

そして 女性指揮者 西本智美さん
凜々しく見えて・・これ褒め言葉なんです。 ステキです。TVでしか見た事無いのですが 
何もかもに酔って・・酔いが覚めましたか?
時々息抜きしながら 介護お続け下さいネ。 介護のみの生活は辛いものです。
返信する
ご健筆を! (デ某)
2015-08-31 23:55:07
mokaさん
怒涛の術後記執筆中にコメントくださりありがとうございます

> 早くも芸術の秋を感じさせていただきました
これから続々 見逃せない公演、美術展ラッシュとなりますね
少し毛色?のかわったところで 中旬に桂米團治の落語独演。
米團治、米朝さんのご子息ですが、
実は、学生時代に米朝さんのラジオ番組に出たことがあります。
当時の米朝さん、とってもオトナ!でしたけど、
私の息子と変わらないお歳だったのが信じられません(笑)

> 信楽には、陶器市の頃に何度か足を運んだ事があります。
> こんな素敵な美術館があるなら、今度は立ち寄ってみたいです
ナビも間違えるくらいの山の中にあります
信楽のタヌキにからかわれているのかと思うほど・・・。

術後ウツ・・・旺盛な執筆ぶりから心配なさそうですね。
ご活躍とご健筆をお祈りします
返信する
9月になれば・・・ (デ某)
2015-09-01 00:19:17
六花さん

私にはこんな時刻はまだ「宵の口」ですが、
六花さんもPCに向かっていらっしゃるとは意外でした。

> 奥さまに誘われて 若冲に蕪村に会えて良かったですね。 

「誘われて」とはなんとお優しい表現(笑)
アッシーくんなんですよ、いつも。
「花より団子」の私ですから・・・。

> 何故かステキなミュージアムには 
> 美味しいお料理があるんですよね。

これは偶々ではなく必然でしょうね。
開館する前から様々な案を検討していると思います。
味良し センス良し スタッフ良し・・・。
「行かなきゃ損!」なくらいですね。
コンサートの休憩時間の珈琲もよく売れるようです。
良い音楽は 誰でも 眠くなるものですから(笑)

> 「気まぐれ 花★旅日記」も流れで散歩しました。

若き日のTOMOKOさんの日々・・・まるでドラマですね。
ブログからそれぞれの方の懸命な生き様に触れます。

> 女性指揮者 西本智美さん
> 凜々しく見えて・・これ褒め言葉なんです。 

凛々しい・・・なかなかどうしてヤンチャな方でいらっしゃいます(笑)
イメージ先行かな

> 時々息抜きしながら 介護お続け下さいネ。 
> 介護のみの生活は辛いものです。

ありがとうございます
今日、病院から連絡が入りました。
父は「誤嚥による肺炎」ということで、抗生剤の投与が始まりました。
退院は少し先に延びそうです。
入院で・・・父より母の妄動?が一層!心配になってきました。

ではでは・・・。
9月、気候も音楽も変わります(笑)
健やかな良い日々をお過ごしください。
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観たかったなあ… (aimaco)
2015-09-01 09:43:28
大好きな若冲の、白い象 …本でしか見たことなくて、いつか観たいと、2ヶ月に一度は美術館めぐり(ランチ巡り) を、脚の悪い母と、年配の知人と4人で 楽しんでおります。県内で見逃した時は、思い切って日帰りで神戸まで行ったり、奈良の正倉院展にも車で行きました。元気なうちに、現物を見て感動したいなあと。聴覚障害なので なかなかクラシックコンサートは いけませんが、身内のバイオリン、ピアノ コンサートには行くようにしています。脳オペの影響で平行機能障害があるので、出歩くのも不便です。もう、20年間で4回オペ、4回放射線治療受けています。2年ほど前から、髪がすごく抜ける様になり、小さな部分ハゲが…U+1F4A7 軽い?顔面神経麻痺もあって 外食しずらいですが、楽しむようにしております。 装具、何度見ても大変そうで、いろいろ考えてしまいます。 錆びないでしょうが… アイアンマン みたく カッコ良いですね!
返信する
熱いスピリット (デ某)
2015-09-01 10:45:03
aimacoさん

コメントありがとうございました

> 大好きな若冲の、白い象 …本でしか見たことなくて・・・

今回は若冲と蕪村あわせて223点の作品が展示されました。
他の美術館からの貸出展示が多いのですが、
お好きな「象と鯨図屏風」は MIHO MUSEUM の所蔵です。
ご覧になる機会はまだ多いと思いますよ。

ご家族やお知り合いの方々と美術館めぐりなどにお出かけの由。
障碍をもっていらっしゃると、遠隔地には本当にたいへんですね。
美術館は「1点豪華主義」、
1点でも超!のつく作品を所蔵すれば他の美術館と互いに貸借可能になります。
競売で数億円かけてでも手に入れる所以ですが、
お近くの美術館にそうした作品があれば、より実現する機会が増えると思います。

それにしても年4回のオペ、放射線治療・・・。
ご苦労はとても想像できません。
熱いスピリットをもって生きていらっしゃることに心より敬意を表します。

ますますのご活躍とご健勝をお祈りします
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