高等教育問題研究会(FMICS)
http://www.fmics.org/index.htmの最新ニュースレターから、コーナーを担当することになりました。代表の高橋真義先生のはからいで。まことに感謝です。ちなみに高橋先生は、桜美林大学の教授です。じつにホットでファンキーな、おっさん風の紳士です。
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【きょういく コール& レスポンス】1
今更ですが……「挨拶」していますか?
みなさん、初めまして。新年度が始まって一ヶ月。ようやく、周りの人の顔が見え始めたころのはず。しかし、本当に見えていますか。ひとことだけでもお互いに、挨拶の言葉を交わしていますか。
3年前のエピソードを、ちょっと紹介します。都内のある大学の講師控室に入ると、一人の教授と目が合いました。「こんにちは」と笑顔で声をかけたのですが、次の言葉に思わず絶句。「きみ、どうして挨拶するの。僕のこと知っているの」。私は、「……いえ、ただ目が合いましたので、ご挨拶をと思いまして」と返しました。教授は「あ、そう」と言い、そこで初めて軽く頭を下げてくれました。「挨拶する理由」を問われるほどに、大学の講師室は哲学的なのでしょうか。いや、やはり何かがおかしいのです。
大学という高等教育機関では、生活上のもっとも基本的なコミュニケーションが減ってきています。これが、非常勤講師歴8年、十数校の大学へ出入りしてきた私の実感です。1限・2限の授業前、教材準備でコピー機を操作する方、朝食をとりながらのポイントチェックする方などなど、朝の「講師控室」は、臨戦態勢そのもの。いちいち言葉をかけ合っている余裕など、無さそうに見えます。だからこそ、声を大にして言います。まずは、「おはようございます」でしょうと。それも無いのに、朝の講義で学生たちにメッセージを伝えることはできません。そう思いませんか。
私の担当講義の最初の1コマは、時間をかけて挨拶と自己紹介をします。自作の「非常勤ブルース」という歌も歌います。1コマなんぼで学生たちに向き合い、次年度さえ定まらない一期一会の出会いであることを告げ、「半期、よろしく」と頭も下げます。そして歌や挨拶のコールに対して、学生からもレスポンスを返してもらいます。そこから関係が始まると考えるからです。
きちんと挨拶をしない人間の話しなど、誰も聴きません。また、話し手の人物像をある程度つかむまでは、話しの内容は素通りです。これは、コミュニケーション論や教育論の理屈を待つまでもなく、私たちが小さい頃から身につけてきた人生の方法です。高等教育機関だからといって、人間関係を始める初発の基本が省かれていいということはありません。なぜならば、世界はコールとレスポンスで成り立っており、そうしたことが出来る心と体を育てることが、広く教育現場で求められているからです。人が人として相手と関わるには、まず挨拶。自然との関わりにおいても、同様です。適切なコールとレスポンスが欠ければ、関係は歪んでしまうでしょう。みなさん今日も、挨拶をしていますか。
最後に、私は“コールさとう”の名で、大学、市民講座、企業セミナー等でコール&レスポンスのワークショップを実施しています。
コールは、bluesato2005@yahoo.co.jpまで。
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